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睡眠の質を格段に上げる!理想の「眠り部屋」をつくるには?

「新しい生活様式」を明るく前向きに送るための、読んでトクする連載。今回は、睡眠の質を向上させる眠り部屋のつくり方についてです!

日本人は世界の中でも睡眠不足の人が多い、という話はよく聞きますよね。私は睡眠時間の確保も気になりますが、寝つきが悪かったり夜中に目が覚めたりと、眠りの質もよくない気がして何とかしたい!と切実に思います。

 

そこで今回は、睡眠に関わる製品やサービスを提供するEmma Sleep Japanのオンライン記者発表会に参加し、睡眠の質を上げるにはどうしたらいいかについて学んで来ました!

 

最初に登壇されたのは、Emma Sleep Japanカントリーマネージャーの小原拓郎さん。同社では20~50代男女1045人を対象に、インターネットで「新生活における睡眠と睡眠環境に関する意識調査」を実施。その結果についてお話しいただきました。

 

◆布団に入るなり眠り込むのは、実は睡眠負債のサインかも⁉

 

この調査では、「理想の睡眠に必要だと思う時間は?」という問いに対して、「8時間以上」と答えた人は、全体の42.8%。それに対して、実際の睡眠時間は「6時間」と答えた人が一番多く、37.3%という結果に。理想と現実はだいぶ差がありますね。

 

そして注目すべきは、「ベッドや布団に入ってからどれくらいで入眠しますか?」という質問。一番多かったのは「16~30分」の27.2%ですが、「5分以内」と答えた人が17.6%も!寝つきが悪い私から見たらうらやましくも思いましたが、「これは睡眠負債かもしれないというサインなんです」と小原さん。睡眠が足りないからこそ、倒れるように眠り込む状態になるのだそう。すぐ寝られるのがいいこととは限らないとは、意外です!

 

◆質のよい睡眠をとるためにできる3つのこと

 

ここで、SUNIHA UNIHA(サニハユニハ)代表の吉田美帆さんが登壇。質のよい睡眠がとれる部屋作りについてお話しいただきました。

 

吉田さんは、設計事務所時代に夜中まで働くハードな生活を送っていました。睡眠不足に加え、あまりの忙しさに寝ても疲れが取れず、体調を崩して入院してしまったのだとか。しかしこの入院で規則正しい生活をすることにより、徐々に体調を整えることができた吉田さんは、眠りの大切さを身をもって実感。

 

「それからすっかり健康オタクになりました!」と語る吉田さんは、良い睡眠に大切なことを調べるうちに、人間が持つおよそ24時間の生活リズムである「サーカディアンリズム」の重要性に気づいたのだそう。

 

サーガーディアンリズム

「昔の人のように、日の出とともに起きて日の入りとともに寝る、というわけにはいかないですが、少なくとも規則正しい時間に太陽の光を浴びるというのは、質のいい睡眠をとるために有効です」と吉田さん。そこで、サーガーディアンリズムを整えるうえでも重要な質の良い睡眠が取れる部屋作りのコツを3つ教えていただきました。

【1】オレンジ色の間接照明を取り入れ、入眠をスムーズに!

寝つきが良くなる部屋

入眠をスムーズにするには、副交感神経が優位になっていること、深部体温が下がっていること、のほかにメラトニンの分泌が大切になってきます。メラトニンは明かりを落とした暗めの部屋で過ごすと分泌が促進されるため、まさに睡眠前の「プレ睡眠タイム」がカギとなるのだそう。「理想はホテルのベッドルーム。低い位置にオレンジ色の照明を置いたり、柔らかい光の間接照明を取り入れましょう」(吉田さん)。

ただし、せっかく照明を工夫しても、スマホやタブレットなどを見ると台無しに!寝る前は我慢しておきましょう。

 

【2】室温や明るさなどを一定にし、ぐっすり眠れる環境に!

ぐっすり眠れる部屋

吉田さんによると、「ぐっすり眠るには、寝ている間の環境を一定に保つことが大切」なのだそう。

そのためにはまず、ベッドを置く位置が重要です。「ベッドがドアのそばにあると、後から家族が入ってきたときに入ってきた光や音で起きてしまうことも。頭だけでも入り口から遠くしましょう」(吉田さん)。

そしてもう一つ重要なのが、室温や湿度を一定に保つこと。乾燥しにくいオイルヒーターや加湿器を使うほか、ベッドリネンでも工夫できるのだそう。「麻は夏っぽいイメージがありますが、実は保温性もあり冬にもいいんです」(吉田さん)。

 

【3】朝日が適度に入るカーテンで、寝起きスッキリ!

すっきり起きられる部屋

「朝の目覚めを良くするポイントは、カーテンにあります」と吉田さん。私は何となく遮光カーテンがいいと思い、しっかり遮光できるものを選んでいましたが、目覚めを良くする目的にはそぐわないのだそう。というのも、朝は日の光で自然に起きられる、というのが目覚めの良さを感じられるから。「遮光カーテンは1級から3級までありますが、1級だと真っ暗になりすぎてしまうので、3級くらいのものを選ぶといいですね」(吉田さん)。

 

◆睡眠にとって良い寝室カラーをチェック!

 

睡眠環境の整え方を教えていただきましたが、さらに寝室に使う色によっても、眠りの環境が変わってくるのだそう。そこでセミナーでは「お部屋カラー診断」を実施し、それぞれのカラーが与える影響を学びました。みなさんはどの寝室に惹かれますか?選んだカラーで今の状態や、よりよい睡眠環境を整えるポイントがわかります!

お部屋カラー診断

 

【ベージュ】

ベージュを選んだ人は、少しお疲れ気味の可能性が!ストレスがあってグチをこぼしたいときなどに、包み込んで癒してくれるカラーです。穏やかで調和がとれている時にも選ぶ色。リラックス効果が高いですが、ベージュだけというよりはクッションでブルーなどの差し色を入れてメリハリをつけると、眠りの環境が整います。

 

【赤・オレンジ】

赤やオレンジを選んだ人は、興奮気味だったり、モチベーションが高い状態かもしれません。赤やオレンジなどの暖色系は交感神経を刺激するため、日中アクティブに動きたいときや食欲を増したいときにはいいけれど、寝る部屋にはあまり向きません。とはいえ好みがあると思うので、このカラーを使いたい場合は色の面積を減らしたり、彩度を落として使うのがおすすめです。

 

【ブルーグリーン】

ブルーグリーンを選んだ人は、リラックスした状態かもしれません。青みがかった緑は、寝室に一番おすすめのカラー。リラックスできる副交感神経を刺激する寒色系の中でも、グリーンが入ると柔らかい感じになり、眠り部屋に使うのに適しています。

 

【青】

青を選ぶ人は、気持ちが落ち着いている可能性が。青を使うと部屋も落ち着いた雰囲気になりますが、青だけにすると少し冷たくて寂しい印象になります。グリーン、白、ベージュなどの差し色を使ったり、自然素材を取り入れて温かみを出すと落ち着けるいい眠り部屋になります。

 

【白】

何かをリセットしたい時、新しいスタートを切りたい時に取り入れたい色。真っ白で統一すると清潔感がありますが、白は緊張感を与える色でもあるため、白だけにするのは眠り部屋としては適していません。天然木のパネルを取り入れる、アクセントカラーを入れるなどをして雰囲気を和らげましょう。

 

色によっても睡眠環境が変わっていくんですね。仕事が忙しくなりそうなときはベージュで癒される寝室に、新しいことに挑戦するときは白ベースの寝室に、など工夫するのもよさそうです!

 

新年度から環境が変わる、という方もいるかもしれません。慣れない生活で疲れてしまうときでも、睡眠環境を整えて新生活を快適なものにしていきましょう!

 

エマスリープ 小原拓郎さん

Emma Sleep Japanカントリーマネージャー

小原拓郎(おはらたくろう)さん

2020年Emma Sleep Japan合同会社(エマ・スリープ)へ入社。 日本進出プロジェクトを推進し、2020年12月より自社D2Cサイトを立ち上げる。 ドイツ発のスリープテック企業として、本社の睡眠研究をもとに 日本の睡眠改善に取り組んでいるほか、 スリープテック・ブランドの専門家としてマットレスや睡眠の知見を発信。

 

吉田美帆さん

SUNIHA UNIHA代表

一級建築士/インテリアコーディネーター

吉田 美帆(よしだみほ)さん

武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業。 大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、 マンションディベロッパーにて企画等を経て、 2011年SUNIHA UNIHA(サニハユニハ)設立。 これまで数々の睡眠の質が向上する空間やウェルビーイングに根差した空間を手掛け、講演会など幅広く活躍する。

 

資料提供/Emma Sleep Japan https://emma-sleep-japan.com/

 

取材・文/倉澤真由美

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