更年期などの心身の不調や不安は一 人で悩まず、サポート機関を上手に活用しましょう。同じ悩みを持つ人との交流も役に立ちます。
電話相談にも応じてくれる頼もしい味方!
NPO法人 女性の健康とメノポーズ協会
協会発足は1996年。きっかけは代表の三羽良枝さんが 40 歳前後の約8年の間に4回の手術を経験したことからでした。当時はまだ、インフォームドコンセントなどが不十分な病院もあり、患者自身が情報を得て勉強すること、そして知識や情報を共有するネットワークの必要性を痛感したのです。
「最初は同世代の女性の、更年期に関する勉強会から始まりました。それが新聞に掲載され、大きな反響を得ました。その頃は更年期の情報が少なく、更年期医療の存在もほとんど知られて いませんでした」(三羽さん)
こうして定期的なフォーラムやセミナーを開催し、女性の更年期に関する正しい知識の啓発を始めました。現在は女性の健康と働き方を融合させ、医療、運動、食事、ライフスタイル、ワーク・ライフ・バランス(WLB)まで、幅を広げてサポートしています。
特に定評があるのは、1998年からスタートした電話相談です。
「始めた当初、テレビで取材され、夕方のニュースでほんの3秒ほど流れただけで電話が殺到。それほど、悩んでいる女性が多かったのです」
電話相談は、全国から 20 ~ 70 代の幅広い世代の女性から寄せられ、累積件数は現在まで約5万5000件に。このリアルタイムの声はデータベースとして、協会の活動基盤に。女性の健康意識調査なども実施し、医療や健康政策への提案に生かしています。
また、電話相談を受ける「女性の健康相談対話士」養成や、「女性の健康検定」を実施。検定合格者対象の「女性の健康とWLB推進員」などの認定資格は、女性の健康とよりよい働き方の推進に役立つと、企業などの女性支援に活用されています。
ほかに健康に関する出版物やDVDの発行、ウェブ配信、メディアへの出演、エクササイズ講習、メノポーズカフェ(語り合いの会)の開催など、幅広い活動で女性をサポートしています。
出版物の企画・制作
更年期をはじめとした、女性が抱えやすい悩みに対する幅広い情報や、電話相談で寄せられたリアルタイムの声などを生かして、出版物やDVDを作成。どれもわかりやすいと大好評。
じっくり聞いてくれる電話相談
専任の「女性の健康相談対話士」により、更年期をはじめとした体調の相談をボランティアで実施。
毎週火曜・木曜の10:30~16:30(祝日、8月、年末年始は休み)
☎03-3351-8001(専用電話)
フォーラム・セミナー
女性が健康に社会で活躍するために、生涯を通した健康づくりと働き方について学ぶセミナーを不定期に開催。更年期の問題を心置きなく語り合える「メノポーズカフェ」も毎月第1月曜に実施。
女性の健康検定
思春期、妊娠&出産、更年期、女性特有の疾患など、年代ごとに異なる心身の問題やワーク・ライフ・バランスに関する、正しい知識と対策法の検定で、自治体や企業からも注目されています。
三羽良枝さん Yoshie Miwa
協会理事長。女性の生涯を通した
健康づくりと働き方のサポートや啓蒙、
健康調査などを展開。 厚生労働省
「女性の健康づくり推進懇談会」構成員を務めたほか、
日本女性医学学会認定相談員など、多岐に活躍
NPO法人
女性の健康とメノポーズ協会
東京都新宿区四谷三栄町4-15 第一神田ビル1F
☎03-3351-8046
営業時間 10:00~17:00 ㊡土・日曜、祝日
次回は、定期的にセミナーを開催し、女性の体に関する正しい知識とサポートを行っている「女性ホルモン塾」をご紹介します。
取 材・原文/山村浩子