春は変化の時。
漢方薬剤師、漢方ライフクリエーターの樫出恒代です。
冷える冬はもちろん、春にも案外多い腰痛。
春は何かと変化の時。氣温の寒暖差も、自分のことも、家族、子供の環境の変化も関係してきます。
腰痛の原因には3タイプあります
腰痛の原因は様々あるけど、まずはこの3つ。
腰痛の原因
① 腰に負担をかけたな、という時
例えば引越しとかスポーツとか、いつもしないことを張り切ってやって、明らかに腰に負担がかかった時の腰痛。筋肉痛もあり。
② 冷えた、という時
美味しいといわれるパン屋さんとか人氣のカフェなどに外で並んで待ったり、寒いところで長く過ごしたり。普段から冷え症だったり寒暖差がひどい時など。冷えと暖かさが交互に来る時はより冷えを感じ、筋肉の動きもついていけずに腰痛が起こりやすくなります。
③ いやだいやだがたまった時
腰痛は精神的にもおこることがあり、腰にストレスがたまってくると言われます。
うつうつ、くよくよ、がまんが知らず知らずにたまってきて腰痛につながることも。
さぁ、どれが当てはまりますか?
引っ越し作業で腰にピキッときたときに飲んだ漢方
私は昨年、2回も引越しをして、フローリングの床に座って要るものと要らないもの整理をしたり、重いものを持ったり運んだりして、ピキッと腰痛に。ギクッではなかったから、まだよかったけれど。
これは無理しちゃいけない、まだ引越しは続くということで、すぐに漢方を飲みました。
この場合は、上の腰痛の種類でいうと、
① 慣れない作業をして腰に負担をかけた。
②冷たいフローリングに長い時間、同じ姿勢ですわってとても冷えた。
これですね〜。
動けないほどの痛みではなのですが、重く痛い感じでした。
触ってみると太ももや腰のあたりは冷えて固まっていて(同じ姿勢をつづけたため)、あーかなり冷えたんだなぁ、やってしまったなぁ、と。
すぐに湯たんぽでお腹を〈腰とお腹は表裏どちらも大事〉、貼るカイロで腰と背中をあたためて
●疎経活血湯(そけいかっけつとう)
●双参(そうじん)
という漢方をお湯に溶かして飲みました。
※注意
ギクっとなった時(ピキッではない)は、腰に炎症が強くおきています。動けないくらい痛い時は、いったん冷やしたほうがよく動かない方がよいです。
手伝ってくれてたスタッフも心配の面持ち。
まずは温めながら動かず指示だけして…(笑)。だんだん緩んで心地よくなる感覚、すぐに完治ではないけど、漢方と養生のおかげで翌日には動ける身体になりました。
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腰痛におすすめの漢方薬を症状別にご紹介
腰痛の漢方薬についてご紹介します。漢方薬は体質によって選びますのでこちらは参考になさってくださいね。
ちなみに、先ほどの腰痛の原因を簡単に復習しますと、
① 腰の負担 ②冷え ③ストレス となります。
腰痛に用いられる漢方薬
《すぐに痛みをとりたい》
●芍薬甘草湯 (しゃくやくかんぞうとう)
芍薬と甘草が痛みを和らげます。
①②③タイプに
《血流をよくする》
●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
瘀血(ドロドロ血)のタイプの方に。冷えのぼせがある、頭痛、肩こりなどにも。
①②タイプ
●四川富貴廣EX(しせんふうきこう)〈食品〉
田七人参が活血し、血をしっかり流して痛みに効果的。
①タイプ
《冷えをとり痛みをとる》
●当帰四逆加呉朱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
腰、下半身の冷えがある方。クーラーが苦手、しもやけができる方などに。血を増やして流れをよくし、腰痛によい。
②タイプ
●八味地黄丸(はちみじおうがん)
夜間尿で悩んでいる方に有名な処方。腎の冷えといわれる[腎陽虚]のタイプの腰痛に。冷えがあり、足腰が弱く力がない、だるい、疲れやすい、寒がり、多尿などのある方に。
②タイプ
●疎経活血湯(そけいかっけつとう)
私の経験上、更年期の女性の腰痛に本当に良く効きます。血が足りなくなり、めぐりが悪化しやすく冷え、水毒もあり、疲れやすい症状などに。
② タイプ
《氣力をあげる》
●防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
いやなことや不安なことがたまってきて氣力が落ちてくると、血水のめぐりが悪くなり
腰痛の原因になることもあります。むくみやすい、だるい、少し動いただけですぐに汗をかく、食事を減らしても痩せられない、そんな方に。
③タイプ
●双参(そうじん)
エゾウコギと朝鮮人参。βエンドルフィン<幸せホルモン>で氣力を増す。身体とこころをあたためてゆるませてくれるから痛みにも効果的。
② ③タイプ
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腰痛にはツボもおすすめです
私がいつも行なっている、漢方カウンセリング【バイタルフットヒーリング】でも必ずみるところはこの3つです。
腰痛のツボ3か所
腰痛の反射区
ここを押して流してください。痛い時は腰が痛い時かも。
崑崙(こんろん)のツボ
かかとの外側アキレス腱の手前。
委中(いちゅう)
ひざを曲げたときにできる裏側のシワの真ん中。ぽこっとしてるときは流れが滞ってるとき。
腰痛は慢性化しやすいので、早めに漢方などで治しましょう。
自分のことを知り、自分が何を選んでいくか。
選ぶのは自分だから、その時に漢方の知恵がそばにあったら、と思うのです。
漢方はほどほどが大事と考えます。
頑張りすぎたり、我慢しすぎたりが続くと、心身のバランスがくずれてくる。だからなんか変だなという違和感を感じたら離れてみる、休んでみる。
何より、まず自分を大切にして。
腰痛も身体からのひとつのメッセージです。
なぜそうなったのかなと考え、氣づいてあげてくださいね。
健やかで晴れやかな、更年期、ポスト更年期をすごせるように!