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いつも元気な人はこんな運動をしている!(疲れないための運動習慣)

「運動なんかしたら余計に疲れてしまう」と思っていませんか? もちろん運動のやりすぎは体を疲れさせます。しかし、適度な運動はかえって疲労を軽減することがわかっています。そこで、これだけは実践する価値がある運動について、内科医で疲労に詳しい工藤孝文先生に伺いました。

「運動しなければと思ってはいても続かない」「そもそも運動が嫌いで習慣がない」「この年齢からやる気が起きない」そんな人も少なくないのでは? しかし、まったく体を動かさないでいると疲労は蓄積されていきます。運動が苦手、時間がないという人も実践できそうな、とっておきの5つの方法を紹介します。

 

1.運動よりも家事トレで消費エネルギーアップ!

疲労 家事トレ イラスト

わざわざジムに行かなくてもOK。運動効率が上がり、心も体も生活も整ってしまう、とっておきの方法があります。

 

「それは家事トレです!

運動以外の生活活動で消費されるエネルギーのことをNEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis:ニート)といいます。日本語では非運動性活動熱産生。

 

一日の総エネルギー消費量の内訳をみてみると、50~60%を基礎代謝、約10%は食事誘発性熱産生、それ以外の30~40%がこのNEATと運動です。

 

NEATは日常生活でやらなければならないこと、例えば洗濯や掃除、料理、買い物、仕事、通勤、犬の散歩、ガーデニングなどです。運動が苦手な人は、一生懸命に掃除をしたり、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を上る、パソコン仕事を立って行うなど、日頃からこまめに体を動かすことで、消費エネルギーを増やすことができるのです」(工藤孝文先生)

 

厚生労働省でもNEATを増やすことを、生活習慣病の改善に役立てようと推奨しています。運動するのが面倒、時間ない人ほど、家事で体を動かす家事トレを!

 

2.朝の散歩で脳が目覚めてパフォーマンスアップ!

朝が苦手で「外出のギリギリまで寝ている」「いつも寝起きは不機嫌」「午前中はさえない頭と疲れが取れない体を引きずっている」、そんな状態で仕事や家事を行っていませんか?

 

「これを解消するには、朝の過ごし方を改革することから始めてください。ポイントは目覚めて30分以内に朝日を浴びながらウォーキング(散歩)をすることです。

 

これにより体内時計がリセットされ、就寝中のリラックスモードから活動モードへと切り替わります。歩いているときは安静時よりも血流がよくなるので、脳に届く酸素が30~50%増えることがわかっています。

 

さらに20分以上歩いていると、快楽ホルモンであるβ-エンドルフィンやドーパミンが、30分以上で快楽&幸せホルモンであるセロトニンが分泌されます。

 

こうして朝にセロトニンをしっかり分泌しておくと、夜に睡眠ホルモンであるメラトニンに変換されるので、質のいい睡眠が得られるようになります。そうすれば、朝が快適になり、よい循環が生まれます」

 

翌日に疲れを残さない良質な睡眠を得るには、朝の時間にかかっているのです。

 

3.肩甲骨ストレッチでエネルギー工場を活性化 

「疲れた~」と思ったときにまず行いたいのが、肩甲骨のストレッチです! キーワードはミトコンドリア!

 

「ミトコンドリアは体のすべての細胞にある細胞内小器官で、体のエネルギー工場ともいわれています。脂肪や糖を使って、体を動かすためのエネルギー『ATP(アデノシン三リン酸)』を合成します。このためミトコンドリアが減ると、エネルギーが作られずに疲れやすくなってしまいます。

 

このミトコンドリアは特に肩甲骨まわりの褐色脂肪細胞に多いので、ここを刺激すると増えることがわかっています。

 

刺激するのに効率のよい方法が、肩甲骨のストレッチです。両手を腰に当てて、ゆっくりと左右のひじを背中の後ろで近づけます。これを5回ほど繰り返すことで、肩こりが解消するとともに、エネルギーが生成され疲労が回復します」

 

4.20秒の「その場スキップ」でリフレッシュ!       

疲労 運動編 その場スキップ イラスト

オフィスワークでは長時間椅子に座りっぱなしという人は多いのではないでしょうか? なかなか運動もできないでいると、疲労はどんどんたまっていきます。

 

「長時間座り続けると、死亡リスクが高まることがわかっています。人は体を動かすことで、全身の筋肉が動き、血流が促されます。これにより細胞の代謝が活発になるのです。

 

なかなか運動ができない環境のときは、せめて時々席を立って、20秒間のその場スキップをするのがおすすめです。腕も大きく振ることで、全身の血流がよくなります」

 

周囲に人がいない廊下や階段の踊り場などで行うといいでしょう。

 

5.脳が疲れ切ったら少しきつめの運動30分!            

現代は一日中、パソコンの前に張りついて仕事をしている人、または人間関係でモヤモヤしてしまう人も多いことでしょう。そんな脳が疲れたときにこそ運動が大切です。

 

「運動をすると、脳内の精神の安定に深くかかわる神経伝達物質セロトニンが分泌されます。少しきつめの運動を30分行うと、抗うつ剤1錠に匹敵する効果があるといわれているほどです。

 

現代の生活では、脳だけが疲れていることが多いと思いますが、この状態が最もストレスを感じることがわかっています。逆に体が疲れていても、脳が元気であれば、ストレスを感じにくいのです。

 

特にストレスを発散するには、筋トレよりも有酸素運動が効果的です。仕事帰りに、最寄り駅からひと駅前で降りて30分間早歩きをする、もちろんジムでバイクエクササイズなどをして汗を流すのもいいでしょう」

 

 

【教えていただいた方】

工藤孝文
工藤孝文さん
内科医・糖尿病内科・統合医療医・漢方医
Twitter

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、現在は福岡県みやま市にある自身のクリニックにて地域医療に注力。専門は糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療、ダイエット治療など多岐にわたり、テレビ・ラジオなどのメディアで医療の最新情報を発信。著書に『「毎日疲れない」にいいこと 超大全』(宝島社)など多数。 工藤孝文先生 著書  

 

イラスト/midorichan 取材・文/山村浩子

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