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【更年期、槇村さとるさんの場合】不調が押し寄せる「更年期の本編」は、閉経後にやってきた(インタビュー前編)

その年齢も、期間の長さも、症状の有無も。驚くほど個人差のある更年期。閉経する年齢も大きく異なります。大活躍しているあの人は、どんな更年期を体験しているのでしょう? それぞれの貴重なエピソードを、自身の言葉でお届けします。

1970年代からさまざまな女性の生き方を描き続け、デビュー50周年を迎えた槇村さとるさん。若い頃から、槇村さんの漫画に勇気づけられきた人も多いはずです。現在67歳。50歳前後に訪れることが多い更年期をどう乗り越えたのでしょうか? 実は、あの素敵な世界観を紡ぎ出しながら、体調不良に苦しんだ時期もあったのです。

 

槇村さとるさん(67歳・漫画家)

更年期、私の場合。槇村さとる 前編

■40代:更年期の始まりを感じる

■50歳:街中で突然倒れる

■51歳:閉経

■54歳:胆のう結石のため胆のう摘出手術

■55歳:ここからが「更年期の本編」スタート。体力の衰えを感じる。

十二指腸潰瘍、貧血と病気が続き、体重が10kg減少。うつ状態に

■58歳:HRT(ホルモン補充療法)開始。

甲状腺の病気「橋本病」もわかって同時に治療開始。体調が上向きに

■60歳:社交ダンスを始める

■67歳(現在):週に6日はダンスやバレエを行うほど元気に

 

「もしかしたら更年期?」と感じ始めたのは40

 

連載が途切れない売れっ子漫画家という職業柄、無理をするのが普通だった20代、30代。頑丈に生まれたから、多少無謀なことをしても大丈夫と思っていた槇村さんが、めまいを経験したり、膝が痛くなったりしたのは40代でした。

 

「知識だけはあったので、“これは更年期の始まりかもしれない”と思いました。仕事に支障があってはいけないからと、体のメンテナンスに時間を割くようになったのもその頃。

冷え症を改善するために運動したり、食生活を見直してみたり。その甲斐あってか、40代後半はいい感じで過ごすことができていたと思います」

 

ただならぬ異変を感じたのは50歳のとき。街の中で突然、全身の力がガクッと抜けたように崩れ落ちたのです。その日は、ちょうどその後に取材が入っていて、撮ってもらった写真を見ると…。

 

「元気のないシワっぽいおばあちゃんがいるじゃないですか。なんだかちっちゃくて、『へー、これは誰?』みたいな。それまでいい感じで過ごせていると思っていたので、突然そんなことが起きたことが不思議で、われながらすごく印象的だったんですよね。それからほどなく、51歳頃に閉経しました」

そして、強烈な腹痛に襲われたのが54歳のとき。

 

「痛みに耐えかねて調べてもらうと、胆のうに大きな結石、胆石が見つかり、胆のうごと手術で摘出しました」

更年期、私の場合。槇村さとる 後編

 

十二指腸潰瘍に橋本病。メンタルまでダウン

その後、槇村さんが「更年期の本編」と表現する時期がやってきます。55歳でした。

 

「謎でしたよね。胆のうも取ったのに胃腸がおかしくなって、消化機能が明らかに落ちている感じだった。検査してみたら十二指腸潰瘍とわかったんです。

漫画の締め切りは相変わらずやってくるので、とにかく仕事を優先して、早めに早めに進めていました。それでも3、4時間頑張ってデスクに向かっていると、もうお腹が痛くなってしまうんですよ、十二指腸潰瘍で」

 

食べても消化できない、食べられないという状態が続いて、なんと体重が10kg近く減ってしまったのだそう。

 

「体力の衰えもひどくて…。後でわかることですが、橋本病だったんです。橋本病は甲状腺機能が低下して元気がなくなる病気。いろいろな不調は当たり前だったんですね。今思えば、女性ホルモンも甲状腺ホルモンも出ていない状態だったので、体が機能していなかったんだとわかります。

さらには異常な冷えや原因不明のひどい貧血も。あまりにもいろんなことが起きて、そうか、これが更年期の本編か、と気づいたんです」

体の不調は3年ほどで落ち着きましたが、今度はメンタルがやられてしまいます。58歳の頃です。

 

なかなか起きられない、仕事への意欲や集中力がない、夫に当たってしまうなど、つらくてやりきれない。それでも連載は待ってくれない。いつ仕事に穴をあけるかと考えただけで不安になり、ほとんどうつ状態だったとか。

 

「その頃、雑誌を読んでいたら更年期の記事で“女性ホルモンゼロ”という言葉を見かけて。これは私だ、とピンときました。はうようにクリニックへ行き血液検査をしてもらったら、みごとに『女性ホルモンはほぼゼロです』と。もう笑っちゃいましたね。

それと同時に、ひどい鉄欠乏や橋本病も見つかりました。うつ状態になるには十分すぎる原因が体にあったわけです」

 

そこから、槇村さんの巻き返しが始まります! 社交ダンス、バレエと週6日踊るほど元気になった過程は、インタビュー後編で。

 

●HAPPYに過ごす秘訣●

槇村さとる 社交ダンス

60歳から始めた社交ダンス。週に2回はレッスンへ行くそう。「この写真で一緒に踊っていただいている宮嶋秀行先生のレッスンに通っています」撮影/STUDIO HIMAWARI

 

 

槇村さとる

Satoru Makimura

1956年生まれ。漫画家。’73年、別冊マーガレット(集英社)にて漫画家デビュー。1978年にフィギュアスケートを題材にした『愛のアランフェス』、’80年代には『ダンシング・ゼネレーション』『白のファルーカ』などの連載がブレイク。2023年に最終回を迎えた『モーメント 永遠の一瞬』も再びフィギュアスケートを題材にして話題に。TVドラマ化された『イマジン』『おいしい関係』『Real Clothes』なども代表作。画業50周年を迎え、東京・弥生美術館で開催した「デビュー50周年記念 槇村さとる展」も好評のうちに終了。『THE 槇村さとる -デビュー50周年記念画集-』が発売中。

槇村さとる 書影

『THE 槇村さとる -デビュー50周年記念画集-』3,960円/集英社

 

撮影/富田一也 取材・文/蓮見則子

 

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