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脳の老化を防ぎ認知症予防に役立つ「コーディネーション運動」とは?

脳の老化は40歳を過ぎたころからはじまっています。脳を活性化して老化を防ぐためには、ウォーキングや筋トレより、コーディネーション運動(コーディネーショントレーニング)が効果的と西剛志さん(脳科学者)。実際にどんなことをするのか、西さんに教えてもらいました。

脳を活性化するためには適度な運動が不可欠! では、効率のいい運動とはどんなものなのでしょうか?

 

コーディネーション運動は有酸素運動の約2倍の効果

「私が過去30年にわたって、脳と運動との関係を調査&分析したところ、最も効果の高かったのが『コーディネーション運動』です。ウォーキングや筋トレの約2倍の効果があります。

 

コーディネーション運動とは、脳の複数の分野を同時に働かせる運動のこと。状況を脳で瞬時に察知して、その情報を体へスピーディに正確に送る訓練になります。おもに7つの能力を同時に使うことで、認知機能を効率よく高めることができるのです」。特におすすめなのが次に紹介する「片足立ち」「ダンス」「ボールキャッチ」です。

 

7つの能力

◆リズム能力

目や耳からの情報を得て、タイミングを上手にとる能力。音楽を聴いたり、楽器演奏も〇

◆バランス能力

くずれたバランスを体が素早く察知して、立て直す能力。片足立ちもこの能力に当たります

◆変換能力

状況や人の動きの変化に合わせて、素早く動作を切り替える力。これはかなり脳を使います

◆反応能力

合図などに素早く反応して、適切に対応する能力。老化脳になると苦手になります

◆連結能力

動こうとする気持ちや状況の流れに、体をスムーズに動かせるか? という能力

◆定位能力

自分と動いているものとの位置関係、例えば、投げたボールがどこに落ちるかを予測する力

◆識別の能力

道具やボールなどを精密に、上手に操作する能力。手先の繊細な動きが求められます

 

運動で脳細胞の効率アップ
片足立ちは脳の老化のバロメーター

「目を閉じて片足で何秒立っていられますか? たったこれだけで脳の老化度がわかります。視覚を遮断してバランスをとり続けるには、体の傾きを瞬時に察知して修正する力が必要で、脳が若いとより素早く行えるためぐらつきません」。

 

年代別の平均を見ると、58.8秒→脳年齢30代、32.9秒→40代、23.7秒→50代、9.4秒→60代、4.5秒→70代(国立長寿医療研究センターより)。あなたの脳年齢は何歳?

 

脳の活性化にはダンスが最強

「脳活に最も効果があるのはダンスです。多くのダンスは音楽に合わせて体を動かします。さらに、複数の人と振りを合わせるものであればさらに効果アップ。

 

振りを覚える→音楽に合わせる→みんなと動きを合わせる…これはまさにコーディネーション運動の極みといえます。一人でも、YouTubeなどの動画の先生に合わせて行うのでもOK! ダンスは脳のさまざまな部位を活性化します」

イラスト/コーディネーション運動の極みはダンス

 

ボールキャッチは思いのほか脳を使う

もうひとつ効果的なコーディネーション運動に、ボールキャッチがあります。これはボールを空中に投げてキャッチするだけのエクササイズ。

 

「ボールを放って、落ちてくるタイミングを見計らって手を動かすことは、いろいろな脳を刺激します」。OurAge世代では簡単かもしれませんが、今から続けると脳の老化予防に大きな効果が! 小さいボールほど難易度が高まりますが、百均などで売っているようなボールでもOKです。

 

ボールキャッチ

<1>

ボールを空中に放る

椅子に座って、もしくは立って、ボールを空中に放ります

 

<2>

落ちてくるまでの間に1回、両手でパンと拍手

落ちてくるまでの間に1回、両手でパンと拍手をします

 

<3>

ボールをキャッチ

落ちてくるタイミングを見計らって、ボールをキャッチ

 

 

西剛志
西剛志さん
脳科学者
公式サイトを見る
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2008年に企業や個人のパフォーマンスを上げる会社を設立。著書は『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)など、海外も含めシリーズ32万部突破

 

 

イラスト/midorichan 構成・原文/山村浩子

 

 

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