がんの死亡率が世界でも高い日本。特に更年期世代には、乳がんなど女性特有のがんは気になるところ。有効性が確認されている「乳がん・子宮頸がん検診」について、医療ジャーナリストの増田美加さんが詳しく解説してくれました。
乳がん、子宮頸がんは早期発見が有効だから…どう選ぶ? どう受ける? これからの「がん検診」
増田美加さん
Mika Masuda
1962年生まれ。女性医療ジャーナリスト。35年にわたり女性の医療、ヘルスケアを専門に取材。自身が乳がんに罹患してからは、がん啓発活動を積極的に行っている。著書に『もう我慢しない!おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)など
乳がん、子宮頸がんの死亡率が上がっているのは先進国で日本だけ
日本は、がんの死亡率が世界でも高く“がん大国”といわれています。更年期世代の女性のがんでは乳がん、子宮頸がんなどの罹患が多く、いずれのがんも死亡率が微増しています。乳がんはひとつの細胞が1cmのがんになるまで15~20年かかります。
しかし、がんになった1cmの乳がんが2cmになるのは、1年半~2年。ですから検診を2年に1回受けなければ、がんを早期発見できないのです。けれども、がんを必要以上に怖がらないでください。なぜならがん全体の6割は治り、1~2cmの早期で見つかれば9割以上が完治するから。
特に乳がん、子宮頸がんは治る確率が高く、早期ならほぼ100%治ります。ただし症状が出たら、早期がんとはいえません。早期発見には症状がないうちに定期的にがん検診を受けることが大切です。正しいがん知識と行動で、賢く自分の体を守りましょう。
●日本女性の乳がん死亡率と罹患率
先進国の中で唯一、乳がん死亡率が下がらない日本。
その要因は、検診受診率が約40%という低さにあります。欧米は60~80%の受診率があり、罹患率が増えているにもかかわらず死亡率は下がっています
●意外にも更年期世代が子宮頸がん罹患のピークに!
子宮頸がんの罹患は、妊娠・出産世代である20代、30代というイメージがありますが、意外にも更年期世代が多いのです。ですから、閉経後も子宮頸がん検診は欠かせません
イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/増田美加