乳がん検診を受けて、もし「要精密検査」となった場合、その後の検査方法を知っていますか?
Q. 乳がん検診で要精密検査に。どんな検査を受ける?
A. 針生検(はりせいけん)という組織診でがんかどうかを正確に診断します
「マンモグラフィ検査を受けた女性のうち、10%弱の人が精密検査を受ける必要があると判断されます。あくまで乳がん検診はスクリーニングなので、精密検査を受けなければ、がんかどうかはわかりません。
要精密検査と言われた人のうち、実際に乳がんが発見されるのは約6%。精密検査は、組織診で針生検(乳房組織生検)を行います。針生検は正確な診断につながる大切な検査です」
●精密検査で行われる「吸引式乳房組織生検」とは?
マンモや超音波などで病変を診ながら、医師が直径2~4㎜の針を刺して組織を抜き取ります。一度に必要な組織が十分取れるため、検査も1回ですみ、診断が確定するまでの不安な時間が短くてすみます。がんであった場合、その後の治療方針の決定などに役立つさまざまな情報が得られます
Q. 定期的に検診を受けているのに、がんが発見されないこともあるのはなぜ? 急に進行する乳がんもあるの?
A. 「中間期乳がん」という検診と検診の間に見つかる乳がんもあります
「乳がん検診のマンモグラフィや超音波などで注意して診ても見えないがんがあります」。タレントの北斗晶さんは定期的に乳がん検診を受診していたにもかかわらず、ご自身で異変を感じて病院へ行き「中間期乳がん」と診断されました。
「これが検診の限界です。中間期乳がんには、進行が速く、悪性度の高い乳がんが含まれている場合もあります」
お話を伺ったのは
1993年東京慈恵会医科大学卒業。ドイツ・イエナ大学留学、亀田総合病院乳腺科部長、相良病院附属ブレストセンター放射線科部長を経て、現職。2018年より昭和大学医学部放射線医学講座客員教授を兼務。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)理事長
イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/増田美加