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更年期で「太りやすく痩せにくくなった」「お腹だけぽっこり出る」その原因と対策は?/更年期の悩みQ&A

更年期に起こりがちな症状の数は数十種類にも上るといわれます。なかでも多くの人が感じているのが太りやすい、という悩み。原因と対策を産婦人科医の吉形玲美先生に教えていただきました。

Q. 太りやすいだけでなく痩せにくくなってきました。更年期と関係がありますか?

A. 女性ホルモンの減少による「更年期太り」です。今までと同じでは太る一方。ギアチェンジを!

 

「更年期太りという言葉がありますが、まさにそのとおりです。更年期には、それまで数々の働きをしていた女性ホルモン『エストロゲン』が激減することで、さまざまな支障が起きます。エネルギー代謝も糖代謝も脂質代謝も低下するのはそのひとつ。年齢とともに筋肉量が減り、基礎代謝量が下がっていくのに、輪をかけて脂肪が蓄積されやすくなるというわけです。それまでと同じ生活をしていたら太りやすく痩せにくいのは当たり前。

 

また、エストロゲンが減ることで、食欲抑制ホルモンである『レプチン』の分泌も減ってしまうことがわかっています。徐々に食欲コントロールができなくなってきたと感じる人は、そのせいだと知っておいてください。何より、ホルモンが減少していくにつれ、体内でいろいろなことが起きることを理解して、生活をギアチェンジしていきましょう」(吉形玲美先生)

 

Q. 決して太っていないのにお腹だけぽっこり出てしまうのはなぜ?

A. 女性は更年期になると内臓脂肪が増えてきます。腹筋が少ないとなおさらお腹が突き出ることに

 

「エストロゲンは、内臓脂肪(皮下脂肪と違い、臓器につく脂肪)の蓄積を防ぐことがわかっています。更年期にエストロゲンが減少すれば、内臓脂肪が増えて下腹が出てしまうのは当然。

若いときにつきやすい皮下脂肪・更年期に増える内臓脂肪

エストロゲンの減少は内臓脂肪を増やします。表面に近い場所につく皮下脂肪と違い、腸管のまわりにつくため、お腹がぽっこり出てしまうのです

 

また、女性は40代、50代から急に筋肉が減少します。

 

◆女性の加齢に伴う筋肉量の推移

女性の加齢に伴う筋肉量の推移

出典:日本老年医学会「日本人筋肉量の加齢による特徴」

 

女性は50歳頃を境に急に筋肉量が減り始めます。これを放っておくことは美容面だけでなく、健康面でも大きな問題に。サルコペニア(加齢によって筋肉が減り、体の機能が低下すること)予防のためにも筋肉の大切さを知っておいて

 

増やす努力を何もしなければ、基礎代謝量が減って脂肪をさらにため込むことになります。そのうちさらに腹筋は弱くなり、お腹を押さえ込めずに突き出てしまう…という悪循環に。若いときから痩せていた人の多くは筋肉があまりついていないため、お腹だけぽっこり際立つと考えられます。筋肉は基礎代謝量を上げるためだけでなく、ぽっこりお腹防止のためにも重要です」

 

 

 

 

イラスト/内藤しなこ グラフ/小柳東子 構成・原文/蓮見則子

 

 

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