★約1年半にわたり連載してきた横森理香の更年期チャレンジ!「 コーネンキなんてこわくない」がついに書籍で発売されました!!
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ただいま連載第1回、2回、3回、4回をOurAgeでお読みいただけます。
52歳になり、子宮筋腫をもつ作家・横森理香についに更年期症状が!?
何をしたら、スッキリ爽やかでハッピーな毎日が過ごせるのか。
いろいろなチャレンジをしていく更年期克服ルポエッセイ。第二回
②麻布十番まなみウィメンズクリニックで検査!
年齢不詳の編集者Tが私と同じ年と知り、開いた口が塞がらなくなった私は、もう彼女に「ついていきます!」という気分で、麻布十番の婦人科を訪ねた。商店街にあるちっちゃなクリニックで、同世代の女性の先生が、私たちに寄り添った検査、診断、処方をしてくれるという。
まなみ先生は、白衣を着ていなかったら医師には見えないような、小柄で可愛らしい女性だった。さっぱりとした性格で、たんたんと仕事をこなす風。この先生なら信頼できそうだし、年齢も近いから末永くお付き合いできそう。私は我が人生の助け舟に、今までの経緯をお話した。
「とにかく凄い生理だったんです。大量出血が一週間以上続き、その後もだらだらと四十日も。女性ホルモン様のサプリを摂ると、閉経状態でもまた生理が来ちゃったりするんですか?」
「自然派のものでも、そういうことあります。ピルがイヤという方は自然派サプリを使うんですけどね」
以前、更年期障害の治療にピルを処方された知人が、やはり四十日も生理が止まらなくなったという話を思い出した。やはり、自然派といえど同じなのだ。
「更年期症状には普通ホルモン剤を使うんですが、子宮筋腫などがある方には使えないんですね」
「筋腫が大きくなっちゃうからですね」
「ええ。閉経後で筋腫が小さくなったらまた使えるんですけど。今の時点では、プラセンタや漢方はどうかと」
「プラセンタ……」
それは、私の親友も打ちに行っているアレ。お一人様だから、疲れたなんて言っちゃいらんないと、銀座のクリニックまで打ちに行っているのだ。
「更年期障害という診断が出ると、1アンプルは保健が効くので500円で打てます。この場合、週に2回ぐらい継続して打っていかないと効果は期待できないですね」
自費だと2本で2550円。最大6本までまとめ打ちする人もいるという。
「ひえ~、ツワモノですね」
「でも実際、更年期症状が楽になった、元気が出た、という人が多いんです。私も医者という職業柄、以前から打っていますが、そのおかげか更年期症状は出てないです。サプリだとブタ由来のものが一般的ですが、注射はヒト由来胎盤製剤なんですね。ですから注射すると、もう輸血と臓器提供はできなくなります。使用前に誓約書にサインをいただいています」
輸血を受けた人と同じ条件になってしまうのだ。しかし私は元々、血も臓器も提供するつもりはないから、OKだった。
「じゃあせっかくなんで、2本、お願いします」
「あ、じゃ私もついでに」
「私も・・・」
編集者T、ライターYが間髪入れずに申し出た。なんだかわいわい、女子会的に盛り上がった。「MyAge」の取材だったからカメラマンもいたが、一人だけ若いので彼女は乗らなかった。
「ではまず血液検査をします。女性ホルモン値を見てみて、漢方を処方しますね」
「漢方ですが、前に命の母Aを2カ月ぐらい飲んでみたけど、私は効果が感じられなくてやめたんです」
「命の母Aはどちらかというと冷え性で元気が出ない方に効くようにできているんです。横森さんのように元気でのぼせる人には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)が効くと思います」
なるほどー! 先輩諸氏で、命の母Aが思いのほか効いた、という人は、思い起こすと痩せ型で、冷え性っぽい人だったような気がする。そのうちの一人など、肩こりと頭痛がひどく家にこもり気味だったのに、命の母Aですっかり元気になったと、晴れ晴れとした語った。
「じゃ、お願いします」
私は腕を差し出し、採血してもらった。私は血管が細く、取りづらいが、まなみ先生は小器用にサクッと血管確保した。結果は来週出るという。
「プラセンタも打ちますか?」
「はい、お願いします!」
「私はお尻でお願いします!」
「私もお尻で」
編集者Tと、ライターYが声をそろえて言う。
「え? 普通、お尻なんですか?」
「いや、プラセンタを打った後って、ちょっと腕が重くなるのよ。これからまだ仕事ってときは、お尻のほうがいいの」
「私も帰ってから原稿書かなきゃなんないし」
と二人。
「ふーん、でも、私は腕でいいや」
早寝早起きでもう10年以上、夕方以降は仕事しないことにしているし、お尻出すのもメンドクサイ。編集者Tは、
「じゃお願いしまーす?」
と、慣れた調子で可愛いワンピースのケツをまくった。足なげー! ヒール高っ。そして黒いニーハイまで履いている。なんなんだ、この”現役感”は?!
その様子を見るにつけ、やっぱり、カリスマ女医70数人を束ねている女は違う……と圧倒された。私だって、私だって、毎週プラセンタ2本打ったら、こんな風になれるかもしれない。大きな筋腫持ちだからホルモン補充療法は無理としても、プラセンタぐらいなら……。
「いててっ、結構、痛いっすね」
二の腕にしたお注射は、痛かった。そしてぼて~っと、言われていた通り、腕が重くなった。
「皮下注射なので、重くなるんです。半日ぐらいで吸収されますから、揉まないでください」
「『エクエル』もおススメですか?」
先生の部屋に置いてあったサプリが目に入った。
「ああ、これはね、体内でエクオールが産生されない人は摂ったほうがいいサプリなんです」
「あ~、聞いたことある! たくさん大豆製品食べても、腸がエクオールを作れないと、更年期症状には効かないんですよね?」
「そうそう、あ、エクオールをつくれるかどうかわかるキット『ソイチェック』もあるから、やってみますか?」
先生はそう言い、簡単な尿検査を郵送でできるキットをくれた。まなみ先生、頼もしいぞよっ。
私は早速、翌朝一番の中間尿(一番茶風)を採取し、郵送した。さてさて、結果はいかに?
・・・・・・第3回に続く・・・・・