HAPPY PLUS
https://ourage.jp/karada_genki/more/390582/

早口言葉は意味を理解してイメージを膨らませてトライ!

「早口言葉は苦手」「口が回らない」という人は多いのではないでしょうか? 滑舌よく早く話すのは難しいものです。しかし、「早く読む必要はない」としたら? そんな、早口言葉を実践するポイントを、脳機能研究の第一人者で認知症に詳しい神経内科臨床医の福山秀直先生と、演技トレーナーの佐藤正文さんに伺いました。

内容を理解して、聞き手を想像して読むことが大事

アナウンサーのように美しく日本語を話し、人と楽しく会話ができるといいと思いませんか? それをサポートしてくれるのが「早口言葉」です。

 

なかには「早口言葉」に苦手意識を持っていたり、人と話す機会が少ない環境で必要性を感じない、滑舌よく話せたらいいけれど諦めている、という人もいるかもしれません。

 

「実は、早口言葉といっても、必ずしも早く読む必要はありません。ゆっくりでいいので、言葉をはっきり、正しく発音することが重要です。さらに内容を理解して、聞き手の理解を想像し、イメージを描きながら読むことです。

 

例えば、『りんご』という言葉が出てきたら、どんなりんごなのか頭に浮かべます。真っ赤な小さなりんごですか? それとも大きな黄色いりんごですか? 味は? 香りは? 産地は青森? そんなことにまで想像力を働かせると、同じ内容を読んでもニュアンスが変わりませんか?

 

黒柳徹子さんはあれだけ早口でも、内容がきちんと伝わってきます。それは、話す内容を頭で整理して、固有名詞や重要な部分をはっきりと強調しているからです。そのように、内容を理解したうえで、相手に伝えようとして話すことが最も重要です。

 

早口言葉もその状況、情景のイメージを膨らませて読んでみてください」(佐藤正文さん)

 

では、次の早口言葉を言ってみましょう。

早口言葉 選手数 イメージイラスト

 

【早口言葉】

先週の選手数と 先々週の選手数  難易度★★★

あなたが想像したスポーツは何でしたか? 野球? サッカー? バスケットボール? 会場は? 選手は学生? プロ? イメージを膨らませると楽しくなりませんか? 実況中継のアナウンサーになった気分でトライしてみてください。

 

「この早口言葉では、サ行が重要になります。サ行は上の歯茎と舌の間の隙間を息が抜けていくときに出る音です。この隙間が広すぎたり、息が弱いときちんと発音できず、『しぇんしゅうのしぇんしゅしゅう』になってしまいます。

 

最初はゆっくり、正確にはっきり発音して、少しずつ早くしていくといいでしょう」(佐藤さん)

 

記事が続きます

言葉を操るのは人間だけが持つ能力

「人とかかわって、会話をすることが脳の機能を活性化して、認知症の予防になることが医学的にも証明されています。特に重要なのは、自分の思いをまとめて、相手にどう伝えるか? 相手がどう感じるかまで推測して、コミュニケーションをとることです。

 

言語能力は『FoxP2(フォックス・ピーツー)』という遺伝子が関連していると考えられています。これは私たち人間(ホモサピエンス)だけが持っている遺伝子で、『ヒトらしさを決める遺伝子』といわれています。

 

ヒトと最も近いと考えられているネアンデルタール人でも、この遺伝子を持っていません。ネアンデルタール人はホモサピエンスよりも体格が大きかったにもかかわらず絶滅したのは、この言語能力、コミュニケーション能力が低かったことが原因ともいわれています。

 

人間だけが持つ高いコミュニケーション能力をいつまでも衰えさせないよう、積極的に人とかかわり、言語機能をフルに活用してください」(福山秀直先生)

 

 

 

【教えていただいた方】

福山秀直
福山秀直さん
医学博士、神経内科臨床医

市立野洲病院相談役、京都大学名誉教授。1975年京都大学医学部卒業。2001年高次脳機能総合研究センター教授に就任。PETやMRIなどを活用して脳内の機能を画像化するなど、脳機能研究の第一人者。認知症の研究にも取り組み、現在は、京都市内の病院で神経内科の臨床医として認知症治療にも尽力している。共著に『「早口ことば」で認知症予防』(ART NEXT)など。

佐藤正文
佐藤正文さん
演技トレーナー、演出家、俳優

1970年、桐朋学園大学演劇専攻科卒業。劇団 俳優座、安部公房スタジオを経て日本大学芸術学部非常勤講師、尚美学園大学客員教授。大手芸能プロダクションで演技レッスンを担当し、多数の俳優を育成。ほか、アマチュア劇団や朗読サー クルなどで、高齢者を含め約5000人を指導。トレーニングのひとつとして「早口言葉」を取り入れている。共著に『「早口ことば」で認知症予防』(ART NEXT)など。

 

協力/「早口ことば」で認知症予防(ART NEXT)

早口ことばで認知症予防 書影

 

 

イラスト/midorichan   取材・文/山村浩子

MyAge

大人のからだバイブル vol.2 「痛み知らずの体になる!」

OurAgeの人気記事が1テーマムックに!
何度も読み返せる保存版OurAgeです。

MyAge
試し読み Amazon Kobo 7net

この特集も読まれています!

子宮筋腫特集~症状から治療まで
フェムゾーンの悩み解決
ツボ・指圧で不調を改善
40代からでも「絶対痩せる」
広瀬あつこさんの「若返りメイク」
閉経の不安を解消
記事が続きます

今すぐチェック!

第2弾『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集2』が、電子書籍で発売に!

第2弾『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集2』が、電子書籍で発売に!

<前の記事

<前の記事
第3回/認知症予防に、日本人が苦手な子音を強化して滑舌アップ!

次の記事>

次の記事>
第5回/40代、50代におすすめ! 日常風景を早口言葉にして活力を補給

この連載の最新記事

認知症予防に、かわいい動物の「早口言葉」で楽しく脳トレ!

第6回/認知症予防に、かわいい動物の「早口言葉」で楽しく脳トレ!

40代、50代におすすめ! 日常風景を早口言葉にして活力を補給

第5回/40代、50代におすすめ! 日常風景を早口言葉にして活力を補給

早口言葉は意味を理解してイメージを膨らませてトライ!

第4回/早口言葉は意味を理解してイメージを膨らませてトライ!

この連載をもっと見る

今日の人気記事ランキング

今すぐチェック!

OurAgeスペシャル