くいしばりや嚙み合わせの悩みを解決するには、歯科領域だけでなく、全身で考える新しい歯科医療に注目です。あなたが困っている問題にも、答えが見つかるかも。
Q. くいしばりや歯ぎしりにはマウスピースを入れたほうがいいと言われていますが、夜中に違和感があって外してしまいます…
A. 歯型に合わせたマウスピースは、ストレスになって嚙み合わせを悪化させることも
くいしばりや歯ぎしりは奥歯がすり減るなどの問題を発生させますが、あごの疲労や嚙み合わせの不都合、心理的ストレスなどを解消する役割もあります。マウスピースで封じるとそれらが解消できず、睡眠の質が低下し、逆に心理負担が大きくなることも。マウスピースを選ぶなら、ジャストフィットより簡易的で緩く歯を覆うものがいいでしょう。
Q. くいしばり、嚙み合わせを治そうと大人の矯正を数年前にしました。でも、再び元通りに。これはなぜ?
A. 歯だけで整えようとする矯正は、体の癖に反応し戻ろうとしてしまうから
人の頭蓋骨やあごの形もさまざまなのに、矯正では歯の見た目の美しさだけを重視して「理想のカタチ」にすることがまだまだ多いようです。その人の嚙み合わせの癖はもちろん、姿勢、体の重心バランス、あごの大きさ、また生活スタイルなども見ながら、総合的に調整していくのが理想です。そういった部分も丁寧に診てもらえるのか、矯正する前に歯科医と話し合ってみることが必要です。
【教えていただいた方】
東京・日本橋にある桜通り歯科クリニック院長。嚙み合わせを専門に、歯だけでなく頸椎(けいつい)や頭蓋骨、全身の骨格バランスなどを診てケア
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/伊藤まなび