更年期になったら心がけたいこと
更年期には、その人の弱いところに症状が出るといわれます。
どのようなトラブルが考えられるのか、どのように対処したらいいのか、
いざというときに慌てずに済むよう、あらかじめ基本的なことを知っておきましょう。
ここでは、更年期になったら心がけたい4つのことを2回に分けてご紹介します。今回は、1.まずは婦人科へ、2.治療法には何がある? についてです。
1 まずは 婦人科へ
あちこちに不調が起こる更年期。
ドクターショッピングを避けるためにも、まず婦人科へ相談に行きましょう。
逆流性食道炎になったり、消化不良を起こしたり、不眠や関節痛に見舞われた り…。女性ホルモンが低下すると、ホットフラッシュのような更年期症状以外に、「こんなことも?」と驚くような不調が起こるもの。これまでとは違う症状を感じたら、まずは婦人科で相談しましょう。ホルモンが原因なら、更年期の治療をす ればいいからです。
ただ、なかには更年期の症状だと思っ ていたら、別の病気だったということも。 自己判断せずに、医師の診察を受けることが大切です。また特に不調はなくても、 年に一度は「婦人科検診」を受けましょう。子宮や卵巣、乳がんチェックはもちろん、骨密度測定や甲状腺疾患、リウマチなどの検査もしておくと安心です。
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2 更年期の 治療法には 何がある?
更年期の治療法にはいろいろなものがあります。
即効性重視の人はHRT(ホルモン補充療法)、自然派の人は漢方や運動など、自分らしいやり方で。
更年期治療の代表的なものとしては、HRT(ホルモン補充療法)が挙げられますが、それ以外にもさまざまな治療法があります。まず漢方。ホルモン剤に比べ ると効き目は穏やかですが、体の弱いと ころを補って、トータルに体質改善でき るのがメリットです。HRTと併用する こともできます。更年期の症状改善の代 表的な薬には、加味逍遥散(かみしょうようさん) 、当帰芍薬散(とうきしゃくやさん )、桂 枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがあり、体質によって使う薬を選びます。婦人科や女性外来で処方してもらえ、保険適用が可能です。
気分が落ち込む、不安感が強い、眠れないなど、精神的な症状が強く出る場合には、抗うつ剤や精神安定剤、睡眠導入剤などが処方されることもあります。
また、更年期のつらさは、医師に相談 したり、同じ悩みを持つ人と話したりするだけでもラクになることがあります。一人で我慢せず、誰かに相談を。かかり つけの婦人科医を持っていると安心です。
さらに、体を動かすことも効果的です。おすすめは、ウォーキング、ストレッチ、スイミングなど。呼吸を中心としたヨガやピラティスは、自律神経の末端が集中している横隔膜を動かすため、自律神経の乱れを整える効果があります。アロマテラピーや鍼灸など、リラックス作用の高い治療法もいいですね。
更年期の不調をサポートするサプリメントとしては、大豆イソフラボン(エクオール)や、ブラックコホシュなどがあります。ただ、なかには処方されている薬との飲み合わせが悪いものもあるので、成分チェックも含め、医師や専門家に相談してから服用してください。
次回は、更年期になったら心がけたいこと 後編をご紹介します。
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/上田恵子