1点を過信せずに、複数の組み合わせが大事!
猛暑のときは、できる限り涼しい場所で過ごすのが一番ですが、どうしても外出しなければならないこともあります。そんなときには、万全の暑さ対策が必要です。
「何か1点に頼るのではなく、複数のアイテムを組み合わせて対策することが大きなポイントです。私が推奨しているのが、熱中症予防のための七つ道具です。外出時に必ず持って出るものとして常備しておくといいでしょう」(谷口英喜先生)
1 帽子
直射日光を遮るのに手軽な帽子。つばが広めで、特に首の後ろに陰ができるものを選んでください。
2 日傘
日傘で直射日光を遮ることは、思っている以上に涼しいものです。日傘は女性が持つイメージですが、男性も持つことをおすすめします。ユニセックスで使えるデザインのものも増えています。
【ムーンバット マジカルテックプロテクション50cm】
男女問わず使え、どんな装いにも似合うシンプルな色とデザイン。携帯しやすい軽量であることもセレクトポイント!
遮光率100%の生地を使用し、約82g~98g(色により異なる)という超軽量。携帯に便利な晴雨兼用のユニセックス折りたたみ傘。表側がブラック、ライトグレー、ディープブルー、ホワイト、ベージュ、ペールスカイの6色展開。裏はすべてブラック。¥4,400/ロフト
3 汗拭き(ハンカチやタオル)
汗はできるだけ早めに拭き取るようにします。体の熱は汗が蒸発するときに一緒に奪われるので、汗が流れた状態では熱を下げることはできません。ハンカチやタオルのほか、最近ではすーっと涼しさを感じる汗拭きシートもおすすめです。
4 扇子or携帯扇風機
風を当てることで、汗を積極的に蒸発させて体温を下げることができます。扇子が手軽ですが、携帯扇風機、首にかけるタイプもいいでしょう。使い勝手が年々進化しています。
5 首の冷却アイテム
太い血管が通っているところを冷やすと、効率よく体温を下げることができます。特に猛暑のときには、冷たいタオルや冷却アイテムなどで首の後ろと左右を冷やすのがおすすめです。発熱したときに使用するおでこに貼るものは、気持ちはいいのですが、あまり効率的ではありません。
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6 飲み物
熱中症の予防のために持ち歩く飲み物は、糖分を含まない水やお茶などがいいでしょう。普段飲み慣れているものでかまいません。500㎖くらいを目安に!
7 経口補水パウダー
もしも熱中症になってしまったときは、経口補水液が必要です。経口補水液は、体が最も効率よく水分を吸収できるように、水、塩分、糖分の成分を配合したものです。
この補水液を常に持ち歩くのはかさばるので、スティックタイプのパウダー状のものを持っていると便利。いざというとき、水に溶かすと経口補水液になります。パウダーはネット販売が主流ですが、事前に購入して、バッグに入れておくといいでしょう。
「猛暑のときはこの七つ道具が命を守ります。ぜひ携帯を!」

済生会横浜市東部病院患者支援センター長。福島県立医科大学医学部卒業。横浜市立大学医学部麻酔科に入局し、2011年に神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授。2016年より現職。現在、東京医療保健大学大学院客員教授、 慶應義塾大学麻酔科学教室非常勤講師を兼任。専門は麻酔学、集中治療学、周術期管理、栄養管理、経口補水療法、脱水症対策など。著書に『熱中症からいのちを守る』(評言社)など多数。テレビや雑誌、Webでも活躍。
イラスト/内藤しなこ 取材・文/山村浩子