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【更年期】睡眠障害、ホットフラッシュにうつ症状…。子宮と卵巣の摘出後にあらゆる不調が発現 <真琴さん(51歳・IT関連)の場合。>

次々と更年期の不調に襲われた真琴さん。がんサバイバーのためHRT(ホルモン補充療法)は選ばず、漢方とエクオールのサプリで対処しました。100人いれば100通りといわれる更年期の不調。OurAge読者の皆さんの更年期体験を聞いてみました。

真琴さん(仮名) 51歳・IT関連の場合。

 

【HISTORY】

■41歳:子宮内膜ポリープを手術で切除

■46歳:婦人科系のがんが判明し、子宮と卵巣を全摘出。さまざまな更年期症状が現れる

■47歳:更年期障害の診断を受け、仕事を休職

■49歳:微小血管狭心症を発症

■50歳:舌痛症を発症

 

卵巣を摘出して以降、更年期の不調が次々と襲ってきた

睡眠障害の女性のイラスト

46歳のときに婦人科系のがんが見つかり、子宮と卵巣を摘出した真琴さん。手術によって閉経状態になったとたん、次々に不調が現れ始めたといいます。

 

「睡眠障害、ホットフラッシュ、足の冷え、めまい、うつ症状、集中力低下、胃の不調、喉に何かが詰まったような感覚、倦怠感…さまざまな症状が半年ぐらいのスパンで入れ替わりながら起きました。例えばホットフラッシュが治まってきたと思ったら、今度は足先の冷えがひどくなって。特に冷えは春夏でも分厚いタイツと足元用のホットカーペットがないと耐えられないほど。足元が冷えるのが怖くて、しばらくの間スカートをはけなくなってしまいました。睡眠障害に関しては、がんになったことのショックや、コロナ禍で仕事の状況が激変してストレスが増えたことも関係していると思います」

 

コロナ禍の影響もあり休職。そして、さらなる不調が…

 

日常生活に支障が出るほどだった真琴さんの不調は「更年期障害」と診断され、メンタルクリニックの医師からは休職をすすめられました。

 

「心と体の不調がダブルで襲ってきて、初めて経験することばかり。心身ともに疲れて8kgほど痩せてしまいました。特にメンタルの変化は自分でもショックでしたね。もともと買い物や料理が好きだったのに、仕事帰りに寄ったスーパーで売り場の場所が思い出せなくなったり、何を買いにきたのかわからなくなったりして途方に暮れたこともありました。台所に立っているのに何もできなかったときは涙が止まらなくて。友達や親からのLINEも前向きに受け止められず、落ち込んでばかりいました。今だから笑って話せるけれど、もし今、同じ症状に悩んでいる人がいたら抱きしめてあげたいです」

 

がんの再発リスクを考えるとHRT(ホルモン補充療法)は選択できず、漢方薬とエクオールを服用。次第に睡眠障害以外の症状はほとんどなくなっていたのですが…。

 

「3年くらい前に突然胸が痛くなって救急を受診したら即入院。細かい血管が痙攣したり詰まってしまう微小血管狭心症と診断されました。原因などは解明されていないそうですが、更年期世代の女性に多いそうです。

さらにその後、新型コロナウイルス感染症を発症して、舌がずっとヒリヒリしていたのを後遺症かと思って放っておいたら、痛みが悪化したうえに、舌表面もやすりのようにざらざらになってしまって。いくつかの病院を回った結果、舌痛症(ぜっつうしょう)と診断されました。これも更年期世代の女性に多いらしいので、どちらも更年期症状の一種なのかなと考えています」

 

いくつもの不調を経験してきた真琴さんですが、しばらく遠のいていた趣味のお菓子作りやミシンを使った小物作りも少しずつ「やりたい」と思えるようになってきたのだそう。

体調の記録を見返すことで、前を向けるようにお菓子作りをする女性のイラスト

「ここ1〜2年で、ようやく昔の自分に近くなってきたぞと思えるようになりました。私は完璧主義な性格で、100点どころか120点を目指してしまうタイプだからこそ、今までと同じことができない自分に落ち込んでいましたが、今は100%を目指さないようにしたり、白黒はっきりしないグレーな状態もOKと思うようにしたりしています。誰かのミスや曖昧な態度にも厳しい目を向けるのではなく、『この人にも事情があるのかな』と考えたり。そうやって考え方の癖を変えることで、ストレスをためないようにしています」

 

そしてもうひとつ、真琴さんを支えてくれたのが日記の存在でした。

 

「本当につらい思いや体験をしてきたので、その日の症状や出来事、できたことや体調の点数、気づいたことなどを日記としてエクセルに記録しているんです。数年前の日記を見返すと、今はもう治っている症状があったりして、『私はこのときよりも楽になっているんだ』『こういうことができるようになったんだ』って変化を実感できるんですよね。それもメンタルケアになっているのかもしれません」

 

 

イラスト/白ふくろう舎 取材・文/国分美由紀

 

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