国による、若い世代へのHPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の定期接種の勧奨が、9年ぶりに再開。ワクチン接種が有効とされるのは何歳まで?
やっと再開されたHPVワクチン接種の現状
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の定期接種の国による積極的な勧奨が2022年4月、9年ぶりに再開になりました。HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を予防します。小6から高1の女子は、定期接種として3回分、無料で接種できます。また2022年4月からの3年間だけ、1997~2005年度生まれの女子が無料接種を受けられる措置が厚労省から発表になりました。
「無料接種の年齢を過ぎてもHPVワクチンは有効です。すでに持続感染しているウイルス型に対してはワクチン接種の効果はありませんが、45歳までの接種は有効であるという海外の報告があります。更年期世代であっても個人の考え方や、パートナーとの関係などによってはワクチン接種を検討するという選択があってもいいと思います」
世界のHPVワクチンの接種率
海外では、子宮頸がん予防の意識が高く、接種率80%を超える国も。
一方、日本のHPVワクチン接種率は0.8%と低い水準にとどまっていますが、積極的接種勧奨が再開され、接種率が上がることが期待されます。
お話を伺ったのは
1988年横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学医学部産婦人科学教室主任教授。日本産科婦人科学会特任理事(子宮頸がん検診・HPVワクチン普及推進担当)。日本の子宮頸がん予防活動の第一人者