ブロッコリーはタンパク質豊富な野菜の代表
タンパク質補給には、肉や魚などの動物性タンパク質が効率よく摂取できると知りつつ、年齢とともに、前ほどたくさん肉が食べられないという声も。
「そんなときは、野菜や豆類などを活用してはいかがでしょうか? 例えば、ブロッコリーやアスパラガス、ほうれん草、豆苗、枝豆などの野菜、グリーンピース、いんげんなどの豆類もタンパク質を含みます。これらを上手に使えば、タンパク質補給の底上げになります。
特にブロッコリーはサラダに添えてもいいし、カレーなどの煮込み料理に入れるなど、活用範囲が広いのでおすすめです。あえて大きめに切って食べ応えを残し、しっかり咀嚼するように促します。そうすることで、早食いや食べすぎを防止する効果にもなります」(大坂貴史先生)
ブロッコリーをカレーとご飯に混ぜて、カロリーと糖質をダウン!
「ブロッコリーはコラーゲン生成を促進するビタミンCをはじめ、骨を強くするビタミンK、皮膚や粘膜を健康に保つベータカロテン、貧血予防になる葉酸、腸内環境を整える食物繊維が豊富です。あまり知られていませんが、筋肉をつくるタンパク質も多く含み、栄養バランスの高い食材です。
キーマカレーに使用する肉は、脂肪分が少なく低カロリーの鶏ひき肉を使用。ブロッコリーの花蕾(からい・つぼみの部分)はカレーに、捨ててしまいがちな茎はご飯に混ぜて、丸ごと使います。こうして、ブロッコリーを活用することで、肉やご飯の量を抑えて全体のカロリーをかなり低くすることができます」(沼津りえさん)
鶏ひき肉とブロッコリーのキーマカレー
「にんにくと玉ねぎを米油でじっくり炒め、カレー粉としょうゆをプラス。カレー粉にはターメリック、クミン、コリアンダー、カルダモン、チリペッパーなどさまざまなスパイスやハーブが入っています(商品によって異なります)。その香りを楽しむように、シンプルな味に仕上げました」(沼津さん)
エネルギー337㎉、タンパク質12.3g、脂質8.5g、糖質44.3g、食塩相当量0.8g
【材料 2人分】
ブロッコリー(ゆでた花蕾の部分) 100g
ブロッコリー(ゆでた茎の部分) 1本分
ご飯 茶碗軽く2杯分(約240g)
鶏ひき肉 100g
にんにく(みじん切り) 3g
玉ねぎ(みじん切り) 50g
カレー粉 大さじ1
塩 小さじ1/4
こしょう 少々
しょうゆ 小さじ1/2
米油 小さじ1
水 100㎖
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【POINT】
ブロッコリーの茎は粗めの角切りに、花蕾は小房に分けて、あえて食べ応えを残します。これにより早食いや食べすぎの防止に。
【作り方】
1 ブロッコリーの茎は粗く切り、花蕾の部分は小房に分ける。
2 フライパンに米油、にんにく、玉ねぎを入れ、弱火でじっくり炒める。
3 玉ねぎがしんなりしたら、鶏ひき肉を加えて中火でしっかり炒める。
4 塩、こしょう、カレー粉を加え、さらに炒める。
5 水、ブロッコリーの花蕾の部分を加え、3~4分煮詰める。
6 しょうゆで味を調える。
7 ご飯にブロッコリーの茎を混ぜて皿に盛り、その上に6を盛る。
家庭でカレーというと、カレールウを使用することが多いと思いますが、これなら忙しいときでも、1人分でも簡単に作れそう。ブロッコリー料理のレパートリーに加えたい一皿です。
【教えていただいた方】

京都府立医科大学卒業。京都南病院、京都第二赤十字病院を経て、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学 内分泌代謝内科学講座 客員講師。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。YouTubeやXで医療情報を発信。著書に『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)、『75歳の親に知ってほしい! 筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
【レシピ・料理】

管理栄養士・調理師、料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーで管理栄養士として勤務。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)、『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)など多数。
撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子