漢方ライフクリエーター・漢方薬剤師の樫出恒代です。
「病院から処方された薬(西洋薬)と漢方薬、併用してもいいですか?」と、聞かれることがよくあります。
その際、まず何を服用しているのか確認することからスタートします。
お薬手帳を見せてもらうなどして、どんな薬を、だけでなく、どんな症状で服用しているのかまで確認。そのうえで漢方薬との併用はOKと判断することが多いです。
西洋薬と漢方薬の併用はお互いの足りない部分を補う意味でも、有効な場合が多いのです。
東洋医学と西洋医学は得意分野が異なります
では、東洋医学【漢方】と西洋医学の違いとは何でしょう?
漢方には「心と身体はつながっている」という考え方が根底にあります。
心身一如(しんしんいちにょ)
心は身体であり、身体は心であり、つながっている、切り離すことはできないという意味です。
心が病めば身体も病み、身体が病めば心も病む。
例えば、悩み事があると胃の調子が悪くなる。また、その逆で胃が痛いことから不安になり、外にも出かけるのもいやになる。
身体がつらいと心もつらく、心がつらいと身体もつらい。
漢方は、一部のつらい症状だけを診るのではなく、全体的・ホリスティックに診ていくことが特徴です。
例えば、
○夜はぐっすり眠れているか
○ご飯は美味しく食べられているか
○刺激物、甘い物ばかり食べてないか
○ホッとするときって、どんなとき
○自分がどんな風に、どんな氣持ちで日々を過ごしているか
など。
漢方は「病氣」だけではなく「病人」を治す、をモットーにしている医学。
症状が収まったから終わりではなく、その先も考え、生きることをサポートしていくことが得意です。
そのために今の自分を知る、自分に氣づくことから始まるのが漢方なのです。
自然治癒力を上げて病氣にならない。病気になったとしても再発しない。そんな高め安定の状態をつくっていくことができるのが、漢方のちからです。
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漢方は、不調の原因を根本から考えて治療する
一方、西洋医学は心と身体は別々のものとしてとらえ、臓器ごと、部分ごとに診ていきます。
病気を診る=病気の原因となる特定の部位や因子(ウイルス、細菌など)に注目し、それを取り除く手術や、症状を抑える薬で治療します。急性の病氣や骨折、外傷、救命処置などが得意分野です。

西洋医学には「科」がありますが、漢方にはありません。
例えば頭痛、生理不順、便秘という症状を抱えていた人がいたとします。西洋医学では頭痛は内科で痛み止め、生理不順は婦人科、便秘は消化器科で下剤が出されます。
漢方では頭痛、生理不順、便秘は関係して症状が出ていると考えます。冷えがあり血流が悪く、血の滞りや水の停滞、氣のめぐりが悪くなっている場合があるため、その根本から治していきます。
〈じっくり漢方〉と〈速攻漢方〉で、びっくりするくらいの改善も
漢方には、根本的に治していく【根治】と、まずはつらい症状を治す【標治】があります。
それを、私は〈じっくり漢方〉と〈即効漢方〉に分けていて、一番つらい症状は即効漢方で治しつつ、根っこの体質改善をするじっくり漢方も併用することがよくあります。
そうすることで、びっくりするくらい改善することがあります。
例えば、漢方薬の顆粒1包をお湯に溶かして飲んだだけでも症状がさーっと良くなり、さらにじっくり漢方を飲んで根っこしっかり治していくことで、だんだん体質が変わり症状がぶり返さないようになってくることがあるのです。
私は33年以上漢方に携わってきていますが、決して西洋医学や西洋薬を否定しているわけではなく、それぞれの得意なところを上手に使えたらいいと思っています。
西洋薬で今あるつらい痛みなどを抑え、その間に漢方薬を用いて自分の持っている自然治癒力をアップすることですっきり治っていくことも可能なのです。
大事なことは、不調を抱え続けないこと。痛みがあったり、具合が悪い状態を仕方ないと思わず、心地よく元氣な状態にしていくこと。
そのために何を選ぶかは、自分が決めていく。
東洋医学【漢方】も西洋医学もよりよく生きていくための力なのです。
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