昔ほど無理が利かない、疲れやすくなった…など、体の変化が表れる40代になったら、これだけは知っておきたい!
今さら聞けない素朴な疑問にお答えします。
Q-1 女性ホルモンって何?
A:あなたの女性らしさの源です。
女性が妊娠・出産できる体をつくるために、卵巣で作られるふたつのホルモンの総称です。人は10歳くらいから、男性と女性に違いが出てきます。それを司るのが性ホルモン。女性ホルモンは初潮から閉経まで出続けて、女性らしい体つきにしたり、生殖機能を育んでいます。
Q-2 量はどのくらい分泌されるの?
A:一生でたったスプーン1杯ほど。
女性だけにしかできない妊娠・出産。この大仕事を成し遂げるために、思春期からコツコツと体をつくり、環境を整えて準備をしています。成長とともに、どんどん増えるように思えて、実は分泌量は一生でたったのスプーン1杯ほど!
Q-3 どんな働きをしているの?
A:子宮や卵巣をはじめ、さまざまな臓器に関係しています。
子宮や卵巣に作用して、妊娠・出産を可能にするだけでなく、自律神経や感情の動き、肌や髪、骨や血管の健康にも影響を与えています。膠原(こうげん)病や橋本病、リウマチなどの自己免疫疾患、骨粗しょう症、動脈硬化、認知症も女性ホルモンが発症を抑えていることがわかっています。
Q-4 分泌されるメカニズムは?
A:脳でコントロールされています。
女性ホルモンは脳からの指令で、卵巣からエストロゲンとプロゲステロンのふたつが分泌されます。乳房や子宮だけでなく、血液にのって全身を巡り、さまざまな臓器に影響を与えています。
Q-5 女性ホルモンが関係するトラブルは?
A:年代により異なります。
女性の病気は女性ホルモンの変動に深く関係していて、年代ごとに変化します。若い頃は月経のトラブル、子宮内膜症や子宮頸(けい)がんなど。更年期になると更年期症状をはじめ、乳がん、卵巣や子宮体がんが増え、老年期には骨粗しょう症や認知症などが出てきます。下図を参照。
エストロゲンの分泌量が多い成熟期と、減る更年期以降では、かかりやすい病気が変わってきます。これを見ても、女性ホルモンが病気と深く関係していることがわかります。
資料提供/対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座
次回は、男性ホルモンとの違いや体型による分泌量の違いなど、今回に続き「女性ホルモン素朴な疑問(基礎編②)」をご紹介します。
イラスト/坂田優子 図表/ビーワークス 取材・原文/山村浩子