きな粉やおからを使ったおやつならタンパク質もとれる!
「よく、患者さんから『おやつは禁止ですよね?』と聞かれます。しかし、禁止とか、絶対に食べてはいけないという考え方はしないほうがいいです。そう思うほど、食べたくなったり、食べてしまったときに罪悪感にさいなまれ、結局、長続きしなくなります。
おやつを食べないのではなく、よりよいものを選ぶことが大切です。
例えば、まずは“超加工食品”から減らすのです。食品の加工度が高い、菓子パンやクッキー、スナック菓子などです。
元の食材の形や質感が残っていないもののイメージです。
間食には、あたりめやチーズ、プレーンヨーグルトなどのタンパク質が含まれるものがおすすめです。
甘いものが欲しいときには、きな粉やおからを使ったおやつを手作りしてはどうでしょうか? これらは原料が豆なのでタンパク質が豊富です。
タンパク質と糖質、脂質のバランスを考えて、カロリーと甘味は控えめにします。
大きなポイントは、タンパク質が補給できるからOK!という言い訳が立ち、せっかく食べるのだから、満足感があってハッピーになれるものがベストです」(大坂貴史先生)
フライパンで簡単にできる蒸しパンなら罪悪感ゼロ!
「おからパウダーと卵、豆乳で作る蒸しパンです。小麦粉を使わないグルテンフリーで、タンパク質もとれます。しっとり感を出すために米油を加え、甘味はきび砂糖で調整します。バニラエッセンスの香りと、ふんわりとした食感がスポンジケーキのような、ごちそうおやつです」(沼津りえさん)
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おからの蒸しパン
「ふんわりしっとりした食感に、オメガ3系脂肪酸が豊富なくるみのサクサク感がアクセント。角切りにしたプロセスチーズを加えてもいいですね」(沼津さん)
<1個当たり>エネルギー101 ㎉、タンパク質3.8g、脂質6.5g、糖質3.5g、食塩相当量0.2g
【材料 6個分】
おからパウダー:50g
ベーキングパウダー:小さじ1
卵:1個
成分無調整豆乳:150㎖
米油:大さじ1
きび砂糖:大さじ2
バニラエッセンス:3滴
くるみ:15g
※紙カップは直径3.5cm、高さ3㎝のものを使用
【POINT】
耐熱容器に紙カップをかませて、そこに生地を流し、フライパンで蒸します。竹串を刺して、液がついてこなければOK。
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【作り方】
1 ボウルに卵を割り入れ、泡立て器でほぐし、きび砂糖、米油、豆乳、バニラエッセンスを加えて混ぜる。
2 1におからパウダーとベーキングパウダーを加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
3 耐熱の器に紙カップを入れ、その中に2を注ぎ入れて、上にくるみを散らす。
4 フライパンか鍋に2㎝程度の水を張り、3を並べて強火にかける。沸騰したらふたをして強火のまま8~10分蒸す。
甘さは控えめではありますが、ふわふわの食感と、嚙み締めるとおからの香りと甘味が口の中に広がり、満足感があります。おやつだけでなく、野菜を入れて朝食にしてもよさそうです。
【教えていただいた方】

京都府立医科大学卒業。京都南病院、京都第二赤十字病院を経て、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学 内分泌代謝内科学講座 客員講師。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。YouTubeやXで医療情報を発信。著書に『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)、『75歳の親に知ってほしい! 筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
【レシピ・料理】

管理栄養士・調理師、料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーで管理栄養士として勤務。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)、『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)など多数。
撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子