家事に仕事に忙しいと、ちょっとくらいの不調は我慢してあれこれやってしまうことはありませんか?株式会社ツムラが20~50代の女性10,000人を対象に行った、不調なのに我慢して家事や仕事をする「隠れ我慢」の実態調査によると、実に女性の79%がこうした「隠れ我慢」をしていることが明らかに!
◆「我慢できそうだから」と不調を押して行動すると後悔することも!
なぜこうした「隠れ我慢」をしてしまうのでしょうか。「隠れ我慢」をしている20代~50代の女性1,000人を対象に理由を聞いたところ、「休むと仕事・家事などに支障が出るから」が半数以上と最も多いものの、4割以上が「我慢できるから」、「病気でなく休むほどではないから」と答えています。確かに、「何とかなりそうだから我慢して乗り切ろう!」と思ってしまうことがありますよね。
でも、不調があるということは、健康が傾いているというサイン。無視して我慢を続けると、大きな病気につながる可能性もあるので注意!今回の調査でも、6割が我慢することで体調を悪化させ、5割が我慢したことでかえって周囲に迷惑をかけるなどして後悔する結果になってしまっています。
◆40~50代は「疲れ・だるさ」「イライラ感」「不安感」を感じつつも我慢しがち
こうした「隠れ我慢」をしている人が普段感じている不調を聞くと、1位「疲れ・だるさ」、2位「冷え」、3位「イライラ感」という結果に。
また、「隠れ我慢」をしている女性が感じながらも我慢する不調は1位「疲れ・だるさ」、2位「イライラ感」、3位「不安感」。40~50代を見てみると、「疲れ・だるさ」「イライラ感」「不安感」を感じつつ我慢する人が多い結果となっています。
◆日本女性の「隠れ我慢タイプ」が判明。それぞれの対処法をチェック!
体に現れる症状がさまざまなように、不調になるまで我慢してしまう性格のタイプも人それぞれ。そこで、日本女性がどのような「隠れ我慢」をしているのかについて、心理カウンセラーの下園壮太先生監修のもと、5つのタイプに分類しました。どんなタイプなのか見ていきましょう。
【タイプ1】気遣いさんタイプ
自分がしたいことを我慢して、周りへの気遣いを優先させるタイプです。「自分さえ我慢すれば丸くおさまる」「いつも他人の評価を気にしてしまう」という気持ちが強い一方で、「私はこんなに頑張ってるのに!」と自分勝手にふるまう人の行動に悩み、嫌な思いをしてしまうことも。
《アドバイス》
まずは自分の気持ちに素直になってみて。手始めに、「(周りのために)こうあるべき」と「(私は)本当ならこうしたい」の間を探り、少しずつ行動に移していきましょう。そうしていくうちに、自分にも周りにも心地よいバランスが見つかるはずです。
【タイプ2】敏感さんタイプ
「肌触りにこだわる」「音や光、寒暖差などに敏感」「人が落ち込んでいるとつられて落ち込む」という傾向が強め。感覚や感情の変化を感じ取りやすいタイプ。同時に、「察してほしい」「わかってもらえないかも」という思いから、自分が感じる違和感を周囲に伝えられず我慢してしまうことも。
《アドバイス》
感性の差を周囲に理解してもらえず悩みがち。そんなときには自分が今の環境をどう感じていて、それをどんなふうに改善してほしいかを整理してみて。「具体的な対応策」に落とし込んで周囲に伝えるとスムーズに対応してもらえます。
【タイプ3】頑張りやさんタイプ
自分の成長のために、我慢を前向きにとらえられるタイプ。「辛い時もあきらめずに最後までやり遂げたい!」「頑張っている自分が好き」という気持ちが強くあります。その一方、「今のままでいいの?」という理想と現実とのギャップに悩み続け、辛くなってしまうこともあります。
《アドバイス》
頑張り屋で、一人で悩みを抱え込んでしまいがち。誰かに心の中を打ち明けてみたり、ノートなどに思いを書き出すなどで、自分のいろんな気持ちを吐き出すことを意識してやってみて。いい子の自分だけでなく、悪い子の自分も受け入れてあげて。
【タイプ4】慣れっこさんタイプ
幼いころから何事も我慢で乗り切ることを得意とし、「特に我慢していると思っていない」「自分の欲求はわがままだ」「好きなことで気分転換している」と考えています。一方で我慢が癖になってしまい、自分自身で気づかないうちに、無理を重ねてしまうこともあります。
《アドバイス》
意識的に心身を我慢から解放してあげましょう。「レスト」「リフレッシュ」「リラックス」の「3つのR」を心にとめて。もし今すでに心身からのサインが出ていたら、思い切って休む(=レスト)から始め、少し元気になったら、自分なりのリフレッシュやリラックスを試してみて。
【タイプ5】不調さんタイプ
日常的に不調を我慢しながら過ごしているタイプ。「生理痛がひどいけれど、周囲に言えない」「頭が痛くて集中できない」など、心身の不調を抱えていても、周囲の足を引っ張りたくないと考えてしまいがちです。特に女性特有の不調は男性には理解されにくく、余計に我慢してしまうことも。
《アドバイス》
心身の不調をしょうがないとあきらめず、改めて向き合い、「不調でもここまでならできる」「不調の時はこうしたい」といった自分に合った行動基準を探ってみて。見つかったら、周囲にも共有してみて。一人で見つけるのが難しければ、医師などに相談してみてもいいかもしれません。
こちらの「隠れ我慢」タイプは、「隠れ我慢チェッカー」でチェックできるので、ぜひやってみて!
ついつい不調を我慢してしまいがちですが、不調を感じたら体を休める、親しい人に相談をする、医師に相談をする、といった対処法のほか、体質改善をするのも不調解消法の一つ。生活リズムを整える、運動をする、漢方薬を飲む、などができそうですね。その中で、40~50代の不調を改善に導く漢方薬をご紹介します。
◆無理な我慢をやめてみることが大事!そして女性の不調改善には漢方を活用する手も
【お悩み1】疲れ・だるさ
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを整えて、元気を補ってくれます。体力がなく気力がわかない、疲れやすい、疲れが取れない、といった人に。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
病後や術後などで体力が落ちていて、貧血などの症状がある人に用いられます。食欲不振、手足の冷えなどの悩みにも使われます。
【お悩み2】イライラ感
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこって疲れやすく、精神不安やいらだちがある人に。冷え症、虚弱体質、月経困難や更年期障害などの悩みに用いられます。
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかれいこつぼれいとう)
体力中等度以下で、疲れやすく神経が過敏で、興奮しやすい人のイライラや不安、不眠を改善する漢方薬。神経の高ぶりを沈め、不安定な精神を落ち着かせます。
【お悩み3】不安感
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
体力中等度を目安に、気分がふさいでのどに異物感がある人の、不安神経症や神経性胃炎、のどのつかえ感などの症状に用いられる漢方薬です。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
体力中等度以上で精神不安があり、不眠などがある人に。高血圧に伴う不安や不眠のほか、更年期神経症などに使われます。
どうしてもつい不調を我慢してしまったり、周囲に言えなかったりということがありがち。不調改善を目指す漢方を活用したり、「隠れ我慢」タイプのアドバイスを参考に、自分なりの我慢と上手に付き合う方法を探っていきましょう!
◆資料提供/株式会社ツムラ
構成・文/倉澤真由美