更年期に起こりがちな不調のひとつが、五行の5本柱のうち肝が強く働きすぎ、イライラしやすい"肝熱"。肝に不調が起きやすい人や、やるべきケアについて知っておきましょう。
まずは、あなたは「肝」の不調から更年期症状が出やすいタイプかがわかる、チェックテストから。
「肝」の不調で更年期症状が出ているタイプ
「肝熱」タイプはここに注意
怒りを飲み込まず発散させて
五行のうち、肝は「血の貯蔵庫」と考えられ、活動しているときはつねに血を送り出しています。
「肝の働きが強く出すぎるのが肝熱。何事にも積極的な、いわゆるバブル世代の女性には肝熱タイプが多いですね。怒りの感情を持ちやすく、いつもイライラ。ホットフラッシュやのぼせ、ほてり、頭痛、肩コリ、不眠、花粉症などの症状が現れます」
"冷え"をケアすることが肝熱を抑える
大事なのは怒りやイライラがあることに気づくこと。
「放っておくと怒りやイライラを肝にため込んでしまいます。気分転換してストレスを発散しましょう。また、熱がこもりがちな肝熱の背景には〝冷え〞がつきもの。カッカするからと冷たいものを飲むのは逆効果。漢方茶などで体を温めて」
漢方茶で体を冷やさない
樫出さんプロデュースの漢方茶。肝熱の人に多い、目の疲れにいいクコの実入り。
[右]はっかKaon茶50g ¥1,574・[ 左]Kaon茶10個入り¥1,806/漢方カウンセリングルーム Kaon
樫出さんと漢方との出会いについても聞いてみました。
【私と漢方】
体の声に耳を傾け、更年期症状知らずで過ごせる喜び
薬剤師となった20代の初めの頃、西洋医学一辺倒だった樫出さん。
「ひどい肩コリや慢性頭痛を解熱鎮痛剤でしのぎ、クスリ漬けのような日々でした。体はよくなるどころか、ボロボロになってしまって」
そんなときに出会ったのが漢方。症状を個別に診るのでなく、体と心をトータルに診る漢方の考え方に深く納得したといいます。
「体の声を聴くことを知り、体調は良好に。今も、漢方のおかげで更年期症状知らずで過ごしています」
次回は、舌で体調を診る舌診について教えていただきます。
撮影/鈴木康久(千代田スタジオ) イラスト/内藤しなこ 構成・原文/小田ユイコ