多くの女性が、フェムゾーンに悩みを抱えていることに驚いたと話す咲江レディースクリニックの丹羽咲江先生。快適な人生後半のためのフェムゾーンケアについて伺いました。
大切な部分だからこそ
自分のペースで優しくケアを
進化し続け、さまざまな治療法やアイテムも増えているフェムゾーンケア。単なるブームや他者との比較ではなく、「自分と向き合うきっかけ」として無理がない範囲で始めてみることが大事です。
“セクシャルな意味だけでなく、自分の体に関心を持つきっかけになるはず。”
丹羽咲江先生
フェムゾーンケアに私自身が関心を持ったのは、婦人科医として治療をしているなかで、「性交痛」の悩みを持っている人があまりに多かったことからでした。
そこで勉強をし、少し高価なレーザーの治療器具を導入したら反響が大きく、遠方から治療に来る人も増えました。こんなに多くの女性が、フェムゾーンに悩みを抱えていることに驚きました。
しかも治療でお話を伺うと、ほとんどの女性が自分のフェムゾーンを見たり触ったことがないと答えたのです。体の中のとても重要な部分なのに、自分の状態がどうなっているか知らない人がほとんど。
フェムゾーンケアというとセックス目的と眉をひそめる人がまだいます。でも、人生100年時代には大切なこと。排泄にも関与する部分で、尿もれ・便もれ、臓器脱などを起こすこともあります。
人に言えなくてどうしていいかわからず、外出もままならず、人生後半がネガティブになってしまうこともあります。疾患ではなくても、QOLの低下は心の健康に深く関係します。
快適な人生のために無理のない形で関心を持っていただければと思います。
お話を伺ったのは
丹羽咲江さん
Sakie Niwa
咲江レディスクリニック院長
産婦人科医。1991年名古屋市立大学医学部卒業。日本産婦人科学会専門医、日本性科学会幹事。性科学者。2002年開院。性交痛などの相談、治療、フェムゾーンケアの情報発信を積極的にしている
全国から性交痛や腟の緩み治療に患者が訪れる。クリニックケア以外にセルフケアも熱心に指導。
●愛知県名古屋市千種区池下町2-15 ハクビ池下ビル 5F
☎052-757-0222
撮影/ケビン・チャン 構成・原文/安藤由美