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タンパク質不足、どう補う?牛乳で「ミル活」なら手軽&コスパ良く、美容やダイエットにも◎

毎日を明るく前向きに送るための、読んでトクする健康や美容情報をお届けする連載。今回は、日本人のタンパク質不足の対策として、手軽にできる牛乳活用方法についてです!

健康と美容のためにしっかりとりたいタンパク質。でも、意識しないと摂取量が減ったり、年齢を重ねるにつれ吸収率が悪くなったりして、タンパク質不足になりがちです。そんなとき、身近な食材の牛乳がタンパク質不足解消のカギになると聞き、ウェルネス総合研究所の「牛乳の栄養再発見」セミナーに参加してきました。

 

◆日本人のタンパク質摂取量は戦後並みに低下している!?

 

最初に登壇されたのは、東北大学名誉教授の齋藤忠夫先生。

 

齋藤忠夫先生

 

冒頭で「現代の日本人はタンパク質が不足しています」というお話がありました。なんと、戦後間もない1950年代並みに低下しているそう! 過剰なダイエットや食生活の変化が原因と考えられているそうです。

 

では、タンパク質が足りないとどんなことが起きてしまうのでしょうか? 代表的なのは、筋肉量の低下。人間の筋肉量は40代から徐々に減少し始めて、65歳を過ぎると減るスピードが加速し、80代にはピーク時の30~40%程度にまで落ちてしまうそう。筋肉量が低下するサルコペニアや将来のフレイルの心配にもつながってしまいます。

 

といっても、タンパク質の「質」を考えずに「量」だけたくさんとっても、筋肉を増やすことはできません。特に筋肉を増やすためには「バリン」「ロイシン」といった必須アミノ酸が不可欠。ビタミンDも大切ですね。その点、牛乳の乳タンパクには、ロイシンが多く含まれており、筋肉を増やすのにぴったりだそう。

 

「運動直後にロイシンが豊富で吸収速度の速い乳タンパク質をとることで、効率的な筋力量アップが期待できます」と齋藤先生。「筋肉は何歳からでも増やすことができます!」という頼もしい一言をいただいたので、コツコツ筋肉量を増やしていきたいところですね。

 

また、筋肉のみならず臓器や皮膚など体のあらゆるものを作っているのもタンパク質。免疫力向上やホルモンバランスを整えるのにもタンパク質が寄与しています。

 

たんぱく質の役割

実は、多くの人が夕食ではたっぷりタンパク質がとれている一方で、朝食と昼食では不足しがちな傾向が。確かに朝はパンだけ、といったメニューだとあまりタンパク質がとれないですよね。

 

タンパク質は体内に貯めておくことができない特徴があるので、毎食コンスタントにとらないといけません。夕食だけ多くとっているだけでは、結果としてタンパク質不足になってしまいます」(齋藤先生)。朝忙しい人は、朝食に牛乳1杯をプラスするだけでも、タンパク質の摂取量を上げられそうです。

 

ちなみにみなさんは、どんな牛乳を飲んでいますか? 齋藤先生によると、アメリカでは栄養を強化した牛乳など、選ぶのが大変なほど種類があるそう。日本はそこまでではないものの、栄養付加タイプも増えているので、補いたい栄養がある人は試してみてもいいかもしれませんね。

 

牛乳の種類

 

◆コスパもタイパもいい「ミル活」がおすすめ

 

次の登壇されたのは、料理家・管理栄養士でフードビジネスコーディネーターの小山浩子先生。

 

小山浩子先生

 

「牛乳は、栄養の総合デパートと言えるほど栄養豊富です」と小山先生。牛乳には、カルシウムや、活動のエネルギー源となるタンパク質・脂質・炭水化物のほか、体の調子を整えるビタミンやミネラルなどの5大栄養素が豊富。調理しなくてもすぐに飲めて、不足しがちな栄養を補える牛乳は、忙しい人にぴったりの食材です。

 

また、近頃は物価高が続いていますよね。こんな時に役立つのが、家計に優しく栄養リッチな牛乳なのだそう。「物価が上がっている今、牛乳を上手に活用して手軽に美味しく栄養補給をする『ミル活』がおすすめ。値上げラッシュの昨今でも、牛乳はコップ2杯で約100円とコスパがいいのが魅力です」(小山先生)

 

下記は100円でとれるタンパク質とカルシウムですが、圧倒的に牛乳のコスパがいいのがわかります。

100円のたんぱく質

※1L=257円 総務省統計局小売物価統計調査・東京都区部小売価格(2023年9月)

 

そんなコスパもタイパもよく、そのまま飲んでも料理に使ってもいい牛乳。小山先生は牛乳を使ったミル活レシピを考案されていますが、なかでも超簡単で栄養豊富なレシピを紹介してくださいました。

 

●牛乳×大福でつくる「牛乳おしるこ」

材料は、大福と牛乳。どんぶりに大福1個を入れ、牛乳100mlを加えてふんわりラップをし、電子レンジ(600W)で2分加熱するだけ。加熱後にしっかり混ぜれば出来上がりです。

 

会場ではレシピ通りどんぶりで作ったおしるこが展示されていましたが、会場のデモンストレーションで実際に調理したときには、マグカップを使ってさらに手軽に作っていました。みんなが見守るなかですぐ完成していたので、すぐにまねできそうです。

 

大福と牛乳でつくったお汁粉

 

実際に試食をしてみると、本当におしるこの味がしてびっくり! 2つの食材を合わせることで、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスが良くなるし、高GI値:グリセミック・インデックス値の糖質(大福)と低GI値の乳糖(牛乳)を含む食品を合わせることで急激な血糖値の上昇を抑える効果もあるそう。何よりコンビニ食材ですぐ作れるところがいいですね。

GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇度を示す指数のことです。GI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇し、GI値が低い食材を食べると血糖値は緩やかに上昇します。

 

◆牛乳は健康はもちろん、美容にもダイエットにも効果的!?

 

そして最後に、運動しないプロテイン愛好家のプロテインひろこさんが登壇し、齋藤先生、小山先生、プロテインひろこさんの3人によるパネルディスカッションがスタート。

 

プロテインひろこさん

 

プロテインひろこさんは、「疲れ対策や美容のためにプロテインを飲み始めたところ、1~2カ月で肌荒れや髪のボリュームに変化を感じ、3~4カ月で体重が落ちました」と、タンパク質の大切さを実感したそう。

 

すると小山先生も、「自分の体で実感すると続けられますよね。私は会社勤めの時、検診でメタボと言われた上司が、今まで朝ごはんヌキだったのを毎朝牛乳500mlを飲むようにしたら、半年で明らかに体重が落ちていたのを見てびっくり。さらに、頭頂部の髪も増えていて、”かっこ良くなりたいなら牛乳を飲もう”だね、と話していました」という体験を語ってくれました。

 

さらに齋藤先生も、「私は体重が80㎏になったことがありますが、”牛乳カルシウムをとると脂肪燃焼を活発にする”という論文を読んで飲むようにしたら、トータルで10㎏の減量に成功したことがあります」と話してくださいました。

 

齋藤忠夫先生、小山浩子先生

 

健康な体作りに欠かせないタンパク質。コスパの面でも、「プロテインは1杯100~200円くらいなのが、牛乳だと40~50円なのでコスパの良さがわかります」とプロテインひろこさん。プロテインひろこさんは今、牛乳+プロテインをとっていて、「牛乳を飲むことを毎日続けるなら夏はスムージー、冬はスープに混ぜるなど変化をつけるといいですよね」と話すと、小山先生も「寒い時期には、甘酒+牛乳+しょうがもいいですよね」とおいしく飲むアイデアを教えてくれました。

 

健康な体作りのためにはコスパが良く栄養豊富な牛乳がぴったり、という話で盛り上がったお三方。身近すぎてあまり意識していなかった牛乳ですが、毎朝1杯飲むだけでも体の変化を感じられそうなので、まずはそこから始めてみてもいいかもしれませんね!

 

齋藤忠夫先生、小山浩子先生、プロテインひろこさん

 

お話をうかがったのは

齋藤忠夫
齋藤忠夫さん
東北大学名誉教授・農学博士

アジア乳酸菌学会連合(AFSLAB)フェロー、日本農芸化学会フェロー、日本酪農科学会顧問、日本乳酸菌学会名誉会員、オエノンホールディングス株式会社・外部取締役、Jミルク国際委員会委員長、国際酪農連盟日本委員会(JIDF)会長。牛乳・乳製品に置ける機能性成分に関する研究、乳酸菌やビフィズス菌に置ける腸内細菌に関する研究、機能性要―グルトの開発に関する研究が専門分野。

小山浩子
小山浩子さん
料理家・管理栄養士・フードビジネスコーディネーター
公式サイトを見る

大手食品メーカー勤務を経て2003年フリーに。全国での講演活動、メニュー開発、栄養コラム執筆、NHKをはじめ健康番組出演など幅広く活動。料理家としてのキャリアは30 年以上。これまで指導した生徒は7万人以上に及ぶ。『目からウロコのおいしい減塩 乳和食』(主婦の友社)、『はじめよう乳和食』(日本実業出版社)ほか著書多数。栄養と作りやすさに配慮したオリジナルミルクレシピにファンも多く、メディアで話題の乳和食の開発者でもある。

プロテインひろこ
プロテインひろこさん
運動しないプロテイン愛好家
Twitter Instagram

これまで500種類以上ものプロテインを試してきた“運動しないプロテイン愛好家”。筋肉をつけるために飲むイメージの強かったプロテインをきれいになる方法の一つとして提案し、Instagramでは多くの女性の支持を集めている。 「マツコの知らない世界」など各種メディアで注目を浴び、女性向け美容プロテイン「タンパクオトメ」をはじめとした商品プロデュースにも多数携わる。

 

◆資料提供/ウェルネス総合研究所

 

取材・文/倉澤真由美

 

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