植物性のタンパク質「豆類」をサイドメニューにプラス!
そんなに食べすぎていないのに、「体脂肪率が高い」と言われたことはありませんか?
「日本の中高年の女性に多いのが、見た目は太っていないのに、体脂肪率が高いケースです。そんな人は筋肉が少なくて痩せているのに脂肪が多く、その脂肪が筋肉の繊維の隙間に入り込み、いわば“牛肉のサシ”のようになっている状態です。
筋肉が少ないと、血糖値が上がりやすくなります。
その理由は、筋肉を使うときにはエネルギーが必要で、そのエネルギー源として血液中の糖が使われます。筋肉量が少ないと使われるエネルギー量が少ないので、血液中の糖の量が増えます(=血糖値が上がります)。
血液中の糖の量が増えると、やがて血糖を筋肉に取り込む「インスリン」が効きにくくなります。こうなると、さらに筋肉に十分なエネルギーが届かないので、筋肉量が低下するという悪循環に陥ります。
これを防ぐためにはタンパク質が大切です。
1日の摂取量は、体重1kg当たり1.0g以上。体重55㎏なら1日55g以上。1食約19g以上が目標です。
タンパク質は、肉や魚には100g当たり約20~30g、卵は1個約7g、豆腐1丁(約300g)は約15~20g含まれます。
肉や魚をメイン料理にして、豆類を使ったサイドメニューをプラスすると、手軽にタンパク質量の底上げができます。
豆類は低脂肪で、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラルをバランスよく含み、腸内環境を整える食物繊維が豊富なので、食後の糖の吸収スピードを緩やかにしてくれます」(大坂貴史先生)
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大豆、枝豆、豆腐のトリプル豆おかず
「豆類はエネルギーの代謝に必要なビタミンB群、体を整えるカルシウム、カリウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類をバランスよく含んでいます。今回は糖質が少なめの大豆と枝豆を使用。これらを、豆加工品である豆腐を使って白あえに。
白あえは通常、味噌やしょうゆ、砂糖などを加えますが、クリームチーズでコクを出し、糖質や塩分の量を控えました。クリームチーズもタンパク質を含み、ビタミン、ミネラルが豊富。乳脂肪に含まれる短鎖・中鎖脂肪酸は体内で燃焼されやすく、満腹感が得られやすい特徴があります」(沼津りえさん)
大豆と枝豆のクリームチーズ白あえ
「今回は大豆と枝豆を使いましたが、ミックスビーンズを使ってもOK。豆腐は木綿でも絹ごしでも好みで選んでください。豆腐とクリームチーズを1:1で合わせることで、豆腐の水きりをしなくても、水っぽくなくふんわりと仕上がります」(沼津さん)
エネルギー126㎉、タンパク質17.9g、脂質8.8g、糖質2.0g、食塩相当量0.4g
【材料 2人分】
豆腐:30g
クリームチーズ:30g
大豆水煮:50g
枝豆(ゆでてさやから出したもの):50g
レモン汁:小さじ1/4
塩・こしょう:各少々
【POINT】
豆腐は水きりせずに、クリームチーズとよく混ぜ、そこにゆでてある大豆と枝豆を加えてさっくりあえます。
【作り方】
1 ボウルに豆腐、クリームチーズ、塩、こしょう、レモン汁を入れ、よく混ぜる。
2 大豆と枝豆を加え、さっくりあえる。
クリームチーズが味わい深く、少し洋風なのでサラダ感覚で食べられます。しゃれた和風の一品料理としても、食パンにのせたり、サンドイッチにしてもおいしくいただけそうです。
【教えていただいた方】

京都府立医科大学卒業。京都南病院、京都第二赤十字病院を経て、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学 内分泌代謝内科学講座 客員講師。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。YouTubeやXで医療情報を発信。著書に『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)、『75歳の親に知ってほしい! 筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
【レシピ・料理】

管理栄養士・調理師、料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーで管理栄養士として勤務。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)、『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)など多数。
撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子
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