最近増えている、大人になって発症する食物アレルギー。医療ジャーナリスト増田美加さんが、その治療について、アレルギー専門医の福冨友馬先生に伺いました。
治療の基本は、原因を特定して避けること
食物アレルギーかどうかは、血液検査IgE抗体や皮膚テストで調べます。
「検査で食物アレルギーとわかったら、治療は、原因食物を避けること。抗ヒスタミン剤などを使うこともありますが、薬よりも食物除去が基本。
ただし、原因食物を絞り込めないことが少なくないのが、食物アレルギー治療の難しいところです。
食物アレルギーを疑って受診を考えている人は、症状が出たときに、調味料を含めたすべての食材、何時に何を食べ、どんな症状が出たか、その日の体調、起床・就寝時間、入浴時間、使用薬剤などを詳細に書いておいてください」
専門医が全国で約20人しかいないということも問題です
また、子どもの食物アレルギーの専門家は一定数いますが、大人の食物アレルギーの専門家は全国で約20人しかいないという現状があります。もしも、大人の食物アレルギー症状に困ったら、下の項目にある日本アレルギー学会のサイトにアクセスしてみてください。
大人の食物アレルギーに困っている人は…
大人の食物アレルギーの専門医は少ないですが、症状に困っている人は、厚生労働省・日本アレルギー学会のサイト「アレルギーポータル」で全国の医療機関やアレルギーの正しい情報を得られます。
ホームページはコチラから。
お話を伺ったのは
増田美加さん
Mika Masuda
1962年生まれ。女性医療ジャーナリスト。35年にわたり女性の医療、ヘルスケアを取材。自身が乳がんに罹患してからは、がん啓発活動を積極的に行う。著書に『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』ほか多数
国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター
アレルゲン研究室長
福冨友馬さん
Yuma Fukutomi
広島大学医学部卒業。医学博士。2006年より国立病院機構 相模原病院アレルギー科勤務。’14年より順天堂大学連携大学院客員准教授併任。日本アレルギー学会(代議員)アレルギー指導医。専門は成人食物アレルギー、アナフィラキシーの臨床、成人アレルギー疾患の疫学研究など
『大人の食物アレルギー』
(集英社新書)
貴重な大人のアレルギー専門医として16年診療し続けている福冨先生。その豊富な知見から得た情報は、これまでの食物アレルギーのイメージを大きく変えるものです
大人の食物アレルギー(前編)は、下のリンクから読むことができます。
イラスト/堀川理万子