指の骨が変形して固まってしまう「ハンマートゥ」、足の骨格的な異常や歪みが原因の「強剛母趾(きょうごうぼし)」。放置しているとさらに悪化することも多いので、その予防と治療法を知っておきましょう。
お話を伺ったのは
桑原 靖さん
Yasushi Kuwahara
「足のクリニック 表参道」院長。2013年に日本初の足専門クリニックを開設。海外の足病医学に基づいて、形成外科、整形外科、皮膚科、リウマチ科など各分野の専門医によるチーム医療で足の総合診療を実践。
ハンマートゥ
指関節が変形して固まってしまう病気
ハンマートゥ(金づち型)、クロートゥ(かぎ爪型)、マレットトゥ(木づち型)など、変形した形により呼び方は異なりますが、合わない靴などで足指を踏ん張る状態を続けることで、指の骨が変形する病気です。
重症化すると変形したまま関節が固まって動かなくなることも。初期であれば、正しい靴やインソールの使用で改善するので、早めに医師に相談を。
◆正常な足
横から見たときに指が真っすぐ伸びているのが普通です。
◆ハンマートゥの足
足指の関節が盛り上がるように変形してしまった状態です。
強剛母趾(きょうごうぼし)
骨格の歪みで親指を反らすと激痛が!
親指の付け根の関節に痛みと腫れが生じる病気で、痛風と間違われることもあります。外反母趾と同様に、足の骨格的な異常や歪みが原因。
指関節の変形などはありませんが、関節内部へのダメージが強く、重症化すると親指がまったく反らせなくなり、歩行に支障が出ます。
治療は、軽症なら医療用インソールの使用などで補正しますが、難しければ手術を行います。
◆正常な足
親指を反らせることで、しなやかな歩行が可能に。
◆強剛母趾の足
中足骨(ピンク色の部分)と親指の関節が痛み、指を反らすことができません。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/山村浩子