隠してもバレてしまう⁉ お酒やタバコのにおい
疲労臭をはじめとした「血液由来」の皮膚ガスには「ダイエット臭」「お酒臭」「タバコ臭」などがあります。もちろんにんにくやカレーなどにおいが強いものを食べたあとにも、口臭とともに皮膚からにおいがしています。これらは血液中の成分が揮発して体臭となるため、いくら皮膚表面を洗っても口をすすいでもにおいは消えないのが当然です。
「お酒臭に関しても同様。飲んだ直後は口臭だけですが、二日酔いのときはもはや体から皮膚ガスが発生して、『お酒くさい人』になってしまいます。においの元は飲酒によって発生する有害物質『アセトアルデヒド』。飲酒で肝臓が弱っている人なら、輪をかけて疲労臭の原因にもなります。
気をつけたいのはタバコ臭。喫煙している人の髪の毛や服からはタバコのにおいがすることがあります。職場などで『これも受動喫煙かも』と嫌な気分になったことはありませんか? それは間違いではないのです。喫煙習慣のある人の皮膚からは『ニコチン』がれっきとした皮膚ガスとして放散されているからです」(関根嘉香先生)
またダイエット臭はそれほど嫌なにおいではないので「この人、甘酸っぱいにおいがする?」と思ったことがあるかもしれません。自分より先に人が気がつくにおいともいえます。
ダイエット臭
厳しい食事制限で出るにおい
ダイエット臭は、別名「ケトン臭」。カロリー制限や糖質制限により、肝臓で脂肪酸が分解されるときに出るケトン体の一部のにおい、甘酸っぱいような体臭のこと。除光液でおなじみの「アセトン」という皮膚ガスが主体です。食事制限をやめればにおいはなくなります。
お酒臭
「うこん」は確かに救世主
昔から、肝臓の働きをよくすることで知られるうこん。お酒の前後に飲むとよいとされます。関根嘉香先生によれば、うこんはお酒臭「アセトアルデヒド」を抑えるのにも効果があるとのこと。悪酔いと一緒に、嫌なにおいも撃退できれば一石二鳥です。
タバコ臭
ニコチンは皮膚からも出ている!
タバコのにおいが嫌いな人にとって、皮膚ガス「ニコチン」を含んだタバコ臭はとても強く感じられるものです。隠れてタバコを吸っている人は、たとえ口をすすいで髪や体を洗って服を洗濯しても…タバコを吸っていたことはすっかりバレていると思って!
教えていただいたのは
1966年生まれ。専門は環境化学、環境鑑識学。皮膚ガスと健康状態の関連を研究、体のにおいで健康診断するのが目標。においのエキスパートとして、TVに出演するなどメディアでも活躍
イラスト/カケハタリョウ 構成・原文/蓮見則子