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低脂肪・高タンパクな「豆類」を上手に使う

40代、50代の女性によくあるのが「隠れ肥満」です。食が細く、痩せているのに脂肪が多いタイプ。そんな人は肉や魚に加えて、豆類を上手に使いタンパク質量の底上げをするといいそう。そのポイントを糖尿病専門医である大坂貴史先生と管理栄養士の沼津りえさんに伺いました。

植物性のタンパク質「豆類」をサイドメニューにプラス!

 

そんなに食べすぎていないのに、「体脂肪率が高い」と言われたことはありませんか?

 

「日本の中高年の女性に多いのが、見た目は太っていないのに、体脂肪率が高いケースです。そんな人は筋肉が少なくて痩せているのに脂肪が多く、その脂肪が筋肉の繊維の隙間に入り込み、いわば“牛肉のサシ”のようになっている状態です。

 

筋肉が少ないと、血糖値が上がりやすくなります。

 

その理由は、筋肉を使うときにはエネルギーが必要で、そのエネルギー源として血液中の糖が使われます。筋肉量が少ないと使われるエネルギー量が少ないので、血液中の糖の量が増えます(=血糖値が上がります)。

 

血液中の糖の量が増えると、やがて血糖を筋肉に取り込む「インスリン」が効きにくくなります。こうなると、さらに筋肉に十分なエネルギーが届かないので、筋肉量が低下するという悪循環に陥ります。

 

これを防ぐためにはタンパク質が大切です。

 

1日の摂取量は、体重1kg当たり1.0g以上。体重55㎏なら1日55g以上。1食約19g以上が目標です。

 

タンパク質は、肉や魚には100g当たり約20~30g、卵は1個約7g、豆腐1丁(約300g)は約15~20g含まれます。

 

肉や魚をメイン料理にして、豆類を使ったサイドメニューをプラスすると、手軽にタンパク質量の底上げができます。

 

豆類は低脂肪で、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラルをバランスよく含み、腸内環境を整える食物繊維が豊富なので、食後の糖の吸収スピードを緩やかにしてくれます」(大坂貴史先生)

 

記事が続きます

大豆、枝豆、豆腐のトリプル豆おかず

「豆類はエネルギーの代謝に必要なビタミンB群、体を整えるカルシウム、カリウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類をバランスよく含んでいます。今回は糖質が少なめの大豆と枝豆を使用。これらを、豆加工品である豆腐を使って白あえに。

 

白あえは通常、味噌やしょうゆ、砂糖などを加えますが、クリームチーズでコクを出し、糖質や塩分の量を控えました。クリームチーズもタンパク質を含み、ビタミン、ミネラルが豊富。乳脂肪に含まれる短鎖・中鎖脂肪酸は体内で燃焼されやすく、満腹感が得られやすい特徴があります」(沼津りえさん)

 

大豆と枝豆のクリームチーズ白あえ 

糖尿病 レシピ 豆類 白和え 

「今回は大豆と枝豆を使いましたが、ミックスビーンズを使ってもOK。豆腐は木綿でも絹ごしでも好みで選んでください。豆腐とクリームチーズを1:1で合わせることで、豆腐の水きりをしなくても、水っぽくなくふんわりと仕上がります」(沼津さん)

 

エネルギー126㎉、タンパク質17.9g、脂質8.8g、糖質2.0g、食塩相当量0.4g

 

【材料 2人分】

豆腐:30g
クリームチーズ:30g
大豆水煮:50g
枝豆(ゆでてさやから出したもの):50g
レモン汁:小さじ1/4
塩・こしょう:各少々

 

 

【POINT】

糖尿病 レシピ 豆類 白和え ポイント

豆腐は水きりせずに、クリームチーズとよく混ぜ、そこにゆでてある大豆と枝豆を加えてさっくりあえます。

 

【作り方】

1   ボウルに豆腐、クリームチーズ、塩、こしょう、レモン汁を入れ、よく混ぜる。
2  大豆と枝豆を加え、さっくりあえる。

 

クリームチーズが味わい深く、少し洋風なのでサラダ感覚で食べられます。しゃれた和風の一品料理としても、食パンにのせたり、サンドイッチにしてもおいしくいただけそうです。

 

 

【教えていただいた方】

大坂貴史
大坂貴史さん
糖尿病専門医・指導医、総合内科専門医
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京都府立医科大学卒業。京都南病院、京都第二赤十字病院を経て、京都府立医科大学大学院博士課程で医学博士を取得。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学 内分泌代謝内科学講座 客員講師。糖尿病と筋肉、糖尿病運動療法が専門。YouTubeやXで医療情報を発信。著書に『血糖値は食べながら下げるのが正解』(KADOKAWA)、『75歳の親に知ってほしい! 筋トレと食事法』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。 大坂貴史 先生 著書 書影

 

【レシピ・料理】

沼津りえ
沼津りえさん
管理栄養士、料理研究家
公式サイトを見る
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管理栄養士・調理師、料理教室COOK会主宰。大手食品メーカーで管理栄養士として勤務。その後、製菓・製パン専門学校に通いながら、老舗洋食レストランで料理の基礎を徹底的に学ぶ。結婚を機に子育てをしながら料理教室COOK会をスタート。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、各メディアで活躍。管理栄養士の知識を生かして、企業向けのレシピ開発も行う。最近ではYouTubeが好評で、著書に『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)、『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)など多数。 沼津りえ 著書 書影

 

 

撮影・スタイリスト/沼津そうる 取材・文/山村浩子

 


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