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ビフィズス菌ってどんな菌?その効果に認知機能の維持効果もある?

腸内の環境を整える効果があるなど、体に良い働きをするとされる善玉菌の中から、知っておきたいビフィズス菌の注目機能をご紹介します。

 

知っておくと便利!
ビフィズス菌の注目機能

●大腸に棲息し、悪玉菌の増殖を抑制

ビフィズス菌=大腸に棲息し、悪玉菌の増殖を抑制

「ビフィズス菌はY字状の形で、ヒトや動物の腸管にのみ棲息。酸素を嫌う特性があり、酸素のない大腸に多く存在。大腸にいる善玉菌のほとんどはビフィズス菌です。酸素が少しある小腸にはビフィズス菌はほとんどいません。大腸内で特に酢酸を作り出すのが最大の特徴で、酢酸には強い殺菌力があり、悪玉菌の増殖を抑えます」(齋藤忠夫先生)

ビフィズス菌の顕微鏡画像

資料提供/ヤクルト本社

 

  • 菌の形:棒状と分岐した棒状(Y字状)
  • 棲息場所:おもに大腸
  • 酸素があるところでの活動:できない
  • おもな代謝産物:酢酸+乳酸(3:2)

 

 

おもな菌株と機能

●認知機能の維持
◆ビフィズス菌MCC1274

森永乳業の研究で、ビフィズス菌MCC1274には加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力や、空間認識力を維持する働きがあることが判明。2021年、その研究結果が日本認知症予防学会でも発表されました。

 

◆認知機能テスト(RBANS)の測定結果

認知機能テスト(RBANS)の測定結果

★★ P<0.001、★★★ P<0.0001 vs プラセボ群 出典: Xiao et al.,Journal of Alzheimer’s Disease, 2020より作図

 

軽度認知障害の疑いがある50歳以上80歳未満の男女80名に行った実験で、ビフィズス菌MCC1274の摂取により、プラセボ群と比較して、即時記憶、遅延記憶を司る認知領域の点数が顕著に向上しています

 

●便通改善
◆BB536、ビフィズス菌 BY株、LKM512、BB-12

ビフィズス菌の各菌株には、腸内の悪玉菌を減らし、腸内環境を整えて便通を整える効果があるものが多数。便通を改善する機能を表示した機能性表示食品のヨーグルトも増えています。

 

●感染防御作用
◆BB536

65歳以上の高齢者での実験によって、BB536を継続摂取することでインフルエンザの発症予防効果が認められています。

 

●潰瘍性大腸炎の予防・軽減
◆BB536、ビフィズス菌 BY株

潰瘍性大腸炎患者にBB536を24週間摂取してもらう実験で、症状が緩和したという報告があります。また、ビフィズス菌 BY株はガラクトオリゴ糖との併用で潰瘍性大腸炎軽減の報告も。

 

 

●抗アレルギー作用
◆BB536

BB536をとり続けることで花粉症の自覚症状が緩和されたという実験結果も。菌体そのものによる直接的な腸管を介した免疫調節作用と、整腸作用の両方によるものと推測されています。

 

●食後の胃の負担をやわらげる
◆B.ビフィダム Y株

一時的な胃の負担を感じている健常成人79名にB.ビフィダム Y株を含む飲料「BF-1」を1日1本4週間飲んでもらう実験で、92.3%の人が上腹部の症状の軽減を感じたことを確認。

 

●悪玉菌抑制
◆BB536

BB536を8週間摂取する実験で、大腸がんのリスク因子となる毒素産生型フラジリス菌の数が減少。ラットに発がん性物質を投与する実験では、BB536入りの群はがん発生が大幅に低下。

 

 

お話を伺ったのは

齋藤忠夫さん

齋藤忠夫さん
Tadao Saito

東北大学名誉教授。農学博士。乳酸菌研究および機能性ヨーグルト研究の第一人者。専門は、食品科学・応用微生物学。メディア出演も多数

 

 

イラスト/沼田光太郎 取材・原文/和田美穂

 

 

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