更年期以降、女の困りごとは「髪」
更年期を迎えると、髪に大きな変化が訪れます。抜け毛、細毛、白髪、コシがなくなる、パサつき、うねりやかゆみ…。私自身も、浴室の床に散らばる抜け毛に驚いた経験があります。
女性ホルモンのひとつ、エストロゲンは髪の成長と深く関わっています。エストロゲンが減少すると髪の成長期が短くなり、毛は細く、抜けやすくなります。
髪の「畑」である頭皮も乾燥しやすく、敏感になってきます。自律神経の揺らぎも重なって、塗るもの、触れるものに過敏に反応する時期。だからこそ、この時期は「何を使うか」を特に大切にしたいのです。
髪を守る基本は「レス・イズ・モア」
髪や頭皮を守るためには、毛穴を詰まらせるような被膜成分を多く使った製品は避けること。頭皮を傷めず、できるだけ自然なバランスを保つことが大切です。余計なものを入れず、シンプルな処方がお勧めです。
【覚えてほしい!】オイルケアの基本
オイルは髪と頭皮を守りながら、美容成分を効率的に浸透させることができます。私が日々実践しているのは、この3つ。

手のひらにオイルを適量とり、髪と頭皮に馴染ませます。
1. シャンプー前:髪と頭皮に刷り込みます。頭皮に植物成分を届けます。髪を洗い過ぎから守ります。(洗髪の30分以上前に。)
2. ドライヤー前:熱から守るために少量を髪になじませます。べったりしないよう、少しずつ足して調整を。
3. ドライヤー後・お出かけ前:仕上げにオイルをつけ、髪に艶を出し、紫外線や乾燥などの外気から守ります。
【忘れずに!】トニックケアの基本
ヘアトニックは水溶性でさらっとした液体。頭皮にふりかけ、馴染ませ、美容成分を浸透させます。つけ心地が良く、長く気持ちよく使えるものを選びましょう。

トニックを頭皮に振りかけます
1. ドライヤー前に頭皮へシャパシャパと振りかける
2. 寝癖直しや軽いスタイリングにも使える
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髪には「ローズマリー」―研究データも出ました

近年の研究で、ローズマリー精油が発毛促進に効果を示し、ミノキシジル2%と同等の結果が報告されています。血流促進や抗酸化作用があり、髪と頭皮にとって心強い植物です。
私は長年、ヴェレダのローズマリーヘアオイルとヘアトニックを愛用しています。
創設当初から90年以上処方が変わらず、世界中で愛されてきた製品です。近年、このようなデータが示されることで、なぜロングセラーであり続けているのか、その理由が改めてよくわかります。

「オイルもトニックも、主役はローズマリー。トニックにはイソフラボンを含むレッドクローバー(アカツメクサ)のエキスも。更年期世代を意識したのかな?と思うと、ちょっと嬉しくなります。」
シャンプーとコンディショナーはシンプルに
シャンプーは、髪と頭皮を乾燥させないこと。私はアミノ酸系やベタイン系のやさしい洗浄成分を選んでいます。強すぎる洗浄力は頭皮を荒らし、乾燥やかゆみの原因になるからです。
写真は、私が好きで使っているシャンプーです。
髪も体調も変化しやすい私達にお勧めです。

左から、ネオナチュラル、キャロルプリースト、KOTOSHINA、ナチュラルコスモ。
私が頼りにしているコンディショナー
コンディショナーは、髪をツルツルに整えながらも、頭皮の毛穴を塞がないこと、荒らさないこと。被膜力の弱い、ナチュラル系の製品を使うときは、少し長めに置くと仕上がりが落ち着きます。

左は、ラ・カスタのエイジングケア、「アロマリヴァイタ」シリーズのトリートメント。天然のローズの精油を使っています。髪をなめらかにしてくれます。右のユメドリーミンのコンディショナーはナチュラル系でありながら、髪がしっとり落ち着く仕上がりに驚かされます。
髪を育むには栄養も大切
女性はミネラル不足になりがちで、それが髪に如実に現れます。鉄や亜鉛は不足しやすく、多くの人が足りていません。
東洋医学的には、黒豆や黒ごま、海藻、ナッツ類で腎を補い、赤身肉やほうれん草、鶏レバーなどで血を補うこともおすすめです。
サプリメントも活用しよう
更年期は特殊な時期。食事の補完にサプリメントを使うのはとても賢いこと。
• ビタミンB群(ビオチンを含む)
代謝を助け、髪や頭皮の健康維持に関わります。とくにビオチンは「美髪のビタミン」とも呼ばれ、サプリメントではB群の一員として含まれています。
• ミネラル(亜鉛・鉄など)
髪の材料であるたんぱく質の合成や毛根の働きを助けます。亜鉛は抜け毛予防、鉄は貧血による薄毛を防ぐのに重要です。
•サプリメント初心者へのアドバイス
個別にあれこれ揃えるよりも、まずは
「マルチビタミンミネラル」または「マルチミネラル」といった総合的な製品を選ぶのがおすすめです。基礎をしっかり支えながら、自分に足りない栄養素を見極めていけます。もっと初歩的なところで「ビタミンB群」を買ってもいいでしょう。
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私は「ビタミンB群(ビタミンBコンプレックス)」をよく摂っています。
糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わり、ビオチンも含有。髪、肌、そして疲れ対策にも効く、まさに“基本のビタミン”。日本中どこのドラッグストアでも手に入ります。

色々なケアを試して、最後にたどり着いたのはオーガニックのシンプルなケアでした。最小限で最上級の植物を使い、頭皮を大切にする。ベーリーショートでわかりにくいですが、更年期の荒波を超えて、今の私の髪はとても落ち着いています。
私の髪、いいでしょう!


