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脳を味方につければ簡単に疲れは軽減する! (疲れない脳の使い方)

疲れを感じるのも、楽しい気分になるのも、それらの情報が脳に伝わって疲労感や幸福感を生むという説があります。上手に脳をだましてあげると、不思議と疲れも軽減するのだといいます。そこで簡単にできて効果抜群の「脳を味方につける」方法を、内科医で疲労に詳しい工藤孝文先生に伺いました。

仕事で疲れ切っていても、「推しのアーティストの音楽が流れてきたとたんに元気になった」「ふっと漂ってきたコーヒーやパンの香りに癒された」といったことはありませんか?

 

「実は体や心が感知した情報が『脳』に伝わり、それが生体アラームとして疲労感となるという説があります。それを上手に利用すれば、疲れの軽減に役立ちます」(工藤孝文先生)

 

そのとっておきの7つの方法を紹介します。

 

1 疲れたときの速効ワザが「口角を上げる」!

「疲れたときこそ実践してほしいのは笑顔です。

実際に楽しいと思っていなくてもOK。口角を上げて笑顔をつくるだけで、脳が『楽しい』と勘違いして、癒し&幸せホルモンであるセロトニンや、多幸感やリラックス効果をもたらすエンドルフィンが分泌されることがわかっています。

 

また、笑うことで免疫システムがある間脳が興奮して、アミノ酸の一種であるペプチドが分泌されます。ペプチドはナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きを活性化するので、免疫力を高める効果があります。笑うことはがん予防や改善に役立つという研究結果があるほどです」

 

「笑う門には福来る」とはよく言ったものです。朝の身支度の仕上げに笑顔、疲れたときやムッとしたときこそ笑顔を! 実践してみると、本当に疲れや怒りが軽減します。

 

2 「~べき」を手放すと心が軽くなる               

疲労 脳の味方に ~べきにバイバイ イラスト

「約束の時間の10分前には着いているべき」「毎日、野菜をしっかり食べるべき」「毎日運動をするべき」など、自分に課題をかけすぎていませんか?

 

「もちろん課題を設けることで、やる気になり、それをこなすことで自分磨きや人からの評価も上がることは確かです。しかしながら、それがいきすぎると、だんだん追い詰められ、達成できなかったときには大きく落ち込んでストレスになってしまいます。

 

さらに、他人にも自分の『~べき』を求めると、それが裏切られたときに怒りや反発が生まれてしまいます。自分にも他人に対しても、『~べき』という思考を持たないこと。それが、心を必要以上に疲れさせないポイントです」

 

3 言葉選びひとつで心がすーっと軽くなる!

人から何かをしてもらったときなどに、「あ、すみません」と言っていませんか?

 

「『すみません』という言葉はとても便利で、謝罪だけでなく感謝の気持ちを伝えるときにも使えます。その裏には『お手をわずらわせてしまい、すみません』のニュアンスを含みます。しかし、感謝を伝えるときには、『ありがとう』に変えたほうが、その気持ちがストレートに伝わり、相手はうれしい気持ちになるはずです。

 

また、何かに失敗したときは、『しまった!』と思うのではなく、『やっちゃった!』と、少し開き直ったほうが心への負担が減ります。

 

失敗したときに大事なのは、自分を責めることではなく、同じ過ちを繰り返さないことです。あまりに落ち込むと、次に失敗したらどうしようという気持ちに押しつぶされてしまうことも。これが逆効果になりストレスや疲労が増えるだけなので、いったん笑い飛ばすくらいのほうがうまくいきます」

 

4 好きなことリストで脳をリセット  

「なんとなく元気が出ない」「毎日やることに飽きてきた」なんていうとき、どうやって気持ちをアゲていますか?

 

「おすすめは『好きなことリスト』を作って実践することです。好きなことに没頭すると、脳内でやる気ホルモンであるドーパミンが分泌され、高揚感や活力が湧いてきます。

 

例えば、お菓子作りをする、好きな歌を歌う、ネイルの手入れをする、編み物をする、好きな動画を見るなど。やっていると夢中になれて、無理なく気軽に実践できるものがベスト。

 

この『好きなことリスト』は心身症の患者さんにも有効な治療法として、医療現場でも使われています。

 

また、不規則な生活習慣は、自律神経が乱れてドーパミンの分泌を低下させます。元気が出ないときこそ、規則正しい生活を心がけることも大切です」

 

5 ため息で逃げるのは幸せではなくストレス!  

疲労 脳を味方に ため息イメージイラストよく「ため息をつくと幸せが逃げる」と言われていますが、実は心や体にはとてもよいことなのだとか。

 

「人はストレスを感じると、心身が緊張して呼吸が浅くなります。すると血液中の酸素が不足します。ため息は、深い呼吸により酸素不足を解消して、全身に血液を行き渡らせようとする生体反応なのです。

 

深い呼吸は副交感神経を優位にします。ため息をつくことで、ストレスで交感神経が優位になった状態をリセットしてくれるのです」

 

無意識にため息が出た場合は、知らないうちにストレスを感じているのかもしれません。

 

6 ひらめきが欲しいときは左手で歯を磨く 

仕事の企画出しなどで、アイデアが出なくて行き詰まったときなどは、左手で歯磨きをするのがおすすめです。

 

「脳は左右で異なる機能を持っていて、左脳は主に言語や計算、理論、分析といったことを、右脳は音楽や芸術的な分野、直感やひらめきなどを司っています。そして、左脳は右半身、右脳は左半身を支配しています。

 

これを利用して、ひらめきが欲しいときには、右利きの人はあえて左手を使ってみるといいのです。とはいえ、利き手ではない側でペンや箸を持つのは困難。そこで手軽に行えるのが歯磨きです。しかも気持ちをリフレッシュさせるのにも効果的です」

 

こっそりと洗面所へ行って「左手で歯磨き」、思わぬよいアイデアが浮かぶかも!

 

7 モヤモヤすることは紙に書いて破り捨てる           

モヤモヤすることに遭遇したら、どうしていますか?

 

「私のおすすめは、紙とペンを用意して、それの何が嫌なのか、不安なのかなど、気持ちをストレートに箇条書きで書き出します。書き終えたら、それをクシャクシャにしてビリビリに破り捨ててください。

 

ポイントはパソコンやスマホではなく、紙に書くことです。これは心療内科の治療でも使われている方法で、不思議なことに気分がすっきりしますよ」

 

 

【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

 

イラスト/midorichan 取材・文/山村浩子

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