尿もれや膣のトラブル、手の不調に続いてご紹介するのが、「足の不調」。外反母趾やかかとの痛みなど、40~50代の女性に特に多い足のトラブル。思い当たる症状、ありませんか? まずは、アワエイジ世代に多い足のトラブルの症状や原因についてご紹介します。
4.更年期にトラブルが出やすくなる「足の不調」
【OurAge世代に多い足の痛み】
外反母趾
症状
足の親指の先が人差し指の方に「くの字」に曲がった状態。炎症を起こして痛みを感じる場合と、痛みを感じない場合がある
原因
・急激な運動、足の歪みからくる構造欠陥からの負荷
・歩く際のプロネーション(着地から蹴り出しまでの足首の動き)の問題
・生まれつきの遺伝的要因
・関節リウマチによる関節の変形
治療法
まずは足に合った靴を履くことが基本。そしてオルソティック(医療用矯正器具)を着用し、歩く際のプロネーションを矯正する。予防策として、日常的に足首の可動域を広げるストレッチをするのも有効
足底腱膜炎
症状
長時間の立ち仕事やランニングなどで、かかとの内側前方に痛みが出る。更年期の女性に多く、朝起きて最初の1歩目が痛む
原因
・加齢でかかとにある脂肪のクッションの弾力がなくなり、薄くなったため
・起床時など、休んでいた状態から立ち上がり足裏に体重がかかると、腱膜が伸びて痛みが出る。長時間座ったあと、立ち上がって歩いたときも同様
治療法
痛み止めの注射を打っても、数カ月で元に戻るケースが多い。足裏のアーチを持ち上げただけでは治らないので、痛みや炎症が強い場合は、オルソティックで治療する。ストレッチで足首の可動域を広げるのも有効
モートン神経腫
症状
しびれや痛み、異物感や灼熱感などの神経症状が、おもに3番目と4番目の足指の間に発症しやすく、他の指の間にも起こり得る
原因
・窮屈な靴を履いている(統計的に45~50歳前後の女性が、靴が原因で発症するケースが圧倒的に多い)
・足裏のアーチが加齢とともに落ちたことで、靴を履いたときに左右からの締めつけが起こり、発症するケースも
治療法
靴が原因なら、まずその靴を履くのをやめる。症状が軽度の場合、マッサージや指を曲げ伸ばしする程度のケアで改善する。ほかに、3番目と4番目の指のスペースを専用のパッドで持ち上げて、足裏の摩擦を防ぐなどの対応も
巻き爪
症状
皮膚が爪を支えることができず、両側の皮膚が盛り上がって爪のふちが食い込んた状態。悪化すると、炎症を起こすこともある
原因
・間違った爪の切り方(短く切りすぎて肉が盛り上がり、爪が伸びてきたときに巻いてしまう。または両端に角が残り、伸びてきたときに巻いてしまう)
・先の細い靴、合わない靴の着用
・足の多汗も爪が巻きやすくなる一因
治療法
軽度の場合は、爪の下にコットンなどを挟んでカバーすることで対応できるが、症状が悪化している場合はポダイアトリーへ。専用の器具で巻いた部分をカットしてもらえる。ほかにワイヤーやプレートで矯正する方法もある
次回は、足のおもな筋肉や足のタイプについて解説します。
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/上田恵子