先進国の中で唯一、乳がん死亡率が下がらない日本。そもそもどんな症状が出るの? どういう人がなりやすいの?
自身が乳がんにり患した経験があり、がん啓発活動を積極的に行っている女性医療ジャーナリスト・増田実加さんのナビゲートでお届けします。
【お話を伺ったのは】
1993年東京慈恵会医科大学卒業。ドイツ・イエナ大学留学、亀田総合病院乳腺科部長、相良病院附属ブレストセンター放射線科部長を経て、現職。2018年より昭和大学医学部放射線医学講座客員教授を兼務。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)理事長
乳がんの基礎知識
女性に最も多く9人に1人がかかる
乳がんはどんな病気?
【乳がんの原因は?】
女性ホルモンのエストロゲンが深くかかわっています。
【乳がんの症状は?】
乳房のしこり、乳房にえくぼやただれができる、左右の乳房の形が非対称、乳頭から分泌物が出る、など。
【気をつけるべきは?】
「高濃度乳房」かどうかの確認を。血縁に乳がん、卵巣がんの人が複数いる場合は遺伝性の可能性があるので、乳腺外科を受診しましょう。
乳がんのリスクが高いのはどんな人?
【チェックリスト】
初経年齢が低い
初産年齢、閉経年齢が遅い
出産経験、授乳経験がない
飲酒
閉経後の肥満
身体活動度(運動など)が低い
乳がん、卵巣がんになった血縁者がいる
良性乳腺疾患がある
高濃度乳房である
【乳がんの治療法】
手術、放射線治療、薬物療法があり、手術によってがんを取りきることが基本。
手術後の病理検査で術後の治療計画を検討します。がんの状態によっては、手術の前に薬物療法を行うことも。治療は目覚ましく進歩しており、働きながら治療する人も増え、乳房再建も健康保険適用となっています。
増田美加さん
Mika Masuda
1962年生まれ。女性医療ジャーナリスト。35年にわたり女性の医療、ヘルスケアを専門に取材。自身が乳がんに罹患してからは、がん啓発活動を積極的に行っている。著書に『もう我慢しない!おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)など
イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/増田美加