温めにはしょうが、リラックスにはシナモン、疲労回復にはレモン
手軽に作れて誰でも飲めるのが白湯のいいところですが、「白湯活」に慣れてきたら、より高い健康効果を求めてスパイスやフレーバーでアレンジしてみても。
「体を中から温めるというのに加え、プラスαの効果が望めるのがスパイス白湯やフレーバー白湯。
例えば体を温める食材としておなじみのしょうが、香りがよくてリラックスできるシナモン、疲労回復にはレモンも効果的。
味のないのが白湯のいい点ですが、毎日だと飽きてしまうこともあるし、1杯で複数の効果がある“お得な”白湯といえます」(石原新菜先生)
温め効果の高い粉末しょうがで「ジンジャー白湯」
「しょうがには生、チューブ、粉末などがあります。生を使うのがいちばんよさそうなイメージがありますが、実は最も体を温める効果が高いのは粉末。しかも『蒸ししょうが』の粉末がベストです。
生のしょうがにもジンゲロールという血流をよくする成分が含まれていますが、蒸ししょうがにするとジンゲロールがショウガオールに変化。ショウガオールは脂肪を燃焼させて内側から熱を作るので、より温め効果が高くなるのです。
スパイス白湯もフレーバー白湯も、きっちりとした分量を意識しなくてもOK。ご自身で好きな味や香りの具合を見つけてください。
いきなりが不安な人は、150~200㎖の白湯に粉末しょうがを小さじ半分程度(はちみつはお好みで)から始めてみてはいかがでしょうか?」
血行促進&リラックスには粉末シナモンの「シナモン白湯」
「シナモンの主成分であるシンナムアルデヒドには毛細血管を修復して血行をよくする働きがあり、あの独特の香りには心を落ち着かせ、リラックスさせる作用があります。
スティック状のものと粉末タイプがありますが、粉末のほうが摂取できる量が多く、スパイス効果も高いといえます。香りを楽しみたいときには、スティックでかき混ぜながら飲むのもおすすめ。
ほっとしたいときや甘味が欲しいときなどは、砂糖入りのシナモンシュガーもいいですね」
疲労回復に!「レモン白湯」
「疲れやすい人や、寝ても疲れが残るような感じがある人は、レモン白湯を試してみましょう。
レモンに含まれるクエン酸には疲労回復の効果が高く、柑橘系の香りはリラックス効果が高いといわれます。生のレモンはもちろん、瓶に入ったレモン汁でも効果は同じです」
甘味が欲しいときは黒糖やはちみつをプラス
「独特の風味や酸味をやわらげたいときなどには、甘味をプラスするとグッと飲みやすくなります。
白砂糖でもだめではありませんが、ビタミンやミネラルが豊富で健康効果の高い黒糖やはちみつがベスト。メープルシロップも香りが楽しめますし、腸の調子を整えるオリゴ糖もいいですね」
【白湯の正しい作り方&基本の飲み方のおさらい】
水道水の場合はやかんのふたを開けて10~15分ほど煮沸させたお湯を、少し熱いと感じるぐらいの50~60℃に冷ましてからゆっくり飲む。ミネラルウォーターや浄水器の水は煮沸させず、電気ケトルや電子レンジで温めてもOK。50~60℃まで温めたら少しずつ飲む。
「温かさ」が大事なので、冷めきらないうちに飲みきること。「ごくごく飲める温度」ではぬるすぎ。
【教えていただいた方】
「イシハラクリニック」副院長。西洋医学、漢方を含む東洋医学、自然医療にも詳しい。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、クリニックでの治療のほか、メディア出演や講演も多数。『眠れなくなるほど面白い 図解 免疫力の話』(日本文芸社)など著書多数。
取材・文/遊佐信子 イラスト/きくちりえ(Softdesign)