閉経してしばらくすると、症状も治まってきます。
これでもう安心…ではなく、60歳頃から注意しなければならない、体の変化も知っておきましょう。
Q-25 閉経すると女性ホルモン値はどうなる?
A: 限りなくゼロになります。
卵巣機能は役目を終え、閉経後は女性ホルモンの分泌はなくなります。脂肪細胞からわずかに変換されますが、測定できるほどではなく、ほぼゼロに。60歳以降は同世代の男性よりも少なくなります。
Q-26 閉経後、気をつけることは?
A:血管や骨の老化が進みます。認知症にも注意!
コレステロール値が上昇して肥満傾向に。骨密度の低下で骨粗しょう症のリスク、高血圧や動脈硬化も進みます。肝機能の低下、認知症にもなりやすくなります。
Q-27 尿もれになるって本当?
A:出産が重かった人、肥満の人はなりやすい傾向です。
すべての人がなるわけではありません。出産が重かったり、肥満の人、日常的に重い物を持つ人などに多い傾向です。原因は尿道を締める骨盤底筋群の弱化。骨盤底筋群を鍛えるトレーニングもあります。詳しくは「松峯寿美先生直伝の骨盤底筋トレーニング」へ。
Q-28 セックスはできる?
A:できます。
ただ、更年期以降は腟の分泌物が減り、腟の乾燥が進みます。腟内の弾力がなくなり萎縮してしまい、性交時に痛みを感じることも。潤滑ゼリーやオイルを活用したり、治療法としてはHRT、腟内や入り口周辺に照射する腟専用レーザー治療などもあります。
Q-29 恋をすると女性ホルモンは増える?
A:残念ながら量は増えません。
恋愛やセックスをすることで、「女性ホルモン値が上がる」ということはありません。しかし、恋をしたり、アイドルにときめいたり、趣味など何かに夢中になることは、心と体が心地よく満たされて幸せを感じることで、人生を豊かにしてくれます。
Q-30 閉経後も定期健診は必要?
A:体のメンテナンスのためにぜひとも定期健診を!
閉経後は特に、その人の体質的に弱い部分に病気が出やすくなります。婦人科の主治医を持ち、年に一度は定期健診を行って、体の変化を観察していきましょう。
イラスト/坂田優子 図表/ビー ワークス 取材・原文/山村浩子