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認知症予防に、日本人が苦手な子音を強化して滑舌アップ!

滑舌が悪いと言われたことはありませんか? 原因はさまざま考えられますが、そのひとつが「舌や口まわりの筋力の低下」。そんな人におすすめなのが「早口言葉」の訓練です。特に日本人が苦手な子音の発音を強化する方法を、脳機能研究の第一人者で認知症に詳しい、神経内科臨床医の福山秀直先生と、演技トレーナーの佐藤正文さんに伺いました。

舌も筋肉。エクササイズすれば強化できる!

普段の生活のなかで、口が回らずに上手に発音できないと感じたことはありませんか? 特に、現代はリモートでできることが増え、人と会う機会が減り、会話の回数が少なくなっている人も多いのでは? こうなると、口や舌の動きが悪くなってしまいます。

 

「滑舌の悪さには、舌の長さや歯並びなど、さまざまな要因が考えられます。なかでも舌や口まわりの筋力が低下して、動きが悪くなると上手に発音できなくなります。

 

その訓練としておすすめなのが、子音をはっきり発音することです」(佐藤正文さん)

 

【子音の舌の位置】

子音をはっきり発音するためには、舌の位置と唇の動きを意識することが大事です。

早口言葉 子音 訓練 舌の位置

「パ(p)」行は、唇をしっかり閉じて、上下の唇を破裂させるように発音します。

「サ(s)」行は、舌先と上の前歯の隙間を息が抜けていく音をしっかり出します。

「タ(t)」行は、舌先が上歯茎から勢いよく離れて、息が出ていく破裂音です。

「カ(k)」行は、舌の奥と口腔奥の上部をつけて、一瞬息を止めてから発音します。

「ラ(r)」行は、舌先を反らせ、口腔中央あたりの上部につけて、舌を大きく前に動かして発音します。

「ナ(n)」行は、舌先を上の歯茎の裏につけて、息を鼻に抜いて発音します。

 

【舌エクササイズ】

パ・サ・タ・カ・ラ・ナ

舌の動きを意識しながら、ひとつひとつの言葉をしっかり区切って、クリアに発音してみましょう。これを10回繰り返します。慣れてきたら、少しずつ早く言ってみましょう。

 

記事が続きます

早口言葉で発語がよくなると、認知機能低下の予防になる!?

「MRIによる脳の研究で、速読の訓練をすると、やがて脳の血流が下がっていく実験結果があります。早口言葉を練習するのも、同じ脳の動きをすると考えられます。血流が下がるということは、脳がフル活動しなくてもできるようになるということです。

 

それでは脳の活性化にならないのでは? と思われるかもしれませんが、これらの練習により、普段の会話の発語がよくなります。その結果、脳の回転が速くなり、もの忘れしにくくなったり、忘れても思い出しやすくなることが期待できます」(福山秀直先生)

 

上の「パ・サ・タ・カ・ラ・ナ体操」でウォーミングアップをしたあとに、次の早口言葉を言ってみましょう!

 

【早口言葉】

次に早口言葉を言ってみましょう!

早口言葉 子音 バラ イラスト

空色、バラ色、いろいろな色  

難易度★★☆

 

「これは主に、『ラ(r)』 行を鍛える訓練になります。反らせた舌の先が、口腔内の上部から吐く息とともに前に出て、上歯茎に当たり弾かれる音です。

 

最初は口と舌を大きく動かして、ゆっくりクリアに言います。慣れたら、徐々に早くしていくといいでしょう」(佐藤さん)

 

【教えていただいた方】

福山秀直
福山秀直さん
医学博士、神経内科臨床医

市立野洲病院相談役、京都大学名誉教授。1975年京都大学医学部卒業。2001年高次脳機能総合研究センター教授に就任。PETやMRIなどを活用して脳内の機能を画像化するなど、脳機能研究の第一人者。認知症の研究にも取り組み、現在は、京都市内の病院で神経内科の臨床医として認知症治療にも尽力している。共著に『「早口ことば」で認知症予防』(ART NEXT)など。

佐藤正文
佐藤正文さん
演技トレーナー、演出家、俳優

1970年桐朋学園大学演劇専攻科卒業。劇団 俳優座、安部公房スタジオを経て日本大学芸術学部非常勤講師、尚美学園大学客員教授。大手芸能プロダクションで演技レッスンを担当し、多数の俳優を育成。ほか、アマチュア劇団や朗読サー クルなどで、高齢者を含め約5000人を指導。トレーニングのひとつとして「早口言葉」を取り入れている。共著に『「早口ことば」で認知症予防』(ART NEXT)など。

 

協力/「早口ことば」で認知症予防(ART NEXT)

早口ことばで認知症予防 書影

 

 

イラスト/midorichan   取材・文/山村浩子

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