昔から「夜、口笛を吹くと蛇が来る」「黒猫が前を横切ると良くない事が起きる」「霊柩車が通ったら親指を隠せ」「枕を北向きにして寝ない」(←こちらに関しては以前書いた「私が『北枕』を推すわけ」の回を、ご覧ください)など結構たくさんのことを見聞きしながら育ってきました。
日本にはこのような、いろいろな迷信や言い伝えがありますよね。
たぶん地域ごとに少しアイテムやニュアンスが違っているかもしれませんが、往々にして、何か根拠というよりは、日々の生活の中で子どもたちにルールを守ってほしい事柄を、怖い場面などにひも付けて禁じるようなものが多いような気がします。
さて、その迷信の中でも「靴下を履いて寝てはいけない」というのを聞いたことがありませんか?
靴下を履いて寝ると「縁起が悪いことが起きる」「親の死に目に会えない」といったマイナスの事が起きると言われています。
もともとこの迷信の由来としては、死者を黄泉(よみ)の国に旅立たせる時に足袋を履かせたことが元になっているようです。そのため同じように靴下を履いて眠ることが葬儀を連想させるので「ダメよ」ということになったのでしょう。
北枕もしかり、この足袋や、箸と箸で物を渡さないなど、亡くなった人を送ることや夜と連動することが多いのも、何か怖いものを連想させるためなのでしょうか。
本当に靴下を履いて寝るのはNGなの?
先日、久しぶりに着物を着る機会があって、もちろん足袋も履いたのですが、靴下に比べて足袋は不慣れな分、カラダが硬くなっているせいかやはり履くのも脱ぐのも大変でした。
(韓国の時代劇を見ると、王族の人たちも足袋に留め金のない、ソックスぽい足袋を履いていますよね。あの形なら楽かも…)
足袋(靴下)をはいて寝ると何か縁起が悪いことがおきるというよりは、睡眠の質自体に問題が生じるかもしれません。
良い眠りのためには、眠る時は素足が基本です。足袋も靴下もタイツも履かないのがベスト。それは体温を下げるため。
人間は眠たくなると徐々にカラダの深部体温が下がり、寝付きやすくなるような仕組みになっています。特に足の裏から熱を放散させることで、体温を下げようとします。
なので、その熱の出口を塞いでしまうと、スムーズな眠りを遠ざけることになってしまうのです。
足が冷え過ぎて眠れない! という方もいるかもしれませんが、その場合は眠る前にできるだけお風呂や足湯などで温めて寝ていただくか、湯たんぽなどを先に入れて寝床を温めておくのがいいかもしれません。
言い伝えには何かしらの理由があるはず。信じるも信じないのもあなた次第ですが、先人の知恵もありますし、その本当の内容を知りつつ、生活を見直していきたいものですね。
では、今宵も良い眠りを。
眠りの力があなたを変えるネムリノチカラ代表、快眠コンシェルジュのヨシダヨウコでした!