思わずほっこり! 日常風景を表した早口言葉にチャレンジ
認知症の予防に役立つと、「早口言葉」が注目されています。昔からある、「赤巻紙、青巻紙、黄巻紙」といった古典的なものだけでなく、最近は新たに創作されたものがたくさんあり、思わずクスッと笑ってしまう内容も!
「私はプロ向けのトレーニングだけでなく、子どもやシニアなど一般の方を対象にした朗読指導もしています。そこでも、現代生活に合ったものを厳選したり、時にはアレンジを加えたり、新しく創作したオリジナルのものを使ったりしています。
早口言葉を練習するのに最も大切なことは、楽しんで行うことです。そのため、この回ではOurAge世代の人が身近に感じる、生活の風景を描いたものをセレクトしました」(佐藤正文さん)
難易度を3段階で示し、3つの早口言葉を上手に発音するポイントを紹介します。
【早口言葉】
ロボット掃除機 くるくる回る 留守中にお掃除よ 難易度★☆☆
掃除の形態も時代でずいぶんと変わりました。ロボット型の掃除機を愛用している人も多いのではないでしょうか? 留守中に、けなげに働くロボット君を思い浮かべて練習してみましょう。
「これは主に、ラ行をきちんと発音することが大切です。
ラ行は舌を上方向に丸めて、口腔内中央あたりから、吐く息とともに前に突き出し、上歯茎に当てて弾かせて発音します。弾き方が弱いと、「ダ(d)」に近い音になります。しっかりと舌を丸めて、息を吐き出すようにしましょう」
記事が続きます
【早口言葉】
亭主の立ち位置 妻の立ち位置 持ちつ持たれつ 難易度★★☆
あなたの夫婦の関係はどんな感じでしょうか? 長もちの秘訣は? 理想と思える関係を描いて読んでみるのもいいかもしれませんね。
「これは主に、タ行をきちんと発音することが求められます。
タ行である「タ・テ・ト」は上の歯茎に舌先を押しつけて、息で破裂させるように発音します。「チ・ツ」は口腔内の前寄りの天井に、舌の中ほどを当てて離すように発音します」
【早口言葉】
万能 肩たたきって どんなもの 難易度★★★
肩こりに悩む人も増えるお年頃。優秀な肩たたきが欲しいものです。どんなものを思い浮かべますか?
「これは、『肩たたき』の「たたた」が続く部分が難しいと思います。一音一音を確かめながら読むことを、私たちは『音を触る』と表現します。手で触るように、音を確かめるという意味です。同じ音が続くときには、音に触りながら読むといいでしょう」
いかがでしたか? OurAge世代にあるあるの情景。楽しみながら、早さを変えてトライしてみてください。
【教えていただいた方】

1970年、桐朋学園大学演劇専攻科卒業。劇団 俳優座、安部公房スタジオを経て日本大学芸術学部非常勤講師、尚美学園大学客員教授。大手芸能プロダクションで演技レッスンを担当し、多数の俳優を育成。ほか、アマチュア劇団や朗読サー クルなどで、高齢者を含め約5000人を指導。トレーニングのひとつとして「早口言葉」を取り入れている。共著に『「早口ことば」で認知症予防』(ART NEXT)など。
協力/「早口ことば」で認知症予防(ART NEXT)
イラスト/midorichan 取材・文/山村浩子
■あわせて読みたい■
- ・大人になると暗記できなくなるのはなぜ?【50代からの脳トレ】
- ・自分が24歳前後の時に流行していた音楽を聴くと脳が喜ぶ
- ・認知機能が心配な父の新しい習慣に!? ガンマ波サウンドケア「Kikippa」