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婦人科医・吉形玲美さん(50)の更年期ストーリー/自身の閉経年齢を予測し、更年期症状を予防中

更年期医療や閉経マネジメントの専門家として「自分の体の変化を記録したい」と、基礎体温と月経周期、FSH(卵胞刺激ホルモン)の数値測定(卵巣機能の予備能をチェックするAMH値も年1回測定)などを定期的に計測する吉形玲美医師。閉経年齢も予測しています。

吉形玲美
吉形玲美さん
産婦人科医、医学博士
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浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社)

 

閉経年齢を予測。現在、更年期障害予防の真っ最中

お金をかけずともできる対策はたくさんあります

私は現在50歳。個人的には更年期かどうか、微妙な時期にあります。ですが、閉経が近づくと値が上昇する卵胞刺激ホルモン(FSH)が、昨年初めて高くなりました(平常値は3〜8。それが2桁台に。血液検査でわかるFSHを私は年2回測っています)。通常、卵巣機能がしっかりしていると数値が上がることはないため、「いよいよ更年期?」と思いましたが、今年の検査では平常値に戻り、月経も順調、基礎体温にも排卵周期がある状態。ここから、FSH(卵胞刺激ホルモン)の数値が高く、月経不順になるなど周期の変調が増えてくると、「数年以内に閉経だな」という予測を立てることができます。

 

基礎体温の重要な目安は、「排卵周期がある」「月経が順調にある」ということ。月経の日を記録するだけでは、「排卵していない(=卵巣機能が低下している)」ということが判断できないんですね。私は更年期医療や閉経マネジメントの専門家として、「自分の体の変化を記録したい」という思いから、基礎体温の情報と月経周期、FSH(卵胞刺激ホルモン)の数値測定(卵巣機能の予備能をチェックするAMH値も年1回測定)などを定期的に追っています。それらのデータから、私の場合は、おそらく55歳くらいで閉経と予測しています。

 

月経不順が激しかったことから、大学4年生から基礎体温をつけています。卒業後、産婦人科医となり、週3日の手術や当直がありましたが、突然の月経でお尻に坐薬を入れなければ、月経痛がひどくて仕事ができないことも。すべては、「自己管理をしないと仕事ができない!」という、必要に迫られてのことでした。

 

更年期障害予防につながる生活の工夫をしましょう

数値を測ること以外で行っている更年期障害の予防は、次の3つ。

 

エクオールのサプリメントを飲む。自分が監修した「エクオールN/ラクトビオン酸」を43歳から飲み続けています。
運動習慣をつけて、筋肉を落とさないこと。日常では「よく歩く」。多忙を極めていた40代前半はタクシーばかり使っていたのですが、帰宅時だけ1駅歩く、スーパーは遠いほうに行く、エスカレーターではなく階段を使うなど。そして週1〜2回、趣味の社交ダンスを続けています。
肉より魚を多く食べる。若い頃はジャンクフードもたくさん食べていましたが、今は揚げ物は控え、食事は魚料理中心に。刺身やカルパッチョ、ホイル焼きなどは、簡単でおすすめです。

 

今、目立った更年期症状はありませんが、患者さんと接する中で思うのは、更年期は「自分のライフスタイルを見直すとてもいい時期」ということ。エストロゲンは減りゆくけれども、それを生かすか、生かさぬかは自分次第。更年期症状というサインが出ても生活を見直さず、それまで通りでいたら、老化のスピードは加速するばかり。男性とは違い、女性は体の変化の目安があるのですから、知識があれば手段を取ることはできるのです。

 

高価な酵素やサプリ、健康食品に走る前に、お金をかけずともできる予防はたくさんあります。そういう意味でも更年期を前向きにとらえて、自分でできることをまず、ライフスタイルに取り入れていただきたいですね。

 

MY更年期STORY

40歳で月経痛対策で飲んでいたピルを卒業(つらい日が減ったため)。43歳から自身が監修するエクオールを飲み始め、継続中。49歳のときの血液検査でFSH(卵胞刺激ホルモン)の値が2桁台になったことから、閉経を55歳と予測し、運動や食事改善、基礎体温をつけるなど更年期障害予防対策中。50歳の今、目立った更年期の症状はなし。

 

 

構成・原文/井尾淳子

 

 

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