40代後半に始まった私の更年期の最悪の時期は5年くらい続いたでしょうか。
今でもたまにホットフラッシュはあるし、心配事があったりストレスが強かったりすると眠れなくなるため、お守り代わりに睡眠導入剤は枕元に置いています。
でも「対処できる」、という程度に軽快し、いわゆるソフトランディングできたのではないかな〜 と感じています(ランディングした先が老年期、というふうには思いたくないけど)。
その原動力は意外なきっかけで目覚めた恋心。韓流スター、イ・ジュンギに夢中になり心もからだもピンシャンして、
あ〜生きてるのって楽しいな〜
という感覚を取り戻したのでした(詳しくは『みんなの更年期 第2回』をご覧ください)。
<私もキレイになりたいな>
“頭の中はイ・ジュンギでいっぱい”の日々・・・仕事が忙しく徹夜になるときも、
「ジュンギさんもハードな韓国ドラマ業界の過酷な撮影スケジュールのもと頑張ってるんだし。
ワタシも頑張る!」
などと、知らない人にはよくわからない理屈で自分を励ましたりしていました。
よく、恋すると食べ物が喉を通らなくなる、といいますが、日がな一日、心は彼方に・・
ぼーっとしてるので食欲が湧かず、すぐ5キロくらい痩せました。
そのうえ、動画を見まくっているなかで、ジュンギ流ダイエットの方法というのをご本人が語っているのを発見!
「サンチュにお肉(何の肉でもよし)とお豆腐とニンニクとテンジャン(味噌)を乗せて、巻いて、食べるんです(記憶力が衰えているため多少違うかもしれません)」、なんていうのを聞いたとたん、「わっ、なんてヘルシーなダイエットなの」とさっそく真似っこ。
元来、怠け者なので、いまだかつてダイエットを試みてもまともに続いたことがない私が、
なんと半年で8キロくらい痩せたのでした。
これぞ運命(ウンミョン)!
それに、羨ましい〜と心から思ったのが、ジュンギさんの綺麗なお肌。男なのに、なんで? どちらかというと私は「女は女らしく、男は男らしく」との性別役割分業的な考え方の否定派だったのだけど、今度ばかりは、正直、
「ワタシ女なのに、これでいいのか」
と、鏡で自分の顔をじーっと見つめました。
もともと肌や髪は丈夫で、20〜30代の頃は何もしなくても、何つけても平気、という思い込みがあって、あまり美容に興味もなかった私ですが、人生で初めて「私もキレイになりたいな」と思ったのでした。
<出会いのネイルで気分超アップ>
そんな折も折、家から2〜3分のショッピングセンターで、開店してまもない小さなエステサロンに出会いました。歯医者に行こうと思って歩いていたら、その5メートル手前に出ていた「ネイル&ビューティ」の看板に惹かれてふらりと寄り道。(以来、歯医者には辿り着かないまま、数年が過ぎています)
そこにいたのがサロンの主、ミユキさん(45歳)でした。それまで「私は指は短いし爪は小さいからネイルは似合わない」と思っていて、ネイル体験がなかったのですが、(韓国旅行も控えていることだし)やってみた〜いと思いたち、さっそくダウンジャケットの色に合わせて、ジェルネイルの紫色のラメグラデーションをお願いしました。
1時間後、なんかとっても手元が華やか〜、気持ちも晴れやか〜 になり。正直、ネイルひとつでこんなに気分がアップするとは思いませんでしたね。それから病みつき。仕事の関係で制約もあるのですが、休みになると真っ先にネイル行こう、となるのです。
<自分にやさしく>
前回、「恋するホルモンで綺麗に」、等々と書いたら、キム・ナムギルファンのシズカさんから、
「ホルモンだけじゃなく、綺麗になりたい、という意識が大事ですよね」
というコメントをいただきました。
ホントそうですね。私も、そういう気持ちになって、近所のエステサロンに行き始めたのでした。
元来、美容にあまりお金をかける習慣がなかったのですが、お店の機器を使ってのセルフエステなら1500円くらい、フェイシャルやボディマッサージをしてもらっても3000~5000円くらい、というリーズナブルさが私向き。
それに、お店に行けば、ミユキさんや、最初はお客で来ていてその後勉強してスタッフになったアラフォー世代(たぶん)の女の人たちがとてもキレイで、私もああなりたいな〜、とやる気を起こさせる、ホッとする空間でした。
ゴワゴワ硬かった肌が、「だんだん柔らかく、白くなってきましたよ〜」と言われると、たしかにそんな気がして、家でもマッサージなどでマメにケアするように。この自分にやさしく、大事にする感じに自ら癒されるのでした。
<少年ぽい体型になりたい>
ところで、すでに約8キロ体重は減ったけれど、痩せた分シワシワになったお腹と、背中や腰などにブヨブヨしているお肉はそのままでした。
その悩みをミユキさんに相談すると、ダイエットと体型を整えるのを同時に行う方法があることを教えてもらいました。
指導を受けながら、ダイエットベースやサプリなども含めて、肉、魚、野菜、穀類の食事をバランス良く、とくにタンパク質を自分の必要量しっかり摂って1日約1200キロカロリーとし(外食などでオーバーしても、前後3日くらいの合計で調整すればよし)、食事(食品&カロリー計算)、体重、体脂肪などの変化を日々記録する。
同時に専用下着で体型を整え、毎日スリミングジェルでお腹や腰、腕、脚などを自分でマッサージする等というもの。
週1回サロンに通って体重、体脂肪、体の各部位のサイズをチェックしてもらい、全体のアドバイスを受ける、というのを3ヶ月続けるのです。
コースで◯十万かかるので、初めは躊躇しましたが、ローンもきくし、体重だけじゃなく体型も改善されるし、内蔵脂肪も減らして健康になれるかなと、思いきってやってみることにしました。
体重が減って膝の状態が良くなり、整形外科通いはなくなったものの、コレステロールや中性脂肪値は高かったのでそろそろ循環器系の病気の心配もあり。美容と健康のためにお金を使っても良い年齢だよね、と思ったのでした。
記録ノートの冒頭に、このダイエットのコースをスタートするきっかけを書く欄があるのですが、
「少年ぽい体型をめざしたい。お肌もきれいに!」
と書かれているのが今みると我ながら可笑しい。私の「キレイになりたい」のきっかけはイ・ジュンギさんへの恋心でしたが、これって「あの人のようになりたい」という同一化*の心理に近かったのかも。
子ども時代の私は男の子になりたかったのだけれど、その延長線上のような心理(あんな少年になりたかった)が心の深層に隠れていたのかもしれませんね。
結果は・・・もちろん「少年のように」スリムにというのはとうてい無理でしたが、30代後半当時くらいの体型には近づけたかな〜。
体重は4キロ(前と合わせてトータル12キロ減)、体脂肪は5、ウエストとヒップそれぞれ6センチ減
となったのでした。
次回に続く・・・
注
*同一化:精神分析でいう防衛(適応)機制の一つで、理想の対象の態度や行動を自分のなかに取り入れて振る舞うことで心理的安定を得ること。