6月22日に海老蔵夫人、小林麻央さんがお亡くなりになりました。若い方の進行性がん、ステージ4、厳しい結果は予想されたにせよ、前向きに生きる彼女に奇跡が起こることを誰もが望んでいたことと思います。でもそれは叶いませんでした。心からのご冥福をお祈りしたいと思います。
彼女の死によって改めて乳がんにメディアの関心が集まりました。MyAge(2017年春号)で私と聖路加国際病院精神腫瘍科の保坂隆先生が対談した記事は、OurAge LINE NEWSのほか、キュレーションサイトでも紹介されました。週刊朝日からも取材を受けました。
私は麻央さんとは年齢も乳がんの分類も進行度も違いますが、医療機関の判断ミスではないかと感じる経験をしました。
私はそれまでブレスト専門のクリニックで毎年乳がん検診を受けていました。ある日左胸にしこりがあると言われ、すぐに精密検査を受けましたが「がんではない要観察だ」言われました。「がん」ではないと言われた時は心からホッとし、嬉しい結果だったのでセカンドオピニオンは取りませんでした。
ところがその1年後同じしこりを見て、医者は去年及び、要観察で数ヶ月おきに通った時の診断結果を全く覚えていなく、お茶を濁すような事を言うのです。不審に思った私はその場で「セカンドオピニオンを取りたいので、これまでの全ての資料を用意してください」と言い、クリニックを出ました。
その後他院での再検査で乳がんと確定されたのです。皮肉な事に麻央さんの乳がんがメディアに発覚した際に、私の乳がんを見逃した医師は情報番組に専門医として出演し、麻央さんの乳がんについて解説していました!!
一旦乳がんと診断されるとその治療は標準化がかなり進んでいます。一方で選択肢も沢山あります。私自身、「重粒子線、陽子線、凍結療法」など保険外の治療も検討しました。「がんは切らずに治す」といった本などの影響で手術自体を躊躇する方も多くいます。若く、これから3人目のお子さんもと思っていらした麻央さんが標準治療で行われる手術を選択したくなかった気持ちは痛いほど理解できます。
繰り返しになりますが乳がんの治療は標準化が進んでいて、かなり信頼のおけるものです。正解は一つではありませんが、まずはこの治療をしっかりと理解して、それから他を検討してみる事を私はお勧めします。