尿もれのカギを握る「骨盤底筋」の役割や鍛え方などに続いて、今回から2回にわたり、「膣トラブル」についてご紹介していきます。更年期になると出てくる、腟のかゆみや痛み、尿もれなどの不快な症状。「誰かに相談したいけれど恥ずかしくて」という人も多いはず。最新の腟ケアについて、女医に聞きました!
2.腟炎、子宮脱などの原因にも?? 「腟のトラブル」
慶田朋子さん
Tomoko Keida
1999年、東京女子医科大学医学部医学科卒業。東京女子医大皮膚科助手などを経て、2011年に銀座ケイスキンクリニックを開業。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。※ヴィーナスハイフ腟タイトニング(尿もれ・腟引き締め)初回トライアル¥180,000 https://www.ks-skin.com/
超音波で腟を焼き縮める治療で
緩んだ腟を引き締める
二人目の子を38歳で出産した、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生。腟専用超音波照射機器「ヴィーナスハイフ(ウルトラベラ)」で、腟の緩みを改善した経験を持っています。
「27歳で長女を産んだときには特に問題がなかったのですが、次女のときは骨盤底筋の緩みがひどく、尿もれに悩まされました。生まれたときに3380gと大きかったのもありますが、時間もかかったため、腟へのダメージが大きかったんですね。特に出産直後は水道の蛇口が壊れたようになって、入院先のトイレでせせらぎの音が流れた瞬間、反射的に出てしまうような状態でした。お風呂に入ったあと、脱衣所でタラタラと水がもれるというのも初めてのことで、衝撃を受けました」
その後、1カ月程度で尿もれは治まったものの腟の緩みが気になり、さまざまな機器を試したという慶田先生。なかでも効果が高かったのが「ヴィーナスハイフ」だったと言います。
「直径3㎝ほどのプローブを腟に入れ、超音波のエネルギーで腟壁を焼き縮めるというものですが、施術2週間後に指を入れると、指が粘膜にギュッと締めつけられているのがよくわかるのです。クリニックに導入し、産後の尿もれに悩んでいた医師やスタッフにも試してもらいましたが、半年間、症状を気にせずに過ごせたと喜んでいました」
ただし大切なのは、マシンの引き締め効果だけに頼らず、日頃から骨盤底筋トレーニングで筋肉の衰えを防ぐこと、と慶田先生。
「そして何よりも、肌のお手入れをするのと同じように、まずは腟を鏡で見て、指を入れて、自分の体の状態を把握しておくこと。乾燥が気になる場合は、ワセリンや粘膜に優しいオイルでケアするのもいいと思います」
次回は、最新の膣ケアについて、女医の八田真理子先生にお話を伺います。
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子