体温は生体から発せられる信号のひとつともいえます。ストレスなどで夜も眠れないといったうつ病の状態と、体温の関係を国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授の岡孝和先生に伺いました。
うつ病の人の体温は一日中高い傾向がある
「夜型の生活を続けていると、本来は体温を下げて体を休める状態になるところ、体温が下がらないため睡眠障害を発症するようになります。うつ病の人にも睡眠障害がよく見られます」(岡 孝和先生)
実際に、うつ病患者の体温を測ったグラフを見ると、全体的に高いのですが、特に夜間の体温の低下が少なく、昼と夜の体温の差があまりないことがわかります。
「きちんとうつ病の治療をすると、体温の異常も治っていきます」(岡 孝和先生)
うつ病患者の体温は一日中高い
うつ病の人は健康な人と比べると、夜間の体温の下がり方が少なく、十分に休めていないことが考えられます
お話を伺ったのは
岡 孝和さん
Takakazu Oka
国際医療福祉大学医学部心療内科学主任教授。産業医科大学医学部講師、九州大学大学院医学研究院心身医学分野准教授を経て、2017年より現職。’20年より国際医療福祉大学成田病院心療内科部長を兼任
構成・原文/山村浩子