食べることが大好きな
漢方薬剤師・漢方ライフクリエーターの樫出恒代です。
先日、漢方セミナーの際、
こんな質問をうけました。
「薬膳ってなんですか?
漢方の生薬、枸杞の実とか朝鮮人参の入った料理のことですよね?」
薬膳料理の
基本の考え方は
病氣になってから治療するのではなく
病氣になりにくい健やかな身体を
つくるために
毎日の食事に氣を配って、いただくこと。
特別、漢方の生薬をとりいれることではなく
四季のそれぞれの季節の旬のものを
自分の体調に合わせてつくる料理のことです。
まさに、養生ですね!
(前回のコラムの
「漢方における〈養生のピラミッド〉でいちばん大事なことは?」
の中の<食事・飲み物>のところにあたります)
例えば
トマトが身体にいい、とは言っても
夏野菜であるトマトを無理に冬に食べたら
いいどころか、身体が冷えて具合が悪くなってしまう。
生姜が身体を温めて免疫力を上げる、とは言っても暑がりの人やアレルギーでかゆみのある人は逆効果になってしまう。
自分がどんな体質か
今の季節はどんなものを食べたらよいのか
この2つのことを考えることが、
薬膳のスタート
です!
漢方では、体質をみるときに
○陰陽 ○氣血水 ○五行説 ○六病位など
そして、舌をみたり、お腹や脈をみたりと、
いろんな角度から
〈その人〉をまるごと
ホリスティックにみていきます。
とはいえ、すべて自分で氣づいて、
みていくことは
難しい。
自分の体質をまず、
〈陰陽〉
陰ーー寒
陽ーー熱
と分けて考えてみましょう、
さぁ、チェックをしてみてください
〈寒がりタイプ?暑がりタイプチェック〉
Aタイプ
□顔色は白いほう
□手足が冷たい
□あたたかい飲み物が好き
□疲れやすい
□舌は小さく、薄い
□尿の色は透明に近い
□寝汗をかくことがある
□胃腸が弱い
Bタイプ
□顔色は赤みがある
□手足はあたたかい
□体力はあるほう
□声にハリがある
□冷たい飲み物の方が好き
□汗をかきやすい
□食欲がある
□血圧が高め
Cタイプ
□不定愁訴が多い
□のぼせ・ほてりやすい
□お腹は冷たい
□食欲にムラがある
□あまり食べなくても太りやすい
□下痢・便秘をくりかえす
□睡眠の質が悪い
□下半身がむくみやすい
いちばんチェックがたくさん
ついたのはA.B.Cどのタイプでしたか?
Aタイプは[寒がりタイプ]
Bタイプは[暑がりタイプ]
Cタイプは[寒がりで暑がりタイプ]
更年期は
ホルモンバランスの乱れから
Cタイプが多い傾向が。
次はそれぞれのタイプに合う食材をご紹介。
さぁ、それぞれに合う
食材は?
Aの寒がりタイプの方は
もち米・ネギ・玉ねぎ・パセリ・シシトウ・ピーマン・蓮の実・山芋・かぼちゃ・ニラ・シソの葉・らっきょう・エビ・シラス・イカ・小魚・カツオ・うなぎ・鶏肉・牛肉・羊肉
梅干し・ショウガ・コショウ・紅茶・ほうじ茶、 などを。
例えばレシピ
〈ネギとエビの炒め物〉
どちらも身体を温め、氣を巡らせる食材。
冷えの改善におススメの組み合わせです
Bの暑がりタイプの方は
玄米・小麦・きゅうり・トマト・セロリ・なす・レタス・アスパラガス・ほうれん草・ニガウリ・タケノコ・バナナ・キウイ
・柿・スイカ・ワカメ・アサリ・はまぐり
コーヒー・煎茶、などを。
例えばレシピ
〈ニガウリと豚肉の炒め物〉
身体の熱をとるニガウリと疲労回復効果のあるビタミンB1を豊富に含む豚肉で炒め物に。
夏バテなどにも効果的。
Cの寒がりで暑がりなタイプの方は
寒く感じる時はAタイプの食材を
暑く感じる時はBタイプの食材をバランスよく選んでください。
更年期には、ホットフラッシュのような
のぼせがあったかと思うと
お腹に手を当てて触ってみると
冷たくて、冷えていると氣づくこともあります。
女性ホルモンのバランスをとることが
とても大事なので
なつめ・人参・蓮の実(蓮子)・牡蠣・長芋
大豆・クコの実・黒ゴマ・松の実・すっぽん・レバー・ほうれん草・かぼちゃ・百合根・ナッツ
などの血を補うものをいただき
血の巡りをよくしてバランスをとっていきましょう。
例えばレシピ
〈ほうれん草の胡麻和え〉
黒ごまと黒砂糖を使います。これらには、
血を補う働きがあります
簡単なお料理でも
自分に合っていれば、
ありがたいことに
元氣になれる
自分に合っていれば、きちんと
消化吸収もしてくれる
だから、もたれたりもしない。
みんなが食べているから、
流行っているから、
などの情報を
優先するより
今の季節を感じ、旬の食材をえらび、
自分の体質に合うものを
自分の直感で選べる人でいましょう。
食べたもので身体はできています。
「薬膳」の智慧を活かして
ますます、エネルギーに満ちた身体とこころで。
注:漢方薬については
漢方専門の医師や漢方薬剤師
漢方アドバイザーなどにご相談・
カウンセリングの上お飲みください。
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