漢方薬剤師・漢方ライフクリエーターの樫出恒代です。
自分のことって案外わからないものです。
でも、自分の体質・氣質を知ることは漢方ではとても大切なことと考えます。
自分の強み、元氣な時の状態、自分の弱み、陥りやすい不調。それを知ることが更年期を楽に過ごす手掛かりになります。
漢方の場合は、「自分で感じる、なんとなく不調」「病氣というわけではないけれど…」というあいまいな症状も見逃さないことが大事なのです。

じつは、ほとんどの方が複数の体質を併せ持っています。
その中で、どこがいちばん辛いのか、よく症状が出るのかなどを見つつ、年齢や季節やその時のストレスレベルなども考慮しつつ、その方に合う漢方養生や漢方薬を決めていきます。
8つの漢方体質。あなたはどれにあてはまる? さっそくチェック!
今回、特に更年期世代の女性のための〈漢方体質チェック✅テスト〉を作りました!
体質は8タイプに分かれます。
ぜひ、チェックしてみてくださいね^_^
A.「氣虚」
・全身のだるさ、無力感がある
・立ちくらみしやすい
・声が小さく細い方だ
・几張面でまじめ
・朝起きるのが辛い
・寝汗をかくことが多い
・友人と会うのも億劫になることがある
B.「氣滞」
・胸やお腹が張る
・イライラしやすい
・食欲が抑えられないときや全く食欲がないときがある
・寝つきが悪い
・気分にムラがあり、急に怒りっぽくなったり、鬱っぽくなる
・のどが詰まるような感じがする
・ため息をつきやすい
C .「血虚」
・物忘れしやすい
・髪の毛が抜けやすい
・夢が多い、悪夢を見る
・肌に潤いがなくツヤがない
・眠りが 浅い、すぐに目が覚める
・息切れしやすい
・足がつりやすい
D.「瘀血」
・肩こりや頭痛が起きやすい
・静脈瘤がある
・シミ・アザができやすい
・月経が重く、子宮筋腫がある
・目の下にクマができやすい
・傷が治りにくい
・肌のくすみが気になる
記事が続きます
E .「陰虚」
・便秘、あるいは大便がかたい
・のどが弱く空咳が出やすい
・入浴していてのぼせやすい
・入浴後に皮膚が乾燥してかゆくなる
・手足がほてりやすい
・暑くても汗が出にくい
・昼間の尿量が少ない(4回以下 )
F.「水毒」
・むくみやすい(顔)
・頭重、片頭痛がある
・身体がだるく重い
・汗っかき
・水分を多くとる
・関節痛になりやすい
・花粉症や鼻炎で鼻水が出やすい
G.「脾虚」
・食欲がないか、ありすぎる
・冷えやすい
・下痢または便秘
・考え込むことが多い
・食事の量が少なめで、一度にたくさん食べられない
・胃がもたれてムカムカする
・食後に眠くなる
H.「腎虚」
・耳鳴りや難聴が起きやすい
・腰や膝に痛みを感じる
・心配症でうつうつしやすい
・白髪・髪が細くなる
・ふらつきやめまいがある
・下半身が冷えやすい
・トイレの回数が多く夜間尿、尿漏れがある
どれがいちばん多かったですか?
チェックが1〜3個なら、ややそのタイプ。4個以上はそのタイプといえそうです。
複数のタイプにあてはまる人も多いと思います。
漢方8つの体質別・更年期世代の養生法
A.「気虚」
氣が不足し、疲れやすい、根氣が続かない、風邪をひきやすいなど。

© Kaon Kampo Academy Text
*養生*
身体全体を温める。胃腸の消化吸収機能を高め、胃腸に負担をかけない食事をする。
昼は無理のない程度にしっかり身体を動かし、夜は10時までには寝るように
*避けたい食材*
冷たい飲み物や食べ物、刺身などの生もの、脂っこいもの、唐辛子などの刺激物
*おすすめの食材*
イモ類(山いも、長いも、大和いも、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ)、ねぎ、生姜、うなぎ、牛肉、羊肉、鶏肉、鶏卵、りんご、山椒、シナモンなど
B.「気滞」
氣の流れが滞りやすく、喉がつまる、胃が張る。神経質、ストレス、イライラになりやすい。

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*養生*
氣を巡らせる香味野菜を積極的に。香りの食材は加熱を少なめにする。
「肝にさわる」という言葉があるように、ストレスは肝を疲れさせますから、肝の働きを助ける酸味の食べ物をとる。
氣を巡らせるために、できたら1日1回は楽しく大声で笑いを
*避けたい食材*
辛味の強い食べ物、お酒、ガスの発生しやすい、さつまいも、豆類
*おすすめの食材*
春菊、セロリ、パセリ、三つ葉、せり、黒酢、梅干、キャベツ、しじみ、レバー、菊の花、ミンオレンジ、レモン、グレープフルーツ、ゆず、クコの実、ジャスミンなど
C.「血虚」
血が不足しやすく、皮膚や爪の乾燥、貧血、物忘れ、動悸などの症状が出やすい。

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*養生*
胃腸の消化吸収を高め、胃腸に負担をかけない食事。黒い食材、赤い食材を積極的に取り入れる。
日中は軽い運動を、夜は早めに寝るように
*避けたい食材*
冷たい飲み物、食べ物、刺身などの生もの、脂っこいもの、甘いもの、唐辛子などの刺激物
*おすすめの食材*
にんじん、黒ゴマ、黒米、黒豆、小豆、クコの実、なつめいちご、レーズン、プルーン、小松菜、ほうれん草、レバーなど
D.「瘀血」
血の流れが滞りやすく、肩こり、頭痛、腰痛、しびれ、のぼせなどがおきやすい。

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*養生*
美食、過食をさける、適度な運動を心がける、 血をさらさらにする食材を多くとる、身体を冷やしすぎないようにする、ストレスをためないようにする
*避けたい食材*
肉の脂身などの動物性脂肪、バター、生クリーム、チョコレートなどの甘いもの、味の濃いもの、塩辛いもの
*おすすめの食材*
ねぎ、にら、しょうが、たまねぎ、酢、さんま、あじ、いわし、小豆、黒豆など
記事が続きます
E.「陰虚」
身体の潤いが足りなくなる、熱がこもり、ほてり、喉のかわき、疲れやすいなどの症状

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*養生*
冷たい飲み物や食べ物を避ける、辛いもの熱すぎるものは避ける。
疲れをためないよう休むときは休む
*避けたい食材*
唐辛子、胡椒、山椒、からしなどの香辛料、にんにく、ニラ、コーヒー、濃いお茶、アルコール、揚げ物や脂っこいもの
*おすすめの食材*
大根、れんこん、なし、白菜、かぶ、ゴマ、きゅうり、松の実、豆腐、豆乳、菊の花など
F.「水毒」
水分が過多になり、むくみ、めまい、下半身の冷え、関節の痛みなどがおきやすい。

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*養生*
日頃から運動で氣持ちよい汗をかく。身体を冷やさない。
食物繊維に富んだ穀物類をよく噛んで食べる、水分の過剰摂取気をつける
*避けたい食材*
冷たい飲み物や食べ物、肉の脂身などの動物性脂肪、バター、生クリーム、砂糖、果物や炭酸飲料
*おすすめの食材*
玄米、はと麦、ごぼう、人参、大根、かぶ、たけのこ、しいたけ、えのきだけ、まつたけ、小松菜、さんま、さば、あじ、いわし、あさり、しじみ、海藻類、寒天など
G.「脾虚」
脾〈消化吸収機能〉の力が落ち、氣をつくるパワーも落ちている状態。

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*養生*
食事は規則正しく、ゆっくりと。体を温める(特に胃腸の周りを冷やさないように)、温かい飲み物や食べ物をとる、心配ごとを溜め込まない、十分な睡眠をとる
*避けたい食材*
冷たい飲み物や食べ物、冷蔵庫から出したばかりの飲み物、生の野菜や果物、コーヒー、牛乳、アルコール、脂っこい食べ物、生もの、甘いもの
*おすすめの食材*
もち米、玄米、はとむぎ、大豆、枝豆、黒豆、小豆、さつまいも、じゃがいも、山芋、かぼちゃ、きのこ類、にんじん、大根、ごぼう、レンコン、鶏肉、牛肉、豚肉、鮭、イワシ、生姜、ネギ、にんにく、栗、ナツメ、はちみつ、みそ、豆腐など
H.「腎虚」
腎のちからが落ち、エネルギー[氣]が不足しやすくなる。腰痛・泌尿器系の不調・老化現象など。

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*養生*
十分な睡眠(夜更かしは避け、質の良い睡眠をとること)、冷やさないこと(特に腰や下腹部、足元を冷やさないように。腹巻やカイロはおすすめ)、温かい飲み物、食べ物をとる、入浴(シャワーでなく湯舟につかる)、ストレッチ、ヨガ、太極拳などの運動(激しい運動はNG)。氣をつかいすぎないように、自分ファーストで過ごすこと
*避けたい食材*
冷たいもの、生もの、味の濃いもの、脂っこいもの、カフェインやアルコールなどの刺激物
*おすすめの食材*
黒豆、黒ごま、ひじき、わかめ、昆布、きくらげ、黒豆、インゲン豆、小豆、クルミ、栗、ナツメ、クコの実、エビ、アワビ、イカ、カキ、山芋、レンコン、きのこ類など
特に更年期になると、腎や脾の力も落ちてくるといわれます。
弱いところを補って、自分を大切にするきっかけにしてくださいね!
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