口から入った食べ物が消化され排出されるまでの流れや、消化力の低下で太るメカニズムなど、意外にわかっていない消化の知識をご紹介します。
消化の豆知識
消化力を高めるために、知っておきたい基礎知識…。体調管理にも役立てて!
体に栄養を届ける「縦と横の流れ」が大事!
口から入った食べ物は、消化器系の各臓器を経て、不要なものは便として排出されます。これが縦の流れ。一方で、体に必要な栄養素を吸収して各細胞に運び、逆に有害物質を消化管に取り込みます。これが横の流れです。
「消化器系が正常に働いている場合は、この縦と横の流れがスムーズにいきますが(下のイラスト上部)、腸に汚れがたまっているとうまくいきません(イラスト下部)。この縦と横の流れを良好に保つことが大切なのです」(澤田幸男先生)
消化力の低下で太りやすくなる
「消化力が低下すると、大腸に汚れがたまり、便秘や下痢など、便にも影響が出ます。そうしたシグナルは小腸にも伝わり、さらに機能が低下。栄養吸収が十分にできないので、栄養不足により基礎代謝が落ちるうえに、過食に走る傾向が」(澤田幸男先生)。
これが太るメカニズム。消化チームの働きを高めることは、痩身の効果もあるのです。
●太るメカニズム
鶏が先か卵が先か? という側面もありますが、すべてが連鎖的に影響していきます
食べ物は体に24~72時間滞在
今食べたものは、いつ便として排出されるのだろう? と疑問に思ったことはありませんか?
「個人差やそのときに食べたもの、体調などが関係しますが、一般的には、胃での滞在時間は3~5時間、小腸で5~8時間。全体では24~72時間といわれています」(澤田幸男先生)。
食べ物による差も大きいのですが、そこにフォーカスした理論を次回からご紹介します。
お話を伺ったのは
澤田幸男さん
Yukio Sawada
1957年生まれ。「澤田肝臓・消化器内科クリニック」院長。医学博士。専門は消化器内科。アダムスキー式腸活法を提唱する『腸がすべて』(東洋経済新報社)の監修を担当。神矢丈児氏との共著『腸が寿命を決める』(集英社新書)も
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子