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ビタミンDサプリメント、とり方にはルールがある!【選び方・飲み方・注意点】

ビタミンDの重要性がじわじわと認識され、最近、急に増えてきたビタミンDサプリメント。選び方や飲み方、注意点を知らないと、効果が感じられないどころか逆にデメリットも! まだビタミンDがあまり注目されていなかった2008年に高濃度のサプリメントを開発し、臨床で利用していた斎藤糧三先生が解説してくれます。

ビタミンDサプリは、目的に合わせて1日の摂取量を決めて

まず、肝心のビタミンDの摂取量について見ていきましょう。

 

■骨粗しょう症や骨軟化症にならないための最低限の量

成人(18歳以上)1日当たり
37.5µg〜50µg(1500IU〜2000IU)

■病気予防・花粉症などアレルギー症状を軽減したい場合の量

成人(18歳以上)1日当たり
100µg (4000IU)
(『日本人の食事摂取基準』のちょうど耐容上限量に当たる量)

*ビタミンDの単位:IU(アイユー)とµg(マイクログラム)というふたつの単位があります。 IUは国際単位(International Unit)の略で、効力を示す単位としてWHO(世界保健機関)が制定しているもの。 日本では食品表示法で重量単位で示すことが求められ、µgを使うのが主流です。
µg → IUへ換算 µg×40
IU → µgへ換算 IU×0.025

 

厚生労働省が実施している国民健康・栄養調査(2019年)によると、日本人のビタミンDの平均摂取量はわずか6.9µg(276IU)でした。

 

「食事以外でも、日常的に紫外線を浴びている人は皮膚でビタミンDが合成されますが、紫外線をガードしている日本人女性には、これはまったく期待できません。
つまり、1日の摂取量はほぼサプリメント頼みということになります。

サプリメントで摂取するときは、まず摂取量をきちんとチェックしましょう。 ビタミンDサプリは商品によって配合量に差があるので、1日量をとるのに何錠、何カプセル必要なのかを考慮して。

1日100µg (4000IU) を推奨しますが、1粒または1カプセルで50µg(2000IU)といった高配合タイプなら、飲む数が少ないので楽だと思います。
逆にお子さんなど、家族で一緒に飲みたい場合は、1粒または1カプセルが25µg(1000IU)くらいだと量の調節がしやすくていいですね」(斎藤糧三先生)

 

必要量については、第3回でも説明しているので、ご参考に。

 

できれば国内製造で、配合量がきちんと保証されているものを

斎藤先生のクリニックでは血液検査による栄養解析を行っています。 女性患者は、ほぼ全員がビタミンD不足のため、サプリは必須だとのこと。

 

「ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、充足して血中濃度が安定するまで数カ月を要することがあります。 最低でも3カ月はみたほうがいいでしょう。

中には、いくら飲み続けても血中濃度がなかなか上がらない方々がいました。飲んでいたのはご自分で購入した輸入品のサプリメント。表示量のビタミンDがきちんと入っていないためではないかと疑いました。

 

海外製品の個人輸入などで、表示通りの量が含まれていないケースが多いことは、容易に想像がつきます。

 

その後、日本国内のGMP認定(適正製造規範)工場で製造している弊社のサプリメントに変更して無事にビタミンD不足は解消されたんです。

厚生労働省のGMP認定は、成分が表示量通りに配合されているかの指標になるもので、製品のホームページなど商品紹介に書いてあります。市販のサプリを購入する際は、気をつけて見てみてください」

 

原材料は「ビタミンD3」、余計な添加物が入っていないこと

体内で活用できるビタミンDには、植物性のビタミンD2と、動物性のビタミンD3があります。

ヒトなど動物の体内ではD3が使われているのと、D2のほうが優れているという説はほとんどないため、できれば原材料はビタミンD3を選びましょう。
D3の多くは「羊毛由来」。羊毛に含まれるラノリンという脂質から抽出したものです。

「毎日飲むものなので、添加物など余計な成分が極力少ないものを選ぶことをおすすめします。

 

食品パッケージの表示では『原材料は多いものから順番に書く』というルールがあります。ただ、栄養素自体が食品添加物に指定されているため、添加物は「/」で区切るなどして後半に記載するという決まりもあります。

原材料表示を見ると、いちばん先に栄養素とは関係ない成分や糖類が並んでいることもあるのはそのためです。

 

ただし、サプリメントをつくるうえで最低限必要な添加物は、カプセルの場合はカプセルの材料(HPMCなど)と粉の流動性を向上させるもの(澱粉など)、タブレットであれば粉を固めるもの(糖類など)、これだけです。

 

それ以外の添加物(着色料、甘味料、香料、保存料)は、使用しなくてもサプリメントはつくれるはず。中には、栄養素以外の添加物で7割以上を占めるような商品もあるようなので、表示の見極めが重要ですね」

 

ビタミンDをとるときは、同時にビタミンAも摂取するのが基本

「自分自身がビタミンDを1日100μg(4000IU)摂取するようになったのは、15年ほど前。最初の頃、夕方に車を運転していると、道がよく見えないという初めての体験をしました。

『これは夜盲症? そういえば最近目が乾くし、もしかするとビタミンA欠乏症状かもしれない』と思いました。それがビタミンDが原因だと気づくのに時間はかかりませんでした。

 

脂溶性ビタミンであるビタミンAとDは、受容体を共有しています。まとまった量のDを摂取したためにAのシグナル伝達のじゃまをし、あたかもビタミンAが欠乏したかのような状態が起こったに違いないと推測したのです。

その仮説は正しかったようで、ビタミンAを一緒に摂取すると、症状は消えていきました。

 

最近は高濃度のビタミンDサプリも出回っているので、それを摂取している一般の方の中で『ビタミンDサプリを飲んだら目が見えにくくなった』などと訴える人が増えています。

 

『ビタミンDをとるときは、ビタミンAを一緒に摂取すること』。

これは私の大発見だったと思います。

それ以来、高配合のビタミンDサプリをとる場合はAが入っているものをおすすめしています」

 

花粉症の症状をやわらげたいときのビタミンDの飲み方

花粉症の症状を軽減するのに有効なビタミンD。

斎藤先生は、ビタミンDと花粉症の関係を知る人などほとんどいなかった2012年に『サーファーに花粉症はいない』という本を出していました。

そして、花粉症の人にビタミンDサプリを処方し、常に臨床で最適なビタミンD摂取環境を模索してきたのです。

その中で見つけた摂取の仕方を紹介していただきました。

 

「人がウイルスや花粉にさらされるのは日中なので、ビタミンDの摂取は朝が望ましいといえます。夜に飲んでいた人は、朝に変えてみてください。

花粉症の症状がひどい方は、薬を飲んでいることが多いので、にわかにビタミンDの効果は信じられないかもしれません。

だまされたと思って、1週間だけでも薬を止め、次の方法でトライしましょう。

 

最初の1週間、朝と夕方の2回100μg(4000IU)ずつ摂取します。1日に200μg(8000IU)です。

2週目からは、朝だけ100μg(4000IU)摂取しましょう。それでも午後にまた症状が出てくる日だけ、もう一度100μg(4000IU)を摂取してみてください。

毎日摂取していると体にビタミンDが蓄積され、午後になっても症状が出なくなることが期待できます。

ビタミンD摂取による花粉症改善の体験談なども前回ご紹介しています。

 

ただし、前述のように日本では厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」における、耐容上限量は1日当たり100μg(4000IU)です。最初はそれよりも多く摂取することになるので、期間を決めて摂取すること。

できれば、サプリメントに理解のある医師に相談することをおすすめします」

 

 

【教えていただいた方】

斎藤糧三
斎藤糧三さん
医師/日本機能性医学研究所所長
公式サイトを見る
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1973年生まれ。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年「日本機能性医学研究所」を設立(2009年に法人化)。2017年、スーパーフードとしての牧草牛(グラスフェッドビーフ)の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。2022年、機能性医学と再生医療を融合させた治療拠点として「斎藤クリニック」を開設。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学館)、『病気を遠ざける! 1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』(講談社+α新書)ほか多数。斎藤クリニックSaito Farm

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イラスト/内藤しなこ  サプリイメージ写真/Shutterstock    取材・文・画像制作/蓮見則子

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