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更年期の関節の痛み・こわばりは慢性関節リウマチかも!?

朝起きると指の関節がこわばる、痛む…そんな関節の違和感は更年期症状としてよく起こります。しかしその症状がなかなか治らないのなら、関節リウマチの可能性があります。その見極めの注意点について、女性医学の専門医である小川真里子先生に伺いました。

更年期の関節症と慢性関節リウマチは原因が違います

朝起きたときに指の関節がこわばってスムーズに動かない、手が握りにくくなって物がきちんと持てない、慢性的な関節痛が起こることも。そんな症状も5~30分もすると元に戻る…そんな経験はありませんか?

 

「更年期になると女性ホルモンの分泌が低下して、さまざまな症状が現れますが、その中にこうした関節の違和感を訴えるケースは少なくありません。しかし、女性ホルモンがそうした症状にどのように関係しているのか、実は詳しいことはわかっていません。

更年期と間違いやすい病気 第9回 関節の痛み 関節リウマチ

こうした症状は慢性関節リウマチの初期症状ととても似ています。慢性関節リウマチは免疫の異常により関節に炎症が起こる病気です。最初は手足の指、手首に起こることが多いのですが、ひじ、肩、膝、足首に見られることも。

 

これらの関節の痛みや腫れがあり、進行すると関節が変形したり、破壊されて機能障害を起こすこともあり、QOL(生活の質)の低下につながる病気です。原因は遺伝的要因、ウイルスや細菌の影響、喫煙、歯周病の関与が指摘されているものの、いまだ不明です。

 

好発年齢は40代~50代で女性に多く、ちょうど更年期と重なり、更年期症状と似ているので、診断には専門家による検査が必要になります」(小川真里子先生)

 

ほかの更年期症状がなかったらリウマチ科へ!

「更年期世代でほかの更年期症状、例えば、ホットフラッシュ、動悸、発汗、めまい、イライラ、不安感、疲労感、気力の低下などが、ひとつでもあるのであれば、まずは更年期を疑い、婦人科でHRT(ホルモン補充療法)などの薬物療法を試みるといいでしょう。

 

一方、こうしたほかの更年期症状がなく、関節の違和感だけで、症状が30分以上続く場合などは、リウマチ科や膠原病(こうげんびょう)科、リウマチ外来のある整形外科を受診することをおすすめします」

 

では、慢性関節リウマチはどのように診断するのでしょうか?

 

「血液検査でリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陽性か陰性か? 炎症反応の有無に加えて、症状のある関節の数、症状の持続期間などをスコア化して総合的に判断します。画像検査としては、レントゲン、超音波(エコー)、MRIが用いられます。

 

治療の基本は投薬療法で、病気の進行をくい止める生物学的製剤(点滴か皮下注射)や免疫異常を改善する抗リウマチ薬、炎症や痛みを軽減するステロイドや非ステロイド系抗炎症薬などが使われます。これらを組み合わせて寛解を目指します。

 

生活上の注意点は、症状が強いときは関節の保護などをして安静にし、症状が落ち着いたら、適度な運動やリハビリテーションで関節や筋肉を動かすことが大切です。喫煙習慣や歯周病がある場合は、禁煙と歯科治療を行うことも重要です。

 

最近は治療薬の進歩で病状の進行を抑えることが可能となっているので、早期診断、早期治療が重要です」

 

関節の痛みを伴う病気には、ほかにも膠原病、ウイルス感染、変形性関節症などがあるそう。気になる関節の症状がある場合には、一度検査をすることをおすすめします。

 

 

【教えていただいた方】

小川真里子
小川真里子さん
産婦人科医、医学博士
公式サイトを見る

福島県立医科大学  ふくしま子ども・女性医療支援センター 特任教授。日本産科婦人科学会・日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医・指導医。専門は更年期医療学、女性心身医学、女性ヘルスケア。相談やカウンセリングを中心としたケアサポートとともに、最新のテクノロジーや視点を取り入れて、更年期を取り巻く環境や文化を積極的にアップデート。

 

イラスト/内藤しなこ 取材・文/山村浩子

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