大人女子のためのエッセイが大人気の作家・横森理香。
著書『コーネンキなんてこわくない』(集英社刊)は、
“コーネンキ”を明るく乗り越えられるヒントいっぱいの一冊だ。
今回、無類の方向音痴を自認する横森さんが
京都一人旅にチャレンジ!! 京都の宿まではたどり着き、
一人晩ごはんも楽しめた。さて、旅の目的は果たされるのか!?
世界遺産・下鴨神社、糺の森へ颯爽と向かう!
翌朝、早寝早起きの私は、もちろん暗いうちに目覚めた。
が、そんな頃から徘徊しては、道に迷っても聞く人もいないだろうから、部屋でゆっくりした。
家なら朝は、猫の世話とか掃除洗濯、朝ごはんの準備で忙しいが、暇だ。部屋にはテレビもないし、話し相手もいないから、どえらい暇だった。
ゆんべは恐ろしいほど静かで、爆睡した。
も、もしかして、宿泊者、私一人だった? えー?! リノベイトされているとはいえ、見知らぬ古民家に一人で寝てた?
考えると怖いが、ま、怖くないか。だって大人だもん。大人って、こういうことなのねw
朝ごはんは、トークショーに来てくれた読者の方からいただいた、神戸西ノ宮の美味しいバウムクーヘンを、宿備え付けのドリップコーヒーでいただいた。
「うまっ」
サプリを飲み、用便とメイクを済ませて、八時前だがいざ出陣!
橋を渡ればすぐ・・・のはずが!?
スマホで地図を確認すると、出町柳駅の向こうに歩いて行き、橋を渡ればすぐ下鴨神社と糺の森はある。
この辺は「鴨川デルタ」と呼ばれるエリア、鴨川と高野川の合流点なのだという。
ちょうど出勤時間か、駅に向かって大勢の人が急いでいた。交通量も結構・・・。こんな、普段着の京都を旅するのも、あの素敵な写真に誘われたから。
うーん、なんでも誘われたら乗る。アンチエイジングの秘訣だね✨
「あ、シラサギ~✨」
鴨川、だか高野川に、シラサギがごっちゃりいた。
街中の川に、鷺やカモがフツーにいるのを見ると、あ~、京都に来たなぁ、と感じる。
京都は周りを山に囲まれているからか、都会でも随所に自然が感じられ、水と空気がいい。水道水ですら、美味しいのだ。
「ん? ここかな?」
橋を渡ってすぐ、公園があった。そこに入ると、朝散歩のおばあさんがいたので、
「糺の森ってここですか?」
聞くと、
「糺の森は、もっとずーっと、歩いてって、あっちね」
と笑われた。
おばあさんの指し示す方へ、川沿いの高級住宅街を歩いて行くと、また別の朝散歩ばあさんがいたので、再度聞いた。紫ヘアの素敵なご婦人である。
「糺の森はこっち」
こうやって、何人かの水先案内人に導かれ、私はやっとこさ、糺の森に行きついた。噂にたがわぬ広々とした森が、そこにはあった。
大きな木々に囲まれた、土の道がずうっと向こうまで続いていた。
空気が清々しい。確かにここを歩いたら、いい「気」をたっぷり吸収できそうだ。MBTのウォーキングブーツも履いているし、土も砂利もへっちゃらさ!
入口に「河合神社」があった。
カワイイという語感からか、「日本第一美麗神」とされている。
朝、暇にあかせてネットで調べ、ここの「美人守り」を娘に買ってってやろうと思ったが、売店が開くのは九時半だ。
とりあえず、「糺の森」散歩からの、「下鴨神社」をお参りして、またここへ戻ってこよう。そう決意して、歩きはじめた。
下鴨神社からの河合神社のはずが・・・!?
参拝は念入りに、丁寧に!?
で、どうなったかというとですね、方向音痴もここまでか?! というぐらい、ぐるぐる回っちゃったんですよ。えーっと、三周ぐらい?
「あれ? ここ、さっき来たところだよね?」
狐につままれたように、同じ鳥居さんを何度もくぐる私。
「は~、何度も何度もすんません」
と謝りながら、三度お参りをば。
そうこうしているうちに宮司がやって来て、売店を開けてくれた。観光客もちらほら出て来た。よしっ。
ここぞとばかりにおみくじを引き、お焚き上げの札を書き、社殿の檜皮葺奉納をし、お守りを買って、ほっと一息。
おみくじは「中吉」だった。
娘に美人になるお守りを
「河合神社の売店も、もう開きますかね?」
若い宮司に聞くと、
「巫女がいま行きましたので、そろそろ開くかと」
よしっ!! 今度は「河合神社」の売店に。
ええ、売店ですよ。お参りはもう、何回もしてるからね。
「河合神社」で、美人になる御神水を使った石鹸とか、鏡に貼る美人守り等、娘にお土産を買い、今度は「出町ふたば」へ。
「出町ふたば」で大人気の豆餅をGET!!
十時には取りに行くと予約を入れてあるので急がねばだが、巫女に道順を聞いても、どっちに進んだらいいか、皆目見当がつかなかった。
この時点ですでに、なんの因果か12000歩越え。足は棒だ。反対方向に歩いて行っちゃったら、おなかペコペコだし、もう無理?
焦ってグーグルマップを出すと、ちゃんと「出町ふたば」を押したはずなのに、なぜか外国のどこかの道案内になってしまった。
「なんで英語?!」
そこに、タクシーが来た。私は藁にも縋る気分でタクシーに乗って、ものの数分の「出町ふたば」に赴いた。
もちろん、反対方向だった。運転手は、笑いながらUターンした。
噂にたがわぬ行列をかき分け、ありがたい豆餅をゲット。そこからは歩いて宿に帰った。
・・・迷いつつもしっかりお参りでき、美味しいものも味わえた。さて、いよいよクライマックスは!?・・・・・・・
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作家・横森理香が更年期の不調解決のため、空中ヨガ、イケメン太極拳、コルギ、観光ウォーキング、グルテンフリーなどに次々チャレンジ。読むだけで気持ちが前向きになる一冊です。
(集英社 定価 本体¥1,400+税)