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四十肩・五十肩になったら整体、整形外科…どこに治療に行ったらいいの?

肩が痛くなり、「これって噂の四十肩・五十肩?」と思ったら、どこへ行けばいいの? それぞれの特徴を知っておき、賢く利用しましょう。

 

診断できるのは医師だけ。代替療法はサポートに

四十肩・五十肩の治療法をネットなどで検索すると、クリニック以外にもさまざまな治療院が出てきます。いったいどこへ行ったらいいのか迷ってしまいます。

 

「まずは整形外科を受診して、『肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)』の確定診断をしてもらうことが先決です。そのうえで、つらい痛みがある場合は、安静を徹底して、炎症と痛みを取ることが最初のステップです。

 

肩を動かすのは痛みがある程度取れてから! なかには、早い段階で無理に肩を動かされて、悪化させてしまうケースもあります。痛みがある場合は、まずは“安静”。その後、痛みがやわらいだら、徐々に体を動かしていきます」

四十肩・五十肩になったら整体、整形外科…どこに治療に行ったらいいの?

理学療法をはじめ、治療院が活躍するのはここから。ストレッチやマッサージなどは肩まわりの筋肉の硬直をほぐし、可動域を広げるサポートになります。

 

「整形外科に併設されている理学療法の施設をはじめ、それ以外の治療院でも、“肩の不調”に対する評判を調べるといいでしょう。さらに医師と連携をとっているところなら安心です。痛みが増したり、改善が見られない場合は、すぐにやめてほかを探すなど、臨機応変に対応することが大切です」

 

整形外科や治療院などの特徴

●整形外科

できれば肩専門の整形外科へ。診断を下せるのは医師だけです。 肩が痛む病気は多数あります。まずは正しい診断が必要。四十肩・五十肩とわかったら、最初に行われるのは、薬療法での炎症と痛みを抑えることです。

●理学療法

ケガや病気などで、体に障害を持った人に体の機能を回復させるリハビリテーションを行います。理学療法士は国家資格。医師と連携して、症状に応じた肩の可動域を元に戻す運動療法やストレッチを指導してくれます。

●整骨院(柔道整復師)

柔道整復師は国家資格で、おもに捻挫や打撲、骨折、脱臼などのケガを治療するほか、四十肩・五十肩には運動療法やマッサージ、骨格矯正などで対応します。肩の可動域の改善や再発予防などに、利用する人も多いようです。

●指圧・あん摩・マッサージ

国家資格が必要な手技療法。あん摩は中国由来で、ツボや経絡を意識したもの。マッサージはヨーロッパ生まれで、リンパや血流、筋肉に働きかけます。固まった肩まわりの筋肉を柔らかくする手助けに。

●鍼灸院

中国に起源を持つ、国家資格が必要な伝統的医療。肩関節の痛みがある部位のツボや反射区などに、細い鍼を刺したり、もぐさを置いて燃やすなどして、体に刺激を与える療法。マッサージと併用するところもあります。

●整体

おもに東洋医学を基礎とし、さまざまな施術者の経験や文献などで伝えられた整体術。国家資格ではなく、民間資格などで誰でも開業できるため、技術の差が大きいのが現状。料金設定や評判を確認して選びましょう。

●オステオパシー

手技の名前ではなく、オステオパシー医学という医療哲学の名称。症状のある部位だけでなく、骨格、筋肉、内臓、血管、神経、免疫系など全体をとらえ、体の使い方などを含めて、四十肩・五十肩の根本原因にアプローチします。

●カイロプラクティック

アメリカで生まれた手技療法で、特に脊椎に注目して体を調整することで、歪みの矯正、痛みの軽減、機能改善を行います。欧米諸国では総合医療として確立していますが、日本では国家資格ではありません。

●ペインクリニック

四十肩・五十肩をはじめ、ぎっくり腰、頭痛、捻挫、帯状疱疹など、“痛みや不快な症状”すべてが対象。おもに麻酔科出身の医師が、神経ブロック療法などを行います。ただし最初に行くところとしてはおすすめしません。

 

教えていただいたのは

菅谷啓之さん 東京スポーツ&整形外科クリニック院長

菅谷啓之さん
Hiroyuki Sugaya

東京スポーツ&整形外科クリニック院長。整形外科医、肩肘専門医。米国ハワイ大学医学部客員教授、東京女子医科大学整形外科客員教授

 

 

イラスト/内藤しなこ 構成・原文/山村浩子

 

 

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